「空き家所有者」の7割以上が自己所有の空き家を「活用したい」という意向一方で、戸建て、区分マンション所有者の約半数近くが物件を5年以上放置している現実
空き家の放置理由は「金銭面の不安」「なにをしていいのかわからない」が上位に
アキサポ空き家総研(運営:株式会社ジェクトワン)は、全国で急増する空き家問題の解決、空き家の活用推進に貢献すべく、空き家に関する様々な情報、及び負担額0円で空き家の資産価値を上げる空き家活用サービス「アキサポ」の活用事例やトピックを、メディアの皆様に発信してまいります。
第1弾となる本ニュースレターでは、地方だけではなく首都圏でも増加の一途を辿る空き家問題の現状を調査すべく、一都三県の空き家所有者300名、以下「空き家所有者」を対象に、「空き家所有者」の意識・実態に関する調査を実施しましたので、その結果をお知らせします。本調査により、空き家所有者の現状、自身の空き家を活用することに対する関心や考えなどの実態が明らかになりました。
調査結果サマリーやポイントは以下の通りです。
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【「空き家所有者」の意識・実態に関する調査 トピックと主な結果】
【1】空き家に対するイメージ把握
・空き家に対するイメージ
空き家に対するイメージは「お金」に関連するネガティブなイメージが先行
【2】空き家の活用意向の把握と現在の状況
・空き家活用の意向
全体の7割以上が自己所有の空き家を「活用したい」という意向
・空き家の所有状況
空き家の放置年数、戸建て所有者の8割以上、区分マンションの6割以上が1年以上放置
・空き家放置の理由
空き家放置の理由、トップは「金銭面の不安」、次いで「なにをしていいのかわからない」
【3】今後の空き家活用に対するマインド
・<空き家活用>活用方法
空き家の活用方法、「売却する」が最も多い結果に。売却意向は年代が上がるにつれ高まる傾向に
・<空き家活用>賃料VS地域貢献
空き家を地域貢献に活用したい人の割合は約2割
・<空き家活用>期待する月額の賃料
空き家の活用で期待する月額の賃料は「5万円~10万円未満」という結果に
・<空き家活用>想定するリフォーム/リノベーション費用
想定する空き家のリフォーム/リノベーションにかかる費用は「1,000万円以上」
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【1】空き家に対するイメージ把握
空き家に対するイメージ
Q.あなたは空き家に対してどのようなイメージをお持ちですか。あてはまるものをすべてお知らせください。
※ご自身で所有している不動産に関わらず、一般的なイメージをお知らせください。【複数回答】 n=300人
■空き家に対するイメージは「お金」に関連するネガティブなイメージが先行
空き家に対するイメージを複数回答で聞いたところ、全体でみると、「売却したくてもできない(31.3%)」、「リフォームやリノベーションにお金が掛かる(29.7%)」、「固定資産税が高い(28.3%)」が上位に並び、「お金」に関連するネガティブなイメージが先行していることが分かります。次いで、空き家であるが故に「活用方法が少ない」という意見も24.7%と一定数存在していることが分かりました。
年代別でみると、「売却したくてもできない」、「リフォームやリノベーションにお金が掛かる」の項目においては、年代が上がるにつれて高ポイントとなる傾向に。
特に「売却したくてもできない」は30代:19.0%→60代:36.3%となり、倍近い開きが生じる結果になっています。
年代が上がるにつれて、「空き家は売りたくても売れないモノ」、「(売るにも活用するにも)お金がかかるモノ」という認識が強く、この考えが、結果として現在の空き家問題を生み出す一つの要因になっているのかも知れません。
■空き家放置のリスクに対する意識は、若い年代ほど高く、年代が上がるにつれて危機感が薄まる傾向に
空き家を放置することで発生し得るリスクに関しては、「火災の危険性」に対する意識が23.7%と全体の中では最も高いものの、4人に1人の割合でしか危機感を持っていないという状況です。年代別でみると、若い年代の方の意識が高く、年代が上がるにつれて意識が薄まっていく傾向であることがわかります。
・火災の危険性 (40代:30.6%→60代:20.9%) 9.7pの開き
・倒壊する危険性 (30代:28.6%→60代:13.2%) 15.4pの開き
・不審者が住み着く可能性(30代:23.8%→60代:14.3%) 9.5pの開き
空き家を複数所有している年配層(50-60代)が、空き家放置のリスクに対して危機感を強く持ち合わせていないことも、空き家問題の一つの要因になっているのかも知れません。
■年配層は空き家を「倉庫/物置」代わりに?
