全国的な社会問題である「古民家の増加」と「不登校の子どもたち」を解決する地域社会モデルとして提案します。
子どもが創るがっこう「デモクラティックスクールASