株式会社あさ出版(代表取締役:佐藤和夫、所在地:東京都豊島区)は、井上勝夫著『マンションの「音のトラブル」を解決する本』を2021年1月27日(水)に刊行いたします。
音によるご近所トラブルの被害者、加害者にならないために
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の影響で、再びリモートワークが強く推奨されるようになりました。家にいる時間が長くなると、いやでもご近所の人たちとの関わりが増えてきます。
それに伴い、移動音、開閉音、子どもの飛び跳ね、トイレ、シャワー、楽器・テレビなど音に関するトラブルも増えています。
本書では、音によるご近所トラブルの事例の紹介とともに、被害者、加害者にならないためポイント、トラブルになってしまった際の解決法を、音・音響の第一人者がイラスト付きでわかりやすく解説した一冊です。
音によるご近所トラブルの事例を紹介 ※本書より一部紹介 抜粋要約
音源が予想とはまったく別なところにあった
ある休日の朝、真下に住む住人が血相を変えて怒鳴り込んできたことがあったそうです。
「今、お宅でドンドン…という大きな音を出しましたよね」と言われたのですが、知り合いはまだ就寝中で、音の出しようがありません。パジャマ姿の知り合いを見て、真下の住人は気まずそうに引き揚げていったそうです。上から音が聞こえたと思っても、音源はまったく別のところにあったという例です。
振動として固体の中を伝わり、離れたある住戸の空間で聞こえる音である「固体音」は、音源の場所が予測しにくく、予想外のところに伝わる性質を持っているため、このようなトラブルがおきます。
逆切れした加害者側が「名誉棄損だ」と訴えた!?
下階の人が上階の人に音のことで苦情を言ったことで、関係がこじれてしまい、逆切れした加害者側から「名誉棄損だ」と訴えられたケースがあります。音を出していたのは上階の住戸だったのに、被害者である下階の人が訴えられてしまったのです。
このケースでは加害者である上階の人の訴えが棄却され、被害者である下階の人の勝訴が確定しました。しかし、同じマンションで顔を合わせることに耐えられず、結局、裁判に勝った被害者である下階の人がマンションを売って引っ越してしまったのです。
マンションは毎日暮らす場所ですから、お互いが気持ちよく、平穏にすごすのが一番です。そのためにも日頃から人間関係を良好に保っておくことが大事です。
音によるご近所トラブルの加害者にならないために※本書より一部紹介 抜粋要約
ドアやふすま、カーテンの開け閉めにも注意
最近のクレームで増えているのはドアやふすまを閉める音、カーテンを開け閉めする音です。
ドアやふすまの開け閉めは、戸当たり部を見ながらゆっくり閉めるといいでしょう。戸当たり部を見ていれば、勢いよく閉めることはほとんどありませんので、これだけでも10デシベル以上の低減が可能といえます。
なおドアやふすまの戸当たり音対策として、ホームセンターなどで便利なクッションテープが販売されています。ドア枠や引き戸枠にクッションテープを貼ることで、バタン、ピシャという戸当たり音はかなり小さくできます。
音によるご近所トラブルの被害者になってしまったら ※本書より一部紹介 抜粋要約
BGMで音に音をかぶせるのは有効
被害者側で誰でもできる有効な対策方法は、音に音をかぶせる「マスキング」という方法です。てっとり早いのは、BGMを流すこと。できれば環境音楽など、意味がない音が流れるものがおすすめです。
また聞こえてくる音と同じような周波数の音が含まれていると効果的です。もし私が他住戸の洗濯機の音がうるさいと感じたら、
125ヘルツまたは、それより多少低い周波数の音を多く含む音楽をBGMとして流せば、影響をかなり減らすことが可能です。
聞こえてくる騒音に合わせてBGMの音楽を探してみるのも楽しいでしょう。
【書籍概要】
書籍名:マンションの「音のトラブル」を解決する本
刊行日: 2021年1月27日(水)
価格:1,650円(税込)
ページ数:224ページ
著者名:井上勝夫
ISBN:978-4-86667-258-8
紹介ページ:
http://www.asa21.com/book/b553827.html【目次】
第1章 マンションの音はなぜ気になるのか
第2章 音の正体を知る
第3章 どんな音が問題になる
第4章 まずは加害者にならない
第5章 被害者になったらどうする
第6章 管理組合の役員になったら
第7章 リフォームするさいに気をつけること
第8章 買うときはここをチェック
【著者プロフィール】
井上勝夫(いのうえ かつお)
日本大学名誉教授。工学博士。一級建築士。 日本建築学会理事、同関東支部長、同環境工学委員会委員長、環境振動運営委員会委員長、日本音響学会評議員、日本騒音制御工学会理事などを歴任。現在、日本音響材料協会理事。
1950 年埼玉県生まれ。1999 年日本大学教授。2020 年日本大学名誉教授。専門は建築環境工学の音・振動環境学。重量衝撃源に対する床衝撃音の予測法と低減方法に関する研究で1989 年日本建築学会奨励賞、住宅床の床衝撃音と歩行感に関する一連の研究で2000 年日本建築学会賞を受賞。日本工業規格(現 日本産業規格)JIS の規格制定・改訂に数多く関わるほか、最高裁判所の建築関係訴訟委員会委員を務めるなど、多くの建築紛争に携わる。とくに東京地方裁判所には20 年を超えて所属し、多くの訴訟事件を手がける。住宅関連の音・振動環境の対策や研究の第一人者であリ、専門家としてテレビ出演や新聞、雑誌、書籍の執筆も多数。
現在、防災住宅の設計や住宅の音に関する紛争予防と早期解決、居住者反応と満足度の評価に関する研究等に従事。
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