2019年度は4プロジェクトで受賞 コスモスモアでは、1プロジェクトが受賞
大和ハウスグループの株式会社コスモスイニシア(本社:東京都港区、社長:高木 嘉幸、HP:
https://www.cigr.co.jp/)は、下記4プロジェクトが公益財団法人日本デザイン振興会主催の「2019年度グッドデザイン賞」を受賞しましたので、お知らせします。当社では、2002年度以来集合住宅部門で業界最長の18 年連続の受賞となります。また、コスモスイニシアグループの株式会社コスモスモアでは1プロジェクトが受賞しました。
<参考>当社過去受賞作品
https://www.cigr.co.jp/pj/contents/supply/gooddesign/index.html■ 2019年度受賞プロジェクト概要
1.『イニシア池上』(新築分譲マンション) ~2人世帯を捉えたユニットの提案~
近年増加するさまざまな「2人世帯」のための住まいを再構築し、住まい手同士の関係性を捉えなおし、多様な住まい方を可能にする住戸を提案しました。
2.『ザ・ロアハウス吉祥寺』(タウンハウス) ~重層的都市居住~
集合住宅を建てることができない都心の旗竿敷地を有効活用し、フラット・メゾネット・トリプレットの多様な住戸プランで構成される立体的な住まいを創出しました。
3.『ヘキサート六本木』(新築賃貸マンション・店舗) ~都市に佇む多様性のある建築デザイン~
住宅と店舗の複合ビルとして求められる機能は満たしながらも、都市においてどのように佇むべきかという両面からの要求に応え、「らしさ」を極力排除した建築デザインを行いました。
4.『レーヴマニフィック永山』(コンバージョン共同住宅・店舗) ~地域と繋ぐコンバージョン~
未利用となっていた事務所兼倉庫を地域貢献に寄与する医療系複合用途としての活用を提案。既存建物の階高を活かした空間設計とコミュニケーションを誘発する建物として再生しました。
コスモスモア 長屋『Mitte Platz』(タウンハウス) ~街にひらき、つながりを生む現代の長屋住宅~
中庭とそこから街路・隣地へ四方に抜ける空間を設け、子育て世帯の入居者、近隣住民が「ほどよく」つながり、街に開いた長屋住宅をデザインしました。
1.『イニシア池上』
(東京都大田区、集合住宅、応募カテゴリー:13-01 中~大規模集合住宅)
事業主体:株式会社コスモスイニシア
家族を「個」の集まりとして捉えなおし、玄関につながるリビング・ダイニングと、リビング・ダイニングに面した2つの個室、隣戸側に集約した水回りで住戸を構成。多様な住まい方を可能にする2人世帯住宅ユニットを提案しました。
【デザインのポイント】
●リビング・ダイニングは、池上本願寺の景色を取り込んだ開放的な空間とし、住まい手が必ず顔を合わせ、来客を迎えるセミパブリックなHUB空間として機能
●2つの個室を同質の空間とすることで、住まい手の多様なライフスタイルや家族構成に合わせて用途を変え住みこなすことが可能
●奥行きのあるバルコニーの掃き出し窓には全面開放折戸を採用。リビングとの床面はフラットとし、柱・梁が住戸内にでないアウトフレーム工法を採用することで広がりと開放感を実現
【審査評価ポイント】※審査員による評価コメント
既往の集合住宅の対象家族像としては両親+子供の3~4人からなる核家族が標準とされてきたが、近年の家族形式の多様化によって、ディンクスや父子・母子世帯などの2人世帯が、最も大きな割合を占めるに至っている。この作品では、片廊下型標準階の両端のユニットを2人世帯型として、近年の世帯割合の状況に対応しているが、そのプランも新しい生活様式を反映している。在宅勤務が適する父子・母子家庭や、在宅勤務も含めて各々自立した社会生活を行うディンクス世帯では、社会に直接接続する玄関側には、プライベートな室よりも、よりパブリックな性質を持ち得るリビングが置かれることが適している。その結果リビングは北向きとなるが池上本門寺への景観は魅力があろうし、リビングをハブとして個室で在宅の仕事をする場合には南面した明るい室で日常を過ごすことになり、健全である。新しい生活のリアリティに機敏に反応した集合住宅形式の提案だ。
2.『ザ・ロアハウス吉祥寺』
(東京都武蔵野市、集合住宅、応募カテゴリー:13-01 中~大規模集合住宅)
事業主体:株式会社コスモスイニシア
上下階の大小さまざまな空間に連続性のある住まい「重層的都市住居」を計画。住まい手が場面や用途により自在に編集し、住みこなすことができる空間を提案しました。
【デザインのポイント】
●フラット住戸のほか、スキップフロアのあるメゾネット・トリプレットの住戸で構成され、目線や居場所が立体的に変化する住まい
●暮らし方、趣味嗜好が多様に変化する中、可動間仕切りや可動収納といった住まい手が場面や用途により編集可能で、住みこなすことのできる居住空間
●共用部では、集合住宅と同様にオートロック、宅配ロッカーを備え、引きのある玄関やサイクルスペースなど住む人の生活を感じられる路地状空間を演出
【審査評価ポイント】※審査員による評価コメント
集合住宅を建設することができない旗竿式敷地に、それぞれが接地階に入り口をもつ積層型の長屋にする計画はすでに一般的になっているといってもよく、むしろその中でその利点を生かした計画が望まれているところである。ザ・ロアハウス吉祥寺は、多様なプランの組み合わせや各階の居住空間に二面の開口部が設けられるなど、積層型長屋ならではの利点を十分に生かした構成となっている。また、路地状の空間も生活感の表出や共用としてのしつらえは控えめであるが、複雑な組み合わせに見られがちな設備の露出などよくコントロールされ、整った心地よい空間になっている。
