日本司法書士会連合会とミドルマン株式会社は、「ODRトライアル・プロジェクト『司法書士による賃貸住宅トラブルのオンライン紛争解決(無料チャット相談・無料チャット調停)』」の試験運用を開始いたします。
【開催概要】
<実施期間>
令和2年12月4日(金)から
令和3年5月31日(月)まで ※予定
<無料チャット相談>
日司連のLINE公式IDを「友だち」追加した上で、相談内容をチャットにより投稿する方法です。相談員は司法書士が対応します。
(日司連LINE公式ID: @886norbg )
※上記IDを検索して「友だち」追加していただきます。
<無料チャット調停>
無料チャット相談の後、調停を希望される場合は、ミドルマン株式会社の提供するオンライン調停システム「Teuchi(テウチ)」を用いてチャットにより調停を実施します。調停人は司法書士が対応します。
【開催趣旨】
近年、あらゆる業界においてデジタルトランスフォーメーション(DX)が推進されており、特に2020年9月の新政権移行後においては、デジタル庁の創設など急激な変革が起こっています。これは、司法分野においても例外ではなく、司法アクセスを改善するため、民事裁判のIT化について2025年完成を目途に議論が進められています。
また、紛争の多様化に対応するため、裁判外紛争解決手続き(Alternative Dispute Resolution=ADR)をはじめとする紛争解決のオンライン化(Online Dispute Resolution=ODR)についても準備が進められており、昨年度、政府の成長戦略フォローアップ2019を受け設置された「ODR活性化検討会」において基本方針が示され、2020年10月には法務省に「ODR推進検討会」が設置され、広くODRの実証や実装をするための取組みについて議論が進行しています。
日本司法書士会連合会(以下「日司連」という。)は、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、2020年4月に他士業団体に先駆けていち早くウェブ会議システムTeamsを活用したウェブ面談を開始し、コロナ禍を通して間断なく相談サービスを提供し続け社会的な使命を果たして参りました。また、全国の司法書士会においてADRセンターを展開する日司連は、今後の社会生活におけるODRニーズの高まりを予想し、その要請に応える体制を構築するため、具体的な課題抽出等を目的とした試験運用を早期に開始することといたしました。
ミドルマン株式会社(以下「ミドルマン」という。)は、紛争解決サービスを利用するユーザーの利便性向上のため、国内初となるチャットによる本格的なODRシステム「Teuchi」を開発し、時間や場所の制約を受けることなく、スマホひとつで法的トラブルを解決することができる手続きを実現しました。2020年1月からシェアリングエコノミー領域で「Teuchi」の実証実験を開始し、コロナ禍によって社会問題化した飲食店等のテナント賃料や結婚式場キャンセル料について無償でシステム提供し解決をサポートするなどCSR(企業の社会的責任)を果たしてきました。
2020年9月には正式サービスとして「Teuchi for 敷金」をリリースし、不動産仲介大手のハウスコム株式会社への導入実績をあげていますが、ODRを広く社会に浸透させるための課題として啓発活動の必要性を感じていました。
そこで今回、ODRの実施主体及び調停人としての活躍が見込まれる司法書士の全国組織である日司連と、ODRシステムプロバイダーとしてのトップランナーであるミドルマンとが連携協定を締結し、双方の強みを活かしたトライアル・プロジェクトを実施することといたしました。
今回のトライアル・プロジェクトにおいては、国民生活センターに年間約3万件もの相談(うち約1.3万件が敷金並びに原状回復に関する相談)が寄せられている賃貸住宅に関するトラブルを対象としています。これは、不動産分野の法律相談・調停に強みを持つ司法書士及び既に不動産業界への導入実績のあるミドルマン双方にとって親和性の高い領域だと考えています。また、相談フェーズについては利用者の多いLINEを入り口とすることでアクセスの容易さを図っています。
新型コロナウイルス感染症の第一波においては、裁判所や法律専門職団体において、対面により司法サービスを提供することが一時的に困難な状況となりましたが、私たちは、これを教訓に深刻な感染症や大規模災害等でも止まらない強靭なリーガルインフラの構築に向けて協業していきます。
ポンチ絵
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