京都府の木材業者・建材店・工務店から構成される、NPO法人京都くらし方研究会(所在地:京都府向日市寺戸町七ノ坪141、理事長:波夛野 賢)は、京都市西京区で、地元工務店6社が共働し、京都府内産木材を構造体・内外装に活用したまちづくり(分譲住宅)を5月26日(土)・5月27日(日)に公開いたしました。
外観写真
■市街化調整区域の老朽化した空室の賃貸住宅を、京都府内産木材を活用した分譲住宅として再生
西京区大原野地区は、建物の建築が制限される、市街化調整区域が多いため、住宅地として整備が進みにくく、今回再生された住宅街も、空室期間が長く、未整備で老朽化した古い賃貸住宅が並んでいた区画です。
地元工務店・木材業者から構成されるNPO法人が中心となり、地域の活性化を図るために、街並みの再生を行いました。
■地元の工務店が共働してつくる、地域の街並み ~外観の統一~
大手住宅メーカーが集まる住宅展示場に代表される住宅デザインは、消費者の選択の自由がある反面、地域の街並みの統一感が損なわれてしまう問題がありました。
地域の住宅街の街並みは、従来は地形、気候風土、住文化に沿った地域特有の風景の一部となるものでしたが、現在では、家の外観はバラバラになり、街並みの写真から地域を特定するのは難しいほどになっています。
住宅メーカー、工務店も、商品の差別化のために、様々な外観の家を無造作に建ててしまい、地域の街並みは失われつつあります。
これまでにも複数の建築業者が協力して、分譲住宅を手掛ける事例はありますが、どうしても各社の差別化やアピールのために、和洋折衷様々な外観の家が立ち並んでしまうことがほとんどでした。今回は地域工務店6社でそれぞれの建物を建てていますが、外観は、この地域に従来建ち並んでいた、街道型の町屋住宅をモチーフにしたデザインに統一。地域の街並みの再生を図っています。
■京都府産木材の活用
建築時のCO2削減、地産地消、地域林業の活性化、住宅の長寿命化、健康配慮などの面から、今回の分譲住宅には、京都府内産木材を構造体、内装、外装の一部に活用しています。
北山杉に代表される京都産杉材は、古来より美しく良質とされ、桂離宮・修学院離宮・大徳寺・金閣寺などの建築物に使用されてきました。しかし現在は、仕上げ材としても構造材としても普及・出荷量の増加には至っていません。
建築地と近い地域で生育した木材を使うことで、木材の気候風土に合わせた耐性により、白蟻、腐朽に対して強い長寿命の住宅をつくることができます。
また、日本の杉材は、浄化作用が高く、酒樽・漬物樽などに古くから活用されていて、安息効果があることも証明されています。
■様々なライフスタイル、住まい方を内装に京都府内木材を活用し、各社が提案
統一された外観とは別に、建物室内は、各社が自社の特長を活かして、様々なデザイン、ライフスタイルを提案。地域の街並みの統一感の中でも、個性的な住まい方を実現できるようにしています。内装にも、各社が様々に府内産木材を活用し、木の香りが心を落ち着かせる、心と身体に優しい住まいとなっています。
■歩車分離の街づくり
現在、京都府内では、間口の狭く、奥行きが長い敷地が多いため、道路側に車が並ぶ風景が多く、敷地への車の出入りと、人の動きが重なることが問題となることもあります。再生された区画では、道路側に軒を連ねる配置はそのままに、建物裏側に共有のガレージスペースを設け、ガレージを出入りする車と、人の出入りを分けることが可能な区画づくりを行いました。
■本NPO法人について
NPO法人京都くらし方研究会は、京都府内産木材を活用した、地域文化に合った住まい方を普及・提案するために、地元建設業、木材業者を中心に約40社で構成されている団体です。
また、環境に優しい、京都府内産木材の活用を通じて、地域林業の復興、森林保全の必要性を伝えていく取り組みも広く行っています。
具体的には、子どもたちを対象とした林業見学ツアー、府内産木材の内装材(フローリング、壁面、天井材など)の販売、木材活用の普及啓蒙事業、木材活用アイデアの学生コンペなど、様々な取り組みを行っています。
<当案内に対するお問い合わせ>
NPO法人京都くらし方研究会
開催場所(建築地):京都市西京区大原野上羽町147-1 他
所在地 :〒617-0002 京都府向日市寺戸町七ノ坪141
担当 : 市川 宣広
TEL : 075-924-0211
FAX : 075-924-0212
Mail :
liv_design_office@yahoo.co.jp<参考資料>
京都府内の木材量の推移
街並みイメージ
詳細はこちらプレスリリース提供元:@Press