女性や子供の視点から防災を考える女性限定ワークショップ第6回尾山台みんなの防災カフェ開催

UR都市機構

2019年12月17日 11時35分

防災カフェが担う地区防災計画と災害時における自助・共助の促進

12月1日(日)、尾山台団地(埼玉県上尾市)尾山台みんなのひろばにおいて、災害時における女性特有の問題や子供視点からの防災について考える女性限定ワークショップ「第6回尾山台みんなの防災カフェ」を開催致しました。





 
 尾山台団地の防災をテーマとした交流の場「尾山台みんなの防災カフェ(以下、防災カフェ)」は今回で第6回を迎えました。「防災カフェ」は、「震災でも団地は倒れない」「避難所には全員が避難できない」ことを前提に、住民自ら問題点を洗い出し、在宅避難を念頭に解決策を考える取り組みです。この取り組みを通して、防災に関する住民の意見を集め、団地コミュニティの活性化と持続可能な防災活動に向けた体制づくりを目指しています。

 当日は22名(内20名が尾山台団地)の住民が参加されました。また、ボランティアとして聖学院大学生にワークショップのファシリテートに協力していただいた他、アドバイザーとしてMALCA・マンションライフ継続支援協会にもサポートしていただきました。
 今回の「防災カフェ」では尾山台団地に住んでいる女性を対象に在宅避難・避難所運営の2つをテーマにしたワークショップが行われました。避難所運営のワークショップでは、発災時に避難所でどんなトラブルが想定されるか、避難所を運営するにあたってどんなことに配慮してほしいかについて話合われました。参加者からは避難所運営のリーダーに女性を増やしてほしいという意見や、女性特有の配給品は女性に配って欲しいという意見など女性ならではのものが多く出ました。また、在宅避難のワークショップでは、発災時に取るべき行動や発災に備えた必要備品について話合われました。参加者からは、赤い布を使って他の部屋の方に助けが必要であることを伝えるなど、団地ならではの意見も多く出ました。

 尾山台団地自治会は、防災教育チャレンジプラン※1に参加しています。尾山台が取り組むチャレンジプランでは「在宅避難を前提にした発災時に対応できる体制づくり」と、「コミュニティの活性化」を目的としています。このプランの中で防災カフェは二つの役割があります。一つは住民が発災時の行動を理解することで自助力を向上させること、もう一つはグループディスカッションを通して避難所運営、在宅避難に関する住民意見を集約することです。防災カフェを通して得られた意見を地区防災計画に組み込み、上尾市の防災会議で計画の付議を予定しています。

※1 内閣府が行っている取組。全国の学校や地域で取組まれる防災教育を推進するための新しい企画・取組を1 年間サポートするもの。企画の実現に向けてアドバイザーによる相談や、準備・実践のための経費などの支援を行う。

尾山台団地自治会 本部役員 青田敏彦氏



2019年6月15日 第3回防災カフェの際の写真

■地区防災計画を策定していく上で良かったことについて
地区防災計画の策定プロセスにおいては、「防災カフェ」と称したワークショップを行い住民自らが課題の洗い出しと対策の立案を進めてきました。テーマ出しから運営まで携わりましたが、参加された方々のご協力と防災意識の高さに感謝します。課題の洗い出しを行った第3回では、間取図に家具や家電を描き込み話し合うことで、物が多いことが被災時に危険を招くことを皆で感じました。これを受け、次の第4回では「部屋をきれいにする」をテーマに対策について話し合い、多くの方が不要だが捨てられないものをお持ちであることを確認しました。これらは皆が同じ様な部屋に住む団地ならではの活動と思います。また、話し合う中では、ある方の具体的なお話が他の人の気づきとなる場面もあり、参加者の皆さんで楽しく話しながら自助力の向上にもつなげられたのではと感じています。
この防災カフェの企画・運営だけではなく、地区防災計画の策定では我々若い世代が関わっています。各自多忙な中検討を進めており、今年中に作業を終わらせる予定です。今後は他のUR賃貸団地でも活用できるような基本形を作り上げることを目指しております。
■尾山台団地で今後やっていきたいことについて
尾山台団地は高齢者向けの活動でも知られていますが、若い世代も多く居住しています。長年お住まいの高齢者と比較的短期間で入れ替わることの多い我々若い世代の双方をコミュニティに取り込み、団地を活性化させていくことが理想です。とはいえ、従来の活動では若い世代が自治会加入への意義を感じることは難しいのが現状です。
こうした中、取り組みの1つとして、前述の防災カフェでのご意見をいただいた方々のお気持ちや、一方で入れ替わりの早い若い世代の両方に対応して、団地内の不要品を利活用するしくみを検討しています。例えばフリーマーケットの開催や、ネットのサービスを利用したやりとりを行うことで、ものだけでなく文化も繋ぐ世代を超えたコミュニティ活性化のきっかけづくりになればと考えています。
団地というとマイナスのイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、尾山台団地は入居開始から50年以上経過にもかかわらず、美しい環境が保たれています。今回の活動をきっかけにコミュニティの活性化を行うことで、さらなる団地イメージの改善につなげていきたいと考えています。

