知っていますか?災害時のトイレのこと。
災害発生、現場の被害状況は中継で報道され、過酷な現実を映し出す。緊急避難先の被災者の方々の生活も取材される中、トイレの実情について触れられることはない。
災害大国日本
災害の種類は大きく分けて2つ。
1.自然災害:地震,津波,台風,水害,噴火,土砂災害など
2.人的災害:事故,火災,テロ,環境汚染(放射性物質の大量放出など)など
日本の国土面積は世界の0.25%でしかないが、世界のマグニチュード6以上の地震の約2割が日本で発生しており、世界の活火山約1,500の内、約1割が日本に集中しているという事実。国土の約7割を占める山岳地帯の地質は崩落しやすく河川は急勾配で洪水を起こしやすい。梅雨時期から台風期に集中する降雨。このような地理的、地形的、気象的諸条件をもつ日本は、暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火などの「自然災害」に対し脆弱な国土である。
災害と防災
9月1日は「防災の日」。この日を含む1週間(8月30日~9月5日)は「防災週間」である。
毎年この時期に全国各地で防災訓練や防災意識を高め、防災知識を普及・啓発するための行事等が行われている。
「自然災害」というと、昨年2016年4月気象庁震度階級では最も大きい震度7を観測した熊本地震。また今年7月福岡県から大分県にかけて観測史上最も多い記録的な雨量を観測した九州北部豪雨災害は記憶に新しいが、ここ数年、異常気象の影響による「自然災害」は多発しており「防災」は日々、通年で意識すべき課題といえよう。
「防災」は災害被害を教訓に、土地の危険性に応じた対応策、災害発生時に向けた事前準備等、災害に関する知識を蓄え、基本的には自らの責任で行う必要がある。しかし個人での備えには限界がある。特に避難所のトイレの確保・管理は、水・食料等の支援やライフライン(電気・水道・ガス・下水道等)の復旧・確保と同様に、被災者の「命を支えるツール」の一つとして極めて重要である。
災害時(避難所)のトイレ
・水洗トイレは使用できない
災害が起きると、断水や停電、そして下水道や浄化槽の損壊により、多くの水洗トイレは使えなくなる。その状態で使用すれば当然便器はあっという間に大小便で一杯となり衛生環境が悪化し感染症の温床になる。
・仮設トイレはすぐに来ない
仮設トイレが避難所に行き渡るのにどのくらいの日数を要したか?
東日本大震災の場合、3日以内と回答した自治体は34%、その一方で8日以上は49%。最も日数を要した自治体は65日。
・トイレに行かない
臭い、汚い、暗い、寒い、遠い、男女共用、数が少ない、段差がある、プライバシーがない等の厳しいトイレ環境。
不快な思いをしたくない⇒トイレに行く回数を減らす⇒飲食を控える⇒体調を崩してしまう。災害から命を守れたのにトイレが原因の悪循環により慢性疾患の悪化、脱水症状、エコノミークラス症候群、脳梗塞、心筋梗塞等で命の危機につながる場合もある。
【東日本大震災 3.11のトイレ ―現場の声から学ぶ―】
http://www.toilet.or.jp/toilet-guide/pdf/311.pdf 避難所 現場の声
弊社(株式会社カワハラ技研(以下:KTR))は備蓄型仮設トイレ『ほぼ紙トイレ』の企画段階で、川崎市男女共同参画センター主催「女性の視点でつくるかわさき防災プロジェト(以下:JKB)」メンバーでのボランティア活動経験者である方にヒアリングを行った。
KTR:備蓄型仮設トイレ『ほぼ紙トイレ』の試作品の製作にあたり、被災地でのボランティア活動経験からのご意見を伺いたい。
JKB:トイレの備蓄は必要です。どこが被災するかは特定できないし、皆が避難所まで来られるとは限りません。トイレは、役所、マンションの管理組合等、要所に備蓄されていると活用できる機会が拡がると思います。
KTR:備蓄トイレの実用性について教えてください。
JKB:まずはトイレの組立てです。役所の職員の約半数は(地域差はありますが)他の地域に住んでいるので災害時に勤務先の職場まで来られないことが多いのです。また警察は交通整理、救助等優先すべき業務が有りますので避難所等で公的機関の方々のサポートは望めません。つまり、その場にいる被災者たちやボランティアの人たちが協力し合うことがまず必要となります。その中でも男性は救助活動や力仕事に手がいってしまいますので、残されているのは女性、子供、老人となります。その人たちが組み立てやすい備蓄トイレであると役立ちます。
組立式トイレにシートが掛けられたままの写真。3.11の時、避難所に配送されてきたトイレだという。
説明書も無く組み立て方が分からず、誰も手を付けようとしなかったとのこと。
KTR:弊社の企画している備蓄型仮設トイレ『ほぼ紙トイレ』に要望やアドバイスを頂けますか?
JKB:工具不要で設置できれば1番助かりますが、部品があるのであれば最低限に。
照明は防犯対策として有効です。多くは報道されませんが、被災地や避難所では痴漢、のぞき、窃盗等の犯罪も発生しているのです。
壁に自由に書き込みが出来ると、案内、掲示板としても役立ちます。
便器は洋式、換気扇付き、階段は無くスロープ、手摺りをつけるなど要望はありますが、全てに対応できる備蓄型トイレは非現実的であり、多数派に対応する装備にすることは止むを得ないでしょう。
復旧までの数日間、被災者の方々の心身の衛生のために役立つトイレの製作を期待しています。
仮設トイレの備蓄
避難所等におけるトイレ対策は、避難者の心身の健康管理、そして避難所の衛生対策上、重要な課題である。
国、都道府県、市町村、指定公共機関等は、過去の災害を教訓に、防災に関する計画の作成・実施等、相互協力を行っているが、被災者支援という観点から、改めて避難生活におけるトイレの課題について実効性のある体制に取り組むことが望まれる。また民間企業も災害に対する意識を高め主体的に企業防災を推進するための仕組みを検討して欲しい。もちろん基本はわたしたち国民の一人一人が防災意識を持つことだ。
その第1歩として、要所々々での仮設トイレの備蓄から始めよう!
本製品に関するお問い合わせ
本製品に関するお問い合わせは 株式会社カワハラ技研まで。03-3532-3121
『 ほぼ紙トイレ』の件とお伝えください。担当者が対応させていただきます。
特許 出願中
商標 出願中
会社概要
会社名:株式会社カワハラ技研
代表者:代表取締役 川原 愉
所在地:〒104-0052
東京都中央区月島2-2-10
クエスト正徳201
設 立:1987年6月24日
URL:kawahara-giken.com
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