「空き家運用者」の意識・実態に関する調査

株式会社ジェクトワン

2020年4月16日 12時05分

「空き家運用者」のおよそ3人に1人が現状の空き家運用に満足していない状況

“運用益”を出せていない人の割合は全体で3割以上、30代に至っては半数オーバー
リフォーム/リノベーションは必要最小限に、空き家運用に際しては修繕費を極力かけず

アキサポ空き家総研(運営:株式会社ジェクトワン)は、全国で急増する空き家問題の解決、空き家の活用推進に貢献すべく、空き家に関する様々な情報、及び負担額0円で空き家の資産価値を上げる空き家活用サービス「アキサポ」の活用事例やトピックを、メディアの皆様に発信しています。

前号のニュースレターでは、現在空き家を抱える「空き家所有者」のマインドを測る調査をベースに、その実態に迫りましたが、第2弾となる本ニュースレターでは、空き家をすでに「運用」している「空き家運用者」に焦点を当て、その意識・実態に関する調査を実施しましたので、その結果をお知らせします。本調査により、「空き家運用者」の現状、空き家を運用する中で抱える問題や関心ごとなどが明らかになりました。

調査結果サマリーやポイントは以下の通りです。
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【「空き家運用者」の意識・実態に関する調査 トピックと主な結果】
【1】空き家の運用状況の把握
・空き家運用に対する満足度
 現状の空き家運用に対して、およそ3人に1人が「不満」を抱いている状況
・空き家運用で得られている賃料
「空き家運用者」の3割以上、30代に至っては半数以上が「賃料は得られていない」と回答
・空き家の運用状況
「戸建て」所有者の半数以上は実需に、「区分マンション」所有者の約8割が賃貸として運用
・空き家運用方法の探し方
 空き家運用方法の探し方、半数が「不動産会社へ相談」。他の選択肢は少なく…
・リフォーム/リノベーションに掛かった費用
 リフォーム/リノベーション費用の相場は「100万円~200万円未満」、必要最小限の修繕で空き家運用を行っている現状

【2】空き家に対するイメージ把握
・空き家に対するイメージ
「空き家運用者」の空き家に対するイメージ「火災の危険性がある」「不審者が住み着く危険がある」「固定資産税が高い」などネガティブ要素が上位に

【3】空き家運用の目的把握
・地域貢献に対する意識空き家を地域貢献に活かしたい人の割合は1割にも満たず、60代の100%近くが賃料を優先したいと回答
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【1】空き家の運用状況の把握
空き家運用に対する満足度
Q. 現在空き家を運用していて、利益や管理の手間など、総合的にどの程度満足していますか。n=190人
※回答者「どちらでもない」110名を除外して集計


■現状の空き家運用に対して、およそ3人に1人が「不満」を抱いている状況
自己所有の空き家の運用状況に関して、利益や管理の手間など、総合的にどの程度満足しているかを尋ねたところ、「満足している」と回答した人は全体で67.9%(「満足している(28.4%)」「やや満足している(39.5%)」)であるのに対して、「満足していない」と回答した人は、全体の32.1%(「あまり満足していない(14.2%)」「満足していない(17.9%)」)でした。およそ3人に1人の割合で現状の空き家運用に満足していない人が存在する実態が明らかになりました。
年代別でみると、60代の29.9%(「満足している(10.4%)」「やや満足している(19.5%)」)が現状の空き家運用に「満足していない」と回答しているのに対して、30代ではその割合が40.0%(「満足している(10.0%)」「やや満足している(30.0%)」)となり、若い世代ほど現状の運用に関して不満を持っていることが分かりました。

空き家運用で得られている賃料
Q. 現在空き家を運用して、毎月どの程度の賃料を得ていますか。n=226人
※「戸建て」「区分マンション」所有者のみを抽出して集計


■「空き家運用者」の3割以上、30代に至っては半数以上が「賃料は得られていない」と回答
現在空き家を運用して、毎月どの程度の賃料を得ているかを尋ねたところ、全体で3割以上となる32.3%が「賃料は得られていない」と回答しました。年代別でみると、30代の半数以上となる54.5%が同選択肢を選んでおり、自己所有の空き家を何らかのかたちで運用はしているものの、賃料は得られていない現状が明らかになりました。
一方で、賃料を得ている人たちの中で、最も多く選ばれた選択肢が「10万円~15万円未満(18.6%)」となり、次いで「5万円~10万円未満(15.9%)」という結果でした。

空き家の運用状況
Q. あなたが一都三県に所有している不動産の状況として、あてはまるものをお知らせください。
※複数所有されている場合は、あてはまるものをすべてお知らせください。【複数回答】n=153人


※「戸建て」「区分マンション」所有者のみを抽出して集計 n=141人



■「戸建て」所有者の半数以上は実需に、「区分マンション」所有者の約8割が賃貸として運用
空き家の運用方法については、「戸建て」所有者の半数以上(52.3%)が、「自分や家族だけで住んでいる(住居やテナントとして貸している部分はない)」と回答。特に60代の「戸建て」所有者にその傾向は強く見られました(30代:28.6%に対して60代:63.5%)。
「区分マンション」所有者の運用方法としては「すべて住居として貸している」が77.3%と最も多く、自身の物件を賃貸として運用する割合が極めて高いことが特徴として挙げられます。

空き家運用方法の探し方
Q. 空き家を運用するために、あなたご自身がとった行動をすべてお知らせください。(いくつでも) 【複数回答】n=300人


■空き家運用方法の探し方、半数が「不動産会社へ相談」。他の選択肢は少なく
1位 不動産会社に相談した(47.0%)
2位 インターネットなどで情報を収集した(22.3%)
3位 家族や友人、知人などに相談した(17.0%)

空き家を運用するためにどのような行動をとったのか尋ねたところ、最も多かった回答が「不動産会社に相談した」で47.0%でした。次いで、「インターネットなどで情報を収集した(22.3%)」、「家族や友人、知人などに相談した(17.0%)」の順となりました。
全年代を通じて、約半数が不動産会社へ相談をするケースが多い一方で、30代の3割強(31.6%)が「インターネットなどで情報を収集した」を選んでおり、60代における19.0%と比較すると12.6pの開きが生じています。また、30代、40代の約10人に1人が「自治体に相談した」を選んでいることも特徴として挙げられます(30代:10.5%、40代:10.3%、50代:4.1%、60代:5.0%)。このことから、空き家運用にあたっては若年層の方が比較的広く視野を持ちながら運用方法を模索していることが読み取れます。

リフォーム/リノベーションに掛かった費用
Q. あなたご自身で所有/運用している空き家をリフォームまたはリノベーションした際に掛かった費用はどの程度ですか。※「戸建て」「区分マンション」所有者のみを抽出して集計 n=226人




■リフォーム/リノベーション費用の相場は「100万円~200万円未満」、必要最小限の修繕で運用を行っている現状
1位 100万円~200万円未満(16.4%)
2位 200万円~300万円未満(15.5%)
3位 300万円~400万円未満(12.4%)

自己所有の空き家をリフォームまたはリノベーションした際に掛かった費用を尋ねたところ、全体としては「100万円~200万円未満(16.4%)」と回答した人が最も多く、次いで「200万円~300万円未満(15.5%)」、「300万円~400万円未満(12.4%)」という結果になりました。物件のリノベーションを数多く手掛ける株式会社ジェクトワンが、区分マンションの一部改修(クロス張替、フローリング、一部設備入れ替)に掛かる平均費用を100万円~200万円、フルリノベーション時を500万円~600万円としていることから、本調査における「空き家運用者」の多くが大掛かりなフルリノベーションではなく、必要最小限の修繕を物件に施して運用している実態が伺えます。

【2】空き家に対するイメージ把握
空き家に対するイメージ
Q. あなたは空き家に対してどのようなイメージをお持ちですか。あてはまるものをすべてお知らせください。(いくつでも)※ご自身で所有している不動産に関わらず、一般的なイメージをお知らせください。【複数回答】n=300人


■空き家のイメージ「火災の危険性がある」「不審者が住み着く危険がある」「固定資産税が高い」などネガティブ要素が上位に
1位 火災の危険がある(33.7%)
2位 不審者が住み着く危険がある(30.0%)
3位 固定資産税が高い(28.3%)
   住居の賃貸にして家賃収入が得られる(28.3%)

空き家に対するイメージを複数回答で尋ねたところ、「火災の危険がある(33.7%)」「不審者が住み着く危険がある(30.0%)」など空き家を放置することで発生し得るリスク、空き家を所有することで発生する「固定資産税が高い(28.3%)」といったお金に関するネガティブなイメージが先行していることが分かりました。この傾向は30代に最も顕著にみられ、対して40代が最も数値が低く表れています。

火災の危険がある (30代:47.4% → 40代:25.6%) 21.8pの開き
不審者が住み着く危険がある (30代:42.1% → 40代:23.1%) 19.0pの開き
固定資産税が高い (30代:47.4% → 40代:17.9%) 29.5pの開き

ネガティブなイメージが上位に並ぶ一方で、「住居を賃貸にして家賃収入が得られる」といった、運用を意識したポジティブな意見も同率の3位(28.3%)に見られるなど、「空き家運用者」ならではの考えが回答に反映される結果ともなっています。

【3】空き家運用の目的把握
地域貢献に対する意識
Q. あなたが所有している空き家を地域貢献に活かすことにどの程度興味がありますか。
※回答者「どちらでもない」89名を除外して集計 n=211人


Q. あなたが所有している空き家の運用について、賃料と地域貢献のどちらを優先したいと思いますか。
※回答者「どちらでもない」91名を除外して集計 n=209人


■空き家を地域貢献に活かしたい人の割合は1割にも満たず、60代の100%近くが賃料を優先したいと回答
自己所有の空き家を地域貢献に活かすことにどの程度興味があるかを尋ねたところ、全体で42.2%もの人が「興味がある」と回答しました。年代別で見ると、若い30代ほどその傾向は強く、半数に当たる50.0%が「興味がある」と回答しているのに対して、その傾向は年代が上がるにつれて次第に薄れ、60代で「興味がある」と回答した人は16.3pも低い33.7%となりました。
自身の空き家運用に際して、「賃料を優先したい」または、「地域貢献を優先したい」か、という問いに対しては91.9%が「賃料を優先したい」と回答。「地域貢献を優先したい」は1割にも満たない8.1%という結果になりました。
年代別にみると、30代では15.4%が「地域貢献を優先したい」を選択しているのに対して、60代に至ってはほぼ100%に近い97.6%の人たちが「賃料を優先したい」と回答しており、空き家運用に際しては「社会/地域貢献」に対する考えをほぼ持ち合わせていないことを裏付ける結果となりました。

【まとめ】
今回は、空き家の“運用実態”に焦点を当て調査を行いましたが、現在の空き家運用に関しては半数以上が満足していると回答したにも関わらず、しっかりと賃料(=運用益)を得て運用している人の割合はさほど高くない現状が明らかになりました。
自身の空き家を運用して賃料を得たい(優先したい)と考える人は9割近くにのぼるにも関わらず、多くの人が運用益を得られていない背景としては、物件の形態や劣化状況を理由に、他人に貸したり、他の運用方法を断念する人たちが一定数存在しており、必要最小限の修繕を物件に施して、自身の家族を住まわせたり、セカンドハウスとして自身が利用したりと、実需としての運用を選択する人が多い、という状況があるのかも知れません。
前回、「空き家所有者」に対して実施した調査では、「空き家は(売るにも活用するにも)お金がかかるモノ」というイメージが強く存在していることが分かりましたが、「空き家運用者」に関しても同様の傾向が見られ、空き家には「人に貸すにも、運用するにもお金(修繕費)がかかる」という考えが根付いているのかも知れません。
空き家問題解決の糸口は、空き家を“負動産”として捉えないこと、そして、様々な機関や企業が提供している制度やサービスを利用して空き家を再生させることで、新たな運用方法への活路を見出していくことが重要だと言えるでしょう。

【調査概要】
調査対象:一都三県に空き家を所有し、かつ、何らかのかたちでその空き家を運用している30代~60代の男女300名
調査方法:インターネットリサーチ (調査地域:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)
調査時期:2020年1月27日(月)~1月30日(木)
※本調査における「空き家」とは、戸建て、区分マンション、1棟マンション・アパート、1棟ビル、セカンドハウス(別荘)、店舗を対象とし、所有者が「空き家」と認識している物件のことを指します。

調査対象の内訳:
■年代/性別 ■年代/空き家所在都県






<ご参考>
■ 株式会社ジェクトワン
「建物ありき」の不動産開発が進む中、『地域や街に必要とされる建物を造る』という理念のもと、プロジェクトを始動。<街なか再生事業>、<中古区分マンションリノベーション事業>を中核とし取り扱う不動産物件の形態も投資用マンション、戸建て、商業ビル、老人ホームと多角化。
2016年から空き家オーナーから空き家を借り受け、地域に必要とされる活用法をプランニングし、利用者とマッチングさせ、一定期間転貸するサポートサービスである「アキサポ」を開始。

社名 :株式会社ジェクトワン
URL :https://jectone.jp/
所在地 :東京都渋谷区渋谷1-7-7 住友不動産青山通ビル13F
設立 :2009年1月28日
代表取締役:大河 幹男
事業内容:・不動産の売買/賃貸/仲介 ・中古マンション・戸建ての買取再販事業・不動産開発事業 ・不動産コンサルティング事業 ・空き家再生事業

■ 空き家活用サービス「アキサポ」(https://www.akisapo.jp/
首都圏の空き家を「アキサポ」が借り受け、「アキサポ」全額費用負担でリノベーション工事を行い、一定期間転借するサービスです。街の資源である空き家の再生を通じて地域コミュニティの活性化に貢献しています。

【空き家所有者にとっての最大のメリット】
・建物がバリューアップして戻ってくる
リノベーションを行い空き家の価値向上を高めます ※物件により諸条件等が異なります。
・リノベーション費用は「アキサポ」が全額負担
リノベーション設計や施工、工事監理もすべて「アキサポ」にお任せできます

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