【尾山台団地自治会】
ブログ→ http://oyamadaidanchi.blog.fc2.com/
facebook→https://ja-jp.facebook.com/oyamadaidanchi
Twitter→https://twitter.com/oyamadaidanchi


埼玉エリア経営部ウェルフェア推進課長 宮田愛子氏




■各地域への防災に関する支援について
URはこれまで賃貸住宅の大家として防災用品の備蓄や発災時の速やかな復旧に向けた対応を実施してきました。昨年度、URは災害対応支援室を設置し、国と防災関連のネットワークができていく中で、国から「防災教育チャレンジプラン」という制度を紹介していただきました。自治会の活動が活発でかつ、防災の活動もしっかりやられている尾山台団地自治会にこの制度をご紹介して今回の活動が始まりました。
災害時には指定避難所への高齢者の移動や収容人数等の課題があり、地域の皆が避難所に入れるとは限りません。団地は堅固に造られているので、継続居住ができる状況であれば自宅で避難生活をする(在宅避難)ケースがあるかもしれません。防災カフェで参加者同士が意見交換すること生まれる新たなコミュニケーションは、発災時に自分の命は自分で守る「自助」や、団地ならではのご近所づきあいの「共助」力アップにつながると考えています。
■成果と課題について
成果として、これまで防災カフェは6回開催していますが、過去5回においては、団地のイベントへの参加率が女性に比べて低いと言われがちな男性居住者の方や自治会に入っておられない方でも、防災に関心のある方に多数ご参加いただくことができ、外出機会の創出や交流の場となっていると感じていました。また、上尾市防災士協議会や聖学院大学等、団地と地域関係者の連携も深まっています。良好な関係性の構築を継続していきたいと考えています。
現在、地区防災計画の策定を行っているのは尾山台含め、千葉と西日本の一団地ずつ、計3団地ですが、地区防災計画策定には、居住者同士の自助・共助が大きな要素となるため、こうしたコミュニティの活性化や体制づくりをどのように進めていくかを考えていくことが今後の課題です。
■今後の展開について
尾山台団地のように昭和40年代に管理開始された団地は少子高齢化がかなりのスピードで進んでいます。また、住民の入れ替えも激しいことから、コミュニティも希薄化してきています。そういった団地は埼玉県にも数多く存在しています。今回の尾山台の活動をコミュニティ活性化や防災意識の向上につなげるきっかけとなればと考えています。


ボランティアとして協力してくださった聖学院大学生 松本一帆氏




■今回防災カフェにファシリテーターとして参加してみてどうでしたか
第3回の防災カフェでもファシリテーターを手伝わせていただきましたが、自分が主導となってここまで大きな会でのファシリテーターをやったことがなかったので新鮮でした。また今回の防災ワークショップではご高齢の方が多かったため、薬に関する心配なども多く出ていて、予想外の答えも多く自分自身の学びにもなりました。また、在宅避難についてのワークショップでは、普段安心するなどのメリットが多く出る中、高齢の一人暮らしの方にとっては不安などのデメリットが多く、避難所の方がいいと答える方が多かったことも印象的でした。
■ 防災カフェという取り組みについてどう考えていますか
自分のまわりには防災訓練はあるのですが、防災カフェのような学びになる講座はほとんどないので、こうした取り組みがもっと色んな所で行っていくといいなと思いました。
■今回の防災カフェの経験から取り入れたいと思ったことはありましたか
自分も団地に住んでいますが、その団地では女性と高齢者が多いので、今回の女性視点でのワークショップで出た意見をもとにいざというときに活かしていこうと思いました。
またファシリテーターとしての経験という面では、もっと参加者ニーズを捉えた組み立てをしていけたらと思いました。今回予め尾山台団地で行うことがわかっていたので、参加者としては高齢の方が多くなることは予想がついていました。今回は自分が思う防災についてシミュレーションを軸につくりあげていたので、高齢者への配慮が少し足りなかったかなと思いました。今後はもっと年齢や来る人のニーズに合わせた進行をしたいと思いました。

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