ジブンハウス、東京大学・アスカラボと住宅・不動産分野の新技術開発
VRなどの新技術を使った住宅販売を展開する株式会社ジブンハウスは、VR/MR研究の第一人者・東京大学生産技術研究所の大石岳史准教授と株式会社アスカラボとの共同研究で、住宅・不動産分野において活用できる新技術を開発を進めています。
今回開発する新技術は、AIが消費者の好みやライフスタイルに合わせて住宅の構造や間取り、土地などを提案。さらに住宅の建設候補地でスマホをかざすと、何もない土地にARで建設予定の住宅を出現させることができるというもの。ジブンハウスはこの新技術を今秋にもサービス化する予定で、マイホーム購入はもちろん、全国で問題になっている空き家対策の解消にもこの技術を活用していきたいと考えています。
■AI・AR・MRの最新技術を、不動産サービスとして研究・実用化
共同研究で新技術を開発したのは、住宅・不動産分野でVRなどの先端技術を使ったサービスを展開するジブンハウスと、東京大学生産技術研究所の大石岳史准教授の研究室、同研究室特任助教の岡本泰英氏が代表を務める東大発ベンチャー・株式会社アスカラボの三者。AIプログラムとAR技術は、アスカラボと大石研究室が開発し、土地データベースとモデルハウスの情報は、ジブンハウスが提供しました。
新技術では、家を購入する際、AIが消費者のライフスタイルや好みに合わせて、サイト上で最適なモデルハウスと土地データベースを自動的に検索し、提案してくれます。さらに、実際に提案された土地に行き、スマホでアプリを起動してその土地に向けてかざすと、AR技術によってまるでその土地に実際に建物が建っているかのような、リアルな完成予想図を見ることができます。
▶大石岳史准教授コメント「ビジネス化進まぬAR/MR技術の普及の機会に」「AR/MRの技術は、最近少し知られてきたが、まだビジネスになっているとはいい難い。不動産・住宅という裾野の広い分野で活動しているジブンハウスと共同研究を行うことで、一般の人にAR/MR技術が普及する契機となって欲しいと考えている。今後、さらに共同研究を進めることで、研究室の技術を活かせる分野ももっと出てくるだろう」
■IT化が進まない不動産・住宅分野にイノベーションを
東京大学生産技術研究所・次世代モビリティ研究センターの大石准教授は、アンコール遺跡を3次元データにし保存・活用を図ったり、奈良・平安京などの遺跡をMR空間上に再現したりするなど、AR/MR研究の第一人者として知られています。
株式会社アスカラボは、大石准教授が設立した大学発ベンチャーで、同研究室出身の岡本氏が代表を務めています。同研究室のAR/MR技術を、ビジネスに活かすことを目指し、観光分野などで、AR/MRサービスの開発を行っています。
ジブンハウスは、いち早くVRの可能性に注目し、VR空間に仮想の住宅展示場を作り、VRで住宅内覧ができ、ECカート上で家を買うことができる画期的なサービス「ジブンハウス」を提供してきました。
今回、ジブンハウスは、東京大学大石研究室とアスカラボと共同研究することで、AR/MR分野とAIにおける、最先端のテクノロジーをユーザーに提供するサービスを開発し、IT化が進んでいるとはいえない不動産・住宅分野において、イノベーションを図っていきたいと考えております。
■空き家対策にも活用が期待
ジブンハウスと大石研究室、アスカラボの共同研究は、過疎化が進み日本全国で問題となっている空き家問題にも活用されることが期待されます。土地データベースと空き家データベースを統合することで、空き家の土地の有効活用の道が開けます。共同研究を進めれば、AR技術で使われていない空き家をリノベーションした状態で出現させるということも可能になります。
このような「不動産・住宅」×「AR/MR/AI」における最先端のイノベーションを、ジブンハウス・東京大学大石研究室・アスカラボは共同研究を通じて、実現を目指して行きます。
▶東京大学生産技術研究所 次世代モビリティ研究センター 大石岳史准教授
1976年静岡県生まれ。2005年東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。情報学環特任講師などを経て、2011年12月 より生産技術研究所先進モビリティ研究センター准教授、2012年4月より情報学環兼担。大仏、アンコール遺跡などの大規模構造物の3次元モデル化や解析・表示技術、複合現実感による文化財の復元展示に関する研究に従事。
▶株式会社アスカラボ代表取締役CEO・岡本泰英氏
1981年岐阜県可児市生まれ。東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻博士課程修了。博士(情報理工学)。大規模CGデータの可視化、ネットワークを介した3Dデータの共有、リアルタイムMRシステムなどの研究・開発に取り組む。米UCバークレーでの研究活動を経てアスカラボに参画、2016年より同社CEO。XRシステム開発のエキスパート。東京大学生産技術研究所大石研究室特任助教を兼務。
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