「家具や荷物の置き場に困らない」と回答した人が全体で14.3%いました。年代別でみると、30代が4.8%、40代が2.8%と極めて低いにも関わらず、60代に限っては26.4%と圧倒的に高い数値となっています。年配の空き家所有者の多くが、空き家を「倉庫/物置」代わりに使用している実態をにおわす結果となっています。
【2】空き家の活用意向の把握と現在の状況
空き家活用の意向
Q. あなたご自身で所有している空き家を、今後どの程度活用したいと思いますか。n=199人
※回答者「どちらでもない」101名を除外して集計
■全体の7割以上が自己所有の空き家を「活用したい」という意向
自身が所有している空き家を活用したいか否かを尋ねたところ、「活用したい」と答えた人は全体で71.9%(「活用したい(39.7%)」+「やや活用したい(32.2%)」)となり、7割以上が空き家活用の意向があることがわかりました。一方で、「活用したくない」の合計は28.1%(「あまり活用したくない(8.5%)」+「活用したくない(19.6%)」となりました。
空き家の所有状況
Q.あなたが現在所有している空き家の不動産は、空き家になってからどの程度経過していますか。
※「戸建て」「区分マンション」所有者のみを抽出して集計
n=182人 n=71人
■空き家の放置年数、戸建て所有者の8割以上、区分マンションの6割以上が1年以上放置
空き家の活用に対する意向を尋ねたところ、全体の7割以上が自己所有の空き家を「活用したい」という意向があるにも関わらず、戸建て所有者の8割以上(85.2%)、区分マンション所有者の6割以上(64.8%)が少なくとも「1年以上」空き家として放置している現実が明らかになりました。
さらに放置年数でみると、戸建て所有者の46.7%、区分マンション所有者の42.3%が「5年以上」空き家として放置している実態が浮き彫りとなりました。
空き家放置の理由
Q.あなたご自身で所有している空き家についてお困りのことをすべてお知らせください。【複数回答】n=300人
■空き家放置の理由、トップは「金銭面の不安」、次いで「どうしたらよいかわからない」
1位 何をするにしてもお金が掛かる(35.0%)
2位 活用したいがどうしたらよいかわからない(30.7%)
3位 建物に価値が無さそう(23.7%)
自己所有の空き家に関する困りごとを複数回答で尋ねたところ、「何をするにしてもお金が掛かる」が35.0%で最も多い理由として挙げられました。「建物に価値が無さそう(23.7%)」「老朽化がひどい(23.3%)」「リフォームしないと活用できる状況ではない(22.0%)」も困りごととして多く挙げられていることから、所有物件自体の状態が経年劣化により脆くなっていることから、修繕や改修など何かしら手を加える必要があるものの、改修費用が掛かることで、空き家の活用に二の足を踏んでいる状況があるのではないか、と推察できます。
「何をするにしてもお金が掛かる」と回答した人の割合は40代(36.1%)、50代(35.5%)、と多く、比較的若い30代(4.8%)を大きく上回っていることも特徴として挙げられます。
また、自己所有の空き家を「活用したいがどうしたらよいかわからない」と回答した人も30.7%で2番目に多く、売却以外にどのような活用方法があるのか知識を持ち合わせていない、空き家所有者の実態を浮き彫りにする結果となりました。
それ以外の回答として、「先祖から受け継いでいるので心苦しい」と回答した人が、年代別にみると30代(4.8%)、40代(5.6%)に対して50代(17.8%)、60代(24.2%)となっていることから、先祖から相続した物件を売却したり、活用することに精神的な負荷を感じ、実行に移せていない人たちが50代以上に一定数存在することが分かりました。
【3】今後の空き家活用に対するマインド
<空き家活用>活用方法
Q.今後、空き家を活用するとしたら、どのように活用したいですか。あてはまるものをすべてお知らせください。【複数回答】n=300人
■空き家の活用方法、「売却する」が最も多い結果に。売却意向は年代が上がるにつれ高まる傾向に
今後の空き家活用方法について複数回答で尋ねたところ、全年代を通じて最も多かった意見が「売却する(61.0%)」でした。自己所有の物件を売却したいと考える人の意向は、年代が上がるにつれ高くなる傾向に。30代が38.1%に対し、40代が52.8%、50代が58.6%、60代に至っては73.6%と、30代と60代で倍近い開きが生じる結果となりました。
同じく、年代別でみると、実需「自分や家族が住む」「別荘(セカンドハウス)として使う」の項目において、その意向は若い年代ほど高く、年代が上がるにつれて意向が低くなっていることが分かります。
・自分や家族が住む (30代:33.3% → 60代:28.6%)
・別荘(セカンドハウス)として使う(30代:28.6% → 60代:13.2%)
また、空き家を「地域貢献に活用したい」という項目においても、全年代を通じて30代が19.0%で最も多く、一方で60代は9.9%と1割にも満たない結果となりました。
年配層は、空き家売却による「現金化」を第一に考える傾向に、逆に若年層は「実需」「社会貢献」を意識する傾向が強いことが分かりました。
<空き家活用>賃料VS地域貢献
Q.あなたが所有している空き家の活用について、賃料と地域貢献のどちらを優先したいと思いますか。n=148人
※回答者「どちらでもない」152名を除外して集計
■空き家を地域貢献に活用したい人の割合は約2割
仮に空き家を活用するとして、「賃料を優先したい」または「地域貢献を優先したい」かという問いに対し、回答は77.7%対22.3%という結果になりました。(おおよそ8対2で「賃料を優先」)
年代別にみると、30代:69.3%、40代:73.4%、50代:76.3%、60代:84.1%と、年代が上がるほど、「賃料」優先派が多くなる傾向にあります。
「空き家の活用方法」の結果を裏付けるように、年配層は「賃料=お金」を第一に考える一方で、若年層は「社会/地域貢献」を意識する傾向が強いことが分かります。
<空き家活用>期待する月額の賃料
Q.あなたご自身で所有している空き家を今後活用するとしたら、毎月どの程度の賃料が得られれば活用をお考えになりますか。n=300人
■空き家の活用で期待する月額の賃料は「5万円~10万円未満」という結果に
1位 5万円~10万円未満(25.3%)
2位 10万円~15万円未満(15.7%)
3位 1円~5万円未満(10.0%)
空き家の活用で得たい月額の賃料は「5万円~10万円未満」が25.3%でトップ、次いで「10万円~15万円未満(15.7%)」という結果になりました。
年代別でみると、「5万円~10万円未満」を最も多く選んだのは60代の35.2%で、30代の4.8%と大きく開きが生じる結果となりました。逆に30代は「10万円~15万円未満」「20万円~50万円未満」を多く選んでおり(いずれも23.8%)、他年代と比較して高い賃料を期待していることが分かりました。
<空き家活用>想定するリフォーム/リノベーション費用
Q.あなたご自身で所有している空き家をリフォームまたはリノベーションするとしたら、いくらくらい掛かると思いますか。n=253人
※「戸建て」「区分マンション」所有者のみを抽出して集計
■想定する空き家のリフォーム/リノベーション費用は「1,000万円以上」
1位 1,000万円以上 (18.2%)
2位 200万円~300万円未満(12.6%)
3位 100万円~200万円未満(11.9%)
自身が所有する空き家をリフォームまたはリノベーションするとしたら、どの程度費用が掛かると思うか、という問いに対して、全体としては「1,000万円以上」と回答した人が最も多く18.2%。次いで「200万円~300万円未満(12.6%)」、「100万円~200万円未満(11.9%)」という結果になりました。想定するリフォーム/リノベーションの規模、内容によってばらつきが生じるものの、最も金額が大きい選択肢「1,000万円以上」を選択した人が最多ということになりました。
物件のリフォーム/リノベーションを数多く手掛ける株式会社ジェクトワンが、区分マンションをフルリノベーションした際に掛かる平均費用は、500万円~600万円前後であり、今回の調査で最も多くの回答が集まった「1,000万円以上」と比べると400万円~500万円(以上)の開きが生じる結果となりました。
【まとめ】
今回の調査で、空き家に対してはリフォーム/リノベーション費用、固定資産税が掛かる、といった「お金」に関連するネガティブなイメージが先行しており、空き家=「(売るにも活用するにも)お金がかかるモノ」という認識が多くの人たちのマインドに内在していることが明らかになりました。この傾向は、空き家所有者の多くが自己所有の空き家を「活用したい」という意向があるにも関わらず、実際の運用は実現しておりません。活用に踏み切れない理由として最も多かった「何をするにしてもお金が掛かる」という結果にも表れています。空き家=「(売るにも活用するにも)お金がかかるモノ」というイメージの払しょくが、今後の空き家問題解決への一つの糸口となるのかも知れません。
最近では、空き家の活用に関して自治体による助成金や補助金制度も整備され始め、また、自己資金を持ち出すことなく、所有する空き家を活用できるサービス「アキサポ」など、民間の企業が提供するサービスもあります。これらを上手く利用し、空き家活用を推進していくことが、空き家問題という大きな社会問題解決につながっていくのではないでしょうか。
調査概要
調査対象:一都三県に空き家を所有する30代~60代の男女300名
調査方法:インターネットリサーチ (調査地域:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)
調査時期:2020年1月27日(月)~1月30日(木)
※本調査における「空き家」とは、戸建て、区分マンション、1棟マンション・アパート、1棟ビル、セカンドハウス(別荘)、店舗を対象とし、所有者が「空き家」と認識している物件のことを指します。
調査対象の内訳:
■年代/性別 ■年代/空き家所在都県
<ご参考>
■ 株式会社ジェクトワン
「建物ありき」の不動産開発が進む中、『地域や街に必要とされる建物を造る』という理念のもと、プロジェクトを始動。<街なか再生事業>、<中古区分マンションリノベーション事業>を中核とし取り扱う不動産物件の形態も投資用マンション、アパート、戸建てと多角化。
2016年から空き家オーナーから空き家を借り受け、地域に必要とされる活用法をプランニングし、利用者とマッチングさせ、一定期間転貸するサポートサービスである「アキサポ」を開始。
社名 :株式会社ジェクトワン
HP :
https://jectone.jp/所在地 :東京都渋谷区渋谷1-7-7 住友不動産青山通ビル13F
設立 :2009年1月28日
代表取締役:大河 幹男
事業内容:・不動産の売買/賃貸/仲介 ・中古マンション・戸建ての買取再販事業・不動産開発事業 ・不動産コンサルティング事業 ・空き家再生事業
■ 空き家活用サービス「アキサポ」
首都圏の空き家を「アキサポ」が借り受け、「アキサポ」全額費用負担でリノベーション工事を行い、一定期間転借するサービスです。街の資源である空き家の再生を通じて地域コミュニティの活性化に貢献しています。
【空き家所有者にとっての最大のメリット】
・建物がバリューアップして戻ってくる
リノベーションを行い空き家の価値向上を高めます ※物件により諸条件等が異なります。
・リノベーション費用は「アキサポ」が全額負担
リノベーション設計や施工、工事監理もすべて「アキサポ」にお任せできます
【サービスフロー】
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