2018年1月15日に開成アカデミー日本語学校主催、「不動産賃貸講習会」を開催しました。中国、タイ、ベトナムからの留学生を対象。
株式会社成学社が運営する、開成アカデミー日本語学校には、学生寮があり、ほとんどの学生が寮で生活をしています。しかし、日本語学校を卒業し、大学や専門学校へ進む時には、自分の力で、住居を探さなければなりません。日本人にとっては、アパート探しは、今時ネットでたやすく情報が入手できるので、簡単なことのように思えますが、留学生にとってはネットで情報を見つけるのにも、日本独自の文化や慣習を理解していなければ、本当に自分が探している物件なのか判断がつかないようです。
■言葉の後ろにある文化の違い
実際に講習会中に質問が相次いだのは、「礼金」について。保証金が必要なのに、さらに支払わなければいけないことに納得がいかないようです。
元々、「礼金」は賃貸借契約締結への謝礼という側面があります。「部屋を貸してくれてありがとう」という気持ちを込めて、大家さんにあげるお金だと説明がありました。
「お礼に『何をもらうか』、『いくらもらうか』、もらう方が決めるのはおかしいと思いませんか?」と学生に聞かれ『確かに』と思う一方で、賃料のおよそ2ヶ月分を礼金として支払うことは不動産取引においては「慣習」になってしまっていることを学生たちが理解できるまで説明することが、この講習会の意義なのだと改めて感じました」という運営スタッフ。「教科書を使った授業ではここまで深く文化や習慣・慣習に触れることが少ないので授業の合間にできるだけ日本の文化や生活に触れる機会を作っています。苦労も多いですが、今回もやってよかったと思える講習会でした」とコメント。
日本で何度もアパートを借りている人にとっては「違和感」のない言葉・行為でも、初めて自分に降りかかってくる支払い義務となると、最初は困惑しながらも、なんとか理解しようと必然的に真剣になるようです。
今回、講習会にご協力いただいた株式会社レオパレス21大阪支店の坂さんによると留学生に理解してもらうのに一番苦労するのが、「日本のアパートには居住できる人数に制限があること」だそうです。一つのアパートに何人で暮らそうが、不自由や不便さを感じるのは住んでいる本人なんだから、きちんと賃料を支払っている限りは、退去処分になるのはおかしいという言い分が大半だそうです。今回も講習会の中で特に強調して説明されていました。
■母国での学生アパートの借り方を聞いて納得!
イベント終盤、学生たちに母国で学生がアパートを探す時はどうしているのか、疑問や腑に落ちない点がどこからきているのか探るために聞いてみました。
「学生がアパートを探す時は、通学できるエリアに実際足を運んで、自分で空きアパートがないか探します。“空き”のサインがあれば、たいてい大家さんの連絡先が書いてあったり、管理人さんから連絡を取ってもらえたりできるので、自分で交渉します。契約時には、デポジット(保証金)を家賃の約2ヶ月分支払い契約成立というのが大まかな流れで、不動産業者を介さないので手数料などもかかりません。自分で交渉するので納得した金額を、合意した時期に支払うので不安や不満に思うことは少ないです。決めたアパートは数人でシェアするのが一般的です」とのコメントにレオパレスのスタッフも苦笑い。「持ち時間が短すぎるので、説明が十分でなかった気がします。次回はもっと長くしていただきたいです」と切り返した。
■講習会などのイベントを通じて、語彙力を磨き、日本での生活力を上げたい
これからも、開成アカデミー日本語学校では、地域の方や企業の方の協力を得て、様々なイベントを開催し、学生たちが当校卒業後、日本の大学や専門学校でさらに専門分野を学ぶために必要な力をつけられる機会を増やしていきます。さらにこれらのイベントにご協力いただく皆様にとっても国際社会を理解する一助になるように努めていきます。
■イベント概要
名称:開成アカデミー不動産賃貸講習会
開催日:2018年1月15日
開催場所:開成アカデミー日本語学校(大阪市北区)
内容:不動産用語解説
借りるときの注意
退去するときの注意
開催言語:日本語・英語・ベトナム語・中国語
■開成アカデミー日本語学校について
学生たちが単に日本語を学ぶだけでなく、日本社会を理解し、円満な社会生活を送るため、『実践的な日本文化教育を提供することにより、日本社会で充実した生活を送ることをサポートする』ことを基本理念とし、学校の様々な活動を通じて、日本とアジアをはじめとする世界各国との良好な関係を築くことに微力ながらも貢献し、共に発展していくことを願っています。
(所在地:大阪市北区茶屋町、法務省告示校)
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