新型コロナウイルスの感染拡大の影響により高まるWeb理事会の需要 ― キーワードは「人×IT化」 ―
大和ハウスグループの大和ライフネクスト株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:石崎順子)は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、2017年12月に発表した「Web理事会サービス」の需要動向調査を行いました。
本調査では、当社が管理を受託する全国3,893組合を対象に、2019年5月~2020年5月までの期間、「Web理事会サービス」を実施した件数について分析。緊急事態宣言発出直後で、人との接触率8割減を目指し、外出自粛が求められていた2020年4月15日~5月15日の期間では、平均の倍以上、当サービスを実施いただいたことが明らかになりました。
当サービスの導入には管理規約の変更が必要なため、今回の分析では緩やかな増加傾向でしたが、積極的に導入を検討するという問い合わせを多くいただいています。
また、本調査では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、分譲マンションにおいても、リモートワークやオンライン授業、遠隔医療と同様、IT化が加速度的に進んでいることが浮き彫りとなりました。 それに伴い、従来のマンション管理の在り方についても変化に対応すべきであると考えられます。
当社の40年以上の企業活動により得られたデータを分析し、新たなマンションの価値創造に寄与することを目的として2019年10月に設立された「マンションみらい価値研究所」の所長 久保依子が、今後のマンション管理のニューノーマルについて提言します。
マンションみらい価値研究所が提言
ウィズコロナ時代に求められるマンション管理のニューノーマル
「人×IT化」による「新たな生活様式への適応」と「密な対人コミュニケーション」の両立
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、ソーシャルディスタンスをはじめ、「新しい生活様式への切り替え」が求められています。「Web理事会サービス」の需要動向調査をみても、その傾向はマンション管理にも表れています。しかし、私たちの考えるマンション管理のあり方においては、対人による密なコミュニケーションが欠かせません。Web理事会においても、理事会決議の成立要件である過半数の賛成を得て、共用施設のルール案の策定や修繕工事の計画を立案するためには、区分所有者同士、区分所有者と管理会社との信頼関係を築くコミュニケーションが必要となるからです。この状況は一見すると相反するようにも見えますが、今後のマンション管理をよりよいものにしていくためのキーワードは密な対人コミュニケーションを実現するための「IT化」です。
■当社の考える今後のマンション管理の核となる「人x IT化」
マンション管理適正化推進法の改正に伴い、「急速なIT化」に対応・サービス向上化
不動産業界では2019年から「重要事項説明書のデジタル化」の取り組みが始まっています。マンション管理業界でも2020年6月16日にマンション管理適正化推進法の改正案が可決され、ITを活用した重要事項説明が今後普及していくと思われます。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、一定の条件下においては、ITによる重要事項説明を行うこともでき、ITの活用を推進することで、対面による説明や書面を介しての接触を回避することができます。また、重要事項説明の記録を分析することで、お客さま対応の品質向上に繋げるためのチェックツールとして活用することができます。
「非対面」と「コミュニケーション」を実現する「一人ひとりの要望に応じたサービス提供」
宅内インターホンの液晶画面から専用ボタンを押すと、マンションとは別の場所に位置するコンシェルジュデスクへダイレクトに繋がり、通話ができるサービスで、すでに一部の分譲マンションに導入しています。従来の有人コンシェルジュで対応していたお問い合わせや要望にも対応でき、コールセンター型コンシェルジュサービスのような煩わしさもありません。非対面と対人のコミュニケーションを組み合わせることで、マンションへの新たな付加価値を与えることができます。
警備員への安全確保と、入居者同士、管理会社との繋がりの重要性
ご入居者の安全・安心を守るため管理員や警備員による人手だけでは限りがあると同時に、従業員の安全確保を両立することはマンション管理において大きな課題です。また、24時間警備員を常駐させる場合には多額の費用が必要です。画像遠隔監視システムは、従来の録画型防犯カメラから進化し、防犯カメラの画像を警備会社に送信し、別の場所でマンション内を見守ることのできるシステムです。有事には警備員が出動するため、従来の安全・安心を提供することができます。このような監視システムにより非対面でも防犯性を高めることができますが、最も有効な手段はご入居者同士の挨拶やコミュニケーション、管理会社との関係構築であることは言うまでもありません。
居住者のライフスタイルやワークスタイルが多様化している中で、マンション管理を取り巻く環境も大きく変化しつつあります。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、IT化は加速すると考えています。当社ではIT化を推進するにあたり、新しい技術を取り入れるだけでなく、今までに蓄積されたデータや知見を活かした「新技術と経験が融合するマンション管理」を目指します。
「マンションみらい価値研究所」所長 久保 依子(くぼ よりこ) 略歴
1989年株式会社リクルートコスモス(現・株式会社コスモスイニシア)入社、1992年株式会社コスモスライフ(現・大和ライフネクスト株式会社)に転籍し、2005年には国土交通省住宅局市街地建築課マンション政策室に参画。分譲マンションの新たな管理ルールに関する検討会、第11回、第12回専門委員を務め、さらに、国土交通省 土地・建設産業局不動産業課指導室マンション管理情報の適切な開示の促進等に関する勉強会専門委
員、2019年に一般社団法人マンション管理業協会法制委員会委員を務める。現在、マンション事業本部事業推進部長として主にコンプライアンス部門を統括する傍ら、精力的に報告書の執筆を続けている。
著書「マンション管理のトラブル解決Q&A」(共著)ぎょうせい(2018年)
<ご参考>
【ウィズコロナの時代に活用できる大和ライフネクストが提供する IT サービス】
<Web 理事会サービス>
「Web理事会サービス」は、議題(報告事項、決議事項)をWeb上にアップし、一定期間(5~7日程度)の閲覧・質疑応答の後、賛否を意思表示し、理事会決議とするシステムです。役員の皆様はPC・タブレット・スマホ等でお好きな時間帯で理事会に参加。Web上での質疑応答、議決権行使ができ、夜間・休日・家事・仕事の合間など、Web理事会開催期間中、いつでもどこでもご参加いただけます。Web上でのやり取りの履歴は議事録への転用が可能。効率的な理事会運営を実現します。
<IT を活用した重要事項説明>
2019年9月、重要事項説明等の対面、書面交付の原則見直しにつなげるため、マンション管理業協会が国土交通省の指導・協力のもと実施した、「IT を活用した重要事項説明等に係る社会実験」第一号を当社事務所において実施しました。社会実験への積極的な参画は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、対面による説明が困難となる状況下においても、IT を活用し精度の高い重要事項説明等を実施できるノウハウの蓄積につながっています。
<無人コンシェルジュサービス 「ヒューマンシェルジュ・ダイレクト」>
分譲マンションに常駐する質の高い有人コンシェルジュサービス「ヒューマンシェルジュ」を、より安価に簡易に利用していただくために開発した、無人コンシェルジュサービスです。ご入居者にとっていちばん身近な宅内インターホンから直接繋がる外部のコンシェルジュデスクでは、発信元情報を把握しているため、問い合わせや要望にスムーズに対応が可能。有人コンシェルジュ並みに充実したサービスを提供できる仕組みです。
※指定のインターホン機種、 インターネットサービスの導入が必要
<管理員勤務時間外でも安全を守る画像巡回サービス>
管理員が不在となる夜間や早朝の時間帯に、既存の防犯カメラシステムと通報・転送システムを活用し、警備会社が定時に遠隔巡回。異常事態・不法行為等(不法侵入や不法投棄・駐車、 急病対応など)を発見した場合は スピーカーを通じて警告アナウンスを発したり、緊急出動を行うなど適切に対処します。
※石崎の「崎」の表記は、「たつさき」となります。
企業プレスリリース詳細へPR TIMESトップへ