3.『ヘキサート六本木』
(東京都港区、集合住宅・店舗、応募カテゴリー:13-01 中~大規模集合住宅)
事業主体:株式会社タンジェリン・タンジェント
デザイナー:株式会社コスモスイニシア一級建築士事務所/コスモスデザイン
働く、遊ぶ、暮らす、寛ぐなどの場所が混在しその各々が混ざり合う都市の建築物として、空間づくりのセオリーをゼロから見直し、集合住宅「らしさ」を極力排除し、多様な活動を支える建物を設計しました。
【デザインのポイント】
●集合住宅の空間構成、機能要素(バルコニー、外部廊下、階段、スケール感など)から、意図せずとも集合住宅という存在になりがちなファサードから「らしさ」を排除し、約2m角の窓が整然と並んだ解放感と他にはない窓辺空間を創出
●内部プランは間仕切りを可動間仕切りとし、可変性の高いプランニングとすることで、住宅の中で仕事をする、小規模な店を開くなど多様な使い方、すごし方が可能
【審査評価ポイント】※審査員による評価コメント
住まい方も働き方も、何らかの既往の型へと標準化することで、集合住宅やオフィス・商業ビルなどといったビルディンタイプが生み出され、これを洗練させてきたわけだが、住まい方も働き方もそれぞれ大変多様になり、あるいは混ざり合うことさえ一般化しつつある現代生活において、いつまでも適切であるとは言い難い。六本木という最も新しく自由な生活様式が生み出される場所性に応じて、旧来の「集合住宅」や「オフィスビル」「商業建築」といった「らしさ」を極力排除することで、「グリッド」という様々な使い方を受容する「都市的なランドスケープ」とでも呼べるような建築を用意し、旧来の固定化されたビルディングタイプを更新しようと試みている。住戸プランも住まうだけでなく、働きながら住まうことに応じる可変性のある計画となっており、佇まい、平面計画共に「新しい時代の生活の器」を感じさせるものとなっている。
4.『レーヴマニフィック永山』
(東京都多摩市、コンバージョン共同住宅・店舗、応募カテゴリー:13-01 中~大規模集合住宅)
事業主体:株式会社関電工
デザイナー:株式会社コスモスイニシア一級建築士事務所/コスモスデザイン
郊外立地においてはその市場性や事業性から未だハードルが高いコンバージョンを、地域と地域需要に適用した地域病院の看護師寮・デイサービスセンターとして実現。既存建物の階高を活かした空間設計を行い、コミュニケーションを誘発する施設に再生しました。
【デザインのポイント】
●郊外立地で駅から離れ未利用となっていた既存ストックを、事業者、高齢化が進む地域、地域病院に求められていたニーズを深堀りし、デイサービス併設の看護師寮という複合用途として再生
●事務所・倉庫から住宅への転用のための構造計画・プランニング・基本性能バリューアップを実施
4mを超える既存建物の階高を活かした立体的な住戸とコミュニケーションを誘発する広さを確保した共用空間
【審査評価ポイント】※審査員による評価コメント
ただリノベーションであるだけでなく、階高に余裕のある倉庫建築特有の条件を利用し、それを活かしきった設計が素晴らしい。デイサービスのように、街中ではなく居住地に必要な非住宅施設は、今後ますます増えることが予想される。住宅を検討する際に、どういった非住宅とのコンプレックスが地域にふさわしいかといったアイディアも、連動してますます必要になってゆくだろう。未来に向けた、大変価値のある挑戦だと思う。
コスモスモア 長屋『Mitte Platz』
(東京都中野区、集合住宅、応募カテゴリー:12-02 戸建て住宅)
事業主体:有限会社新伸、デザイナー:株式会社コスモスモア
「街に開く」をテーマに、中庭を囲んで4住戸を配置し、中庭から四方に抜ける空間でつながりを設け、子育て世帯の入居者、近隣住民が「ほどよく」つながる親和性の高いデザインを設計しました。
【デザインのポイント】
●オーナー自身も街の住民として、「街に寄与する計画」を求め、ゆるやかに街とつながり、子育て世帯の入居者、近隣住民が楽しく遊ぶ風景がひろがる集合住宅を設計
●中庭から敷地の四方に抜ける空間は、植栽を通して四季を感じ、敷地の内外を自由に行き来しながら遊び、視覚的・体験的に新しいつながりの機会を創出
●4住戸は1階部分はそれぞれ独立しているが2階部分で連結しており、プライバシーを確保しつつも一体感を生み出す設計。中庭から隣地まで抜けるポーチは光と風の通り道となる、心地よい住まいを実現
【審査評価ポイント】※審査員による評価コメント
子育て世帯のための中庭を持つ集合住宅。集まって住むことの価値を体現するこの中庭は、周囲から拒絶されるのではなく街路に対して柔らかく開かれている。角地に建つことの利点を活かし、2方向の街路に3箇所で接続されている。閉鎖的であっても、開放的であっても、外部空間は使いづらい。開放と閉鎖のほどよいバランスが良い。今後はこの方向性を発展させて、中庭に面した諸室の位置付けや玄関廻りの表層デザインにより、中庭があるからこその間取りの開発が期待される。
▼コスモスイニシアのCSVについて(HP:
https://www.cigr.co.jp/csv/)
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