○『ミライフル』(住宅・住空間)ベスト100 選出
○プラウドシティ阿佐ヶ谷(集合住宅)、プラウドシティ加賀学園通り(集合住宅)、
プラウド千代田淡路町(集合住宅)、戸建街並み照明ガイドライン(住宅用工法)、
住民と成長するマンションライブラリー(ソフトウェア・サービス・システム)、
プラウドフラット中落合(集合住宅)、BAYZ TOWER&GARDEN (集合住宅)
野村不動産株式会社(本社:東京都新宿区/取締役社長:宮嶋 誠一)は、下記8 プロジェクトにおいて、財団法人日本デザイン振興会主催の2017 年度『グッドデザイン賞』を受賞しましたので、お知らせいたします。
当社において『グッドデザイン賞』受賞は16 年連続となり、受賞プロジェクト数は、過去最多となります。
また、「水まわりのレイアウトの自由度を高め、家族の暮らしを受けとめる住まい」を実現する『ミライフルは、ベスト100に選出されました。ほか、地域に開かれた街づくりを実現した「プラウドシティ阿佐ヶ谷」、地域との接点である境界のあり方を提案した「プラウドシティ加賀通り」、都心の多様なライフスタイルに応える「プラウド千代田淡路町」なども受賞しました。当社では今後も人や街が大切にしているものを活かし、「未来(あした)につながる街づくり」を通じて、社会に向けた新たな価値を創造してまいります。
○『ミライフル』(住宅・住空間)(ベスト100選出)
水まわりのレイアウトの自由度を高め、家族の暮らしを受けとめる住まいを実現する「ミライフル」
【概要】 水が落ちることにより発生する吸引力を利用した「サイホン排水システム」をキッチンに導入したことで、キッチンのレイアウト変更が可能になり、(1)多様なライフスタイルに合わせ、キッチンを大胆に配置したプラン(2)子供が独立した後の夫婦二人の豊かなシルバーライフや、介護が必要になった時のバリアフリー対応など、ライフステージの変化に合わせて間取りを変える「可変性」が実現しました。人々の暮らしや家族の在り方がますます多様化するこれからの時代に、その多様性を受け止める「住まい」を提供してまいります。
【審査委員の評価】
水勾配を細部まで処理することにより配水の自由度を作るデザインに昇華している。集合住宅の間取りの自由度を高めていく画期的な提案である。これまで、配水のメイン管に近づけることしか実現していなかったキッチンの位置をリビングの真ん中など自由に移動することができることで設計者のデザインの幅を広げる。暮らし方が人によって変わっていく時代に間取りの自由度が上がることにより、集合住宅の風景が変わることが期待される。
■従来の重力式排水システム
キッチンのそばに排水立て管が必要。
キッチンの位置は排水立て管からの
距離の制約を受ける。
■ミライフル(サイホン排水システム)
住戸の外に排水立て管を設置。
水回りの設置可能範囲が拡大し、
レイアウト変更の自由度が向上。
○『プラウドシティ阿佐ヶ谷』(集合住宅)
緑・人・地域をひらく街づくり 旧阿佐ヶ谷住宅の団地建替え事業
【概要】 プラウドシティ阿佐ヶ谷は、1958年竣工の老朽化した分譲団地「阿佐ヶ谷住宅」(350戸・52棟)の住民提案型の建替え事業により、約20年の年月を経て誕生した集合住宅です。旧阿佐ヶ谷住宅が大切にしてきた「空の広がり」、「地域に開かれた広場」、「通り抜け通路」を継承することで、セキュリティのために閉鎖的になることなく、地域とのコミュニティを重視した開かれた街づくりを実現しました。また、善福寺川緑地と連携した緑のネットワークを形成することで、武蔵野の森を再生し、緑豊かな住環境の創出を図りました。 本プロジェクトで行った「敷地全体をオープンスペースとした開かれた街づくり」が、今後の団地の再生事業において、ひとつのモデルケースとなります。
【審査委員の評価】
緑のネットワークと通り抜け通路のランドスケープによって集合住宅の価値が地域の価値ともなっているデザインが評価された。阿佐ヶ谷の環境に対して、かつて阿佐ヶ谷住宅で大切にされていた地域に開かれた外の拡がりを継承し、新たに提供していることが特徴である。通り抜け通路や、点在している緑の空間が住人たちの居場所になっていることが効果的で、今後どう使われ、経年変化と共にどう変わっていくかに期待が持てる。
○『プラウドシティ加賀学園通り』 (集合住宅)
居住者と地域住民双方の目線から境界をデザインすることで、地域と融和する住まい
【概要】
加賀という地名は加賀藩前田家の下屋敷があったことに由来することから、地域に慕われた屋敷跡地には、居住者はもちろん、地域住民に親しまれることが重要であると考えた。そこで、居住者と地域住民の接点である敷地の「境界」に着目し、居住者のセキュリティを確保しながら、物理的にも視覚的にも地域に開かれるデザインとしました。
居住者と地域住民の両者の視点でデザインを行うことで、「境界」に二面性を持たせ、集合住宅に求められる「境界」が担う新たな役割を示しています。
【審査委員の評価】
分譲集合住宅のデザインが一歩進んだ印象を受ける。一般的に、分譲住宅側のセキュリティを上げれば上げるほど、地域に対しては閉ざされたコミュニティとなり、結果的には居住者が地域社会から孤立する。そのような課題に対し、セキュリティのあり方を見直し、建築・ランドスケープのデザインによって解決しようとする好例である。 屋敷跡地という地域資源を集合住宅の供給側が利用するにあたっては、地域社会に対する思想が欠かせない。その地域資源は、地域住民が愛着を持ち続け、あるいは維持管理に協力してきた歴史があるからである。そのような思想に基づいた境界デザインによって、結果的には、新しい住民が地域社会に受け入れられていくことになるだろう。
○『プラウド千代田淡路町』 (集合住宅)
都心居住の多様なニーズにきめ細かく応える、14,112通りの専有部の選択肢
【概要】
多様なライフスタイルを送る単身・少人数世帯に対し、画一的なプランではなく、ゆとりのある凹凸型の間取りを提供しました。加えて、キッチンや洗面化粧台や収納など14,112通りものバリエーションを用意することで、住む方が自ら暮らしをデザインしていただけるよう配慮しました。また、1階の日常動線上と、最上階に2つのラウンジを計画することで、本やコーヒーなどをきっかけに、同じ時間を共有し、緩やかなつながりを生むことを意図しました。
多様なライフスタイルを多様なまま受け入れる今回の提案のように、暮らしに寄り添った提案を通して、「永く住みたい」と思える心地よい住まいを今後も提供してまいります。
【審査委員の評価】
比較的コンパクトな間取りの提案として興味ぶかい。凹凸型のプランによってくびれと太めを住戸間に発生させ、特に太めの部分があることで、小規模の住宅プランでおこりがちな細く限られた空間を、ゆとりを持つ空間デザインに変えたことが秀逸である。
○『野村不動産×コイズミ照明「街並み照明計画」の取り組み』 (照明計画ガイドライン)
戸建の屋外照明を街全体でデザインし、安心安全で美しい夜の街並みを生み出す仕組み
【概要】
当社の分譲戸建ブランド「プラウドシーズン」において、 昼間だけではなく、夜の街並みも豊かにするための屋外照明の設計ガイドラインを開発しました。単に照明を増やして明るい街をつくるのではなく、器具の配置や向き、適切な照度選定等により、各住戸から溢れる明かりを共有し、一体感のある夜の街並みを作り出す手法を提案。また、明るさによる自動点灯や人感センサー、LED 照明を導入することで、居住者の手間やコストを抑え、日々の暮らしを通じて、「美しい夜の街並み」ができる仕組みを目指しました。街全体で照明をデザインすることで、美しさと安心安全が両立し、より愛着を感じて頂ける街を提供いたします。
【審査委員の評価】
分譲住宅地において、照明という観点から景観設計を行った計画である。照明計画は、大規模な開発などでは当たり前に行われているが、住宅地において展開した例は、あまりないだろう。照明を個々の住宅に任せるのではなく、街路の特徴に合わせた光、最適な光量の調整など、実にきめ細かくガイドラインを作成し、さらに運用など経済的な側面からも検証している。こうした街並は、自分の街に対する愛着も育むことになるだろう。
○『住民と成長するライブラリーシステム』-プラウドシティ大田六郷
(ソフトウェア・サービス・システム/インターフェイス
マンションで共有する7,000冊の蔵書、居住者とともに「成長するライブラリー」
【概要】 本好きの方の「図書館に暮らしたい」という夢を実現すべく、マンション内のライブラリーでありながら地域図書館と同規模となる7,000冊の蔵書のライブラリーを目指しました。また、定期的に入れ替える本をブックオフが買い取り、その費用で新たな本を購入するというサスティナブルなシステムを導入することで、居住者と共に「成長するライブラリー」を実現しました。本に囲まれた環境の中、未知の本に触れ、新たな学び体験が生まれることを意図しています。 同時に、資源を無駄にすることなく無理なく続けることができるマンション住まいのリユースシステムを構築することで、「リユース率100%」の循環型社会の実現を目指します。
【審査委員の評価】
デベロッパーと書店と本の二次流通業者が連携して、マンションのコミュニティ活性化に寄与する施設を設置、運用するというモデルの新しさと本質的な価値、また、設置後に内容が更新され、住民コミュニティに適応していくという時間的推移までデザインしている点を評価した。
○『プラウドフラット中落合』(集合住宅)
さまざまな規制と事業性から生まれた形態~人・場・街との関係性の建築。
【概要】
神田川支流の妙正寺川付近、西武新宿線下落合駅と中井駅の中間の商店街の入り口に位置する37戸の賃貸共同住宅。新宿、池袋など都心への便が良く、作業場や小店舗の存在する下町的要素を持つ準工業地域と新築マンションの多い住居系地域の隣接・混在するエリア。法令等の制約の中で、事業性を確保しながら居住者の豊かさや快適性を与える事、場への思慮、近隣への配慮や圧迫感の軽減など、全てのバランスを考えながら取組んだ集合住宅。
【審査委員の評価】
立面高さ方向に分節して、エントランス部分の見えがかりを低い印象に抑えている。またそのエントランスは地域の産業を意識した装飾的天井が施されており、床を下げることによって街路から奥まで窺い知ることができる。各住戸においては構造躯体の断面的な工夫によってサッシ高さを確保し、開放的な空間を実現している。断面的なデザインの工夫によって、専有部にも共用部にも特徴を与えることに成功している。
○『BAYZ TOWER&GARDEN』(東京都江東区/集合住宅部門)
【概要】
官民一体による街づくりが進む新豊洲エリアで、永続的に暮らせる住まいを計画しました。地震に対する安全性と、住戸の開放性向上・軽快なファサードを両立するため、日本初の免制震複合システムを採用しています。街の財産となる風景を創るため、隣接の「SKYZ TOWER&GARDEN」と連続する開放的なランドスケープデザインを実現。建物内の共用施設も隣接街区と共有し、1階のキッズガーデンは災害時に防災拠点としての機能を付加。相互の住民が参加するイベントの継続的な実施を通じて、世代を超えたコミュニティが持続する街を目指したタワーマンションです。
※東京建物株式会社、三井不動産レジデンシャル株式会社、三菱地所レジデンス株式会社、東急不動産株式会社、
住友不動産株式会社、野村不動産株式会社、東京電力パワーグリット株式会社の共同受賞。
【審査委員の評価】
敷地規模でも、建築のつくりかたにも、「統合」というデザインマインドが染み渡っている印象である。新しい街をつくるというコンセプトのもと、敷地の内部に閉じることなく、外部空間や共有ファシリティを、敷地外の隣接プロジェクトに開いている。建築デザインとしても、構造・設備の高度な統合により、開放的で軽快な住空間が実現されている。 長きにわたって住み続けられる良質なストックの形成が評価された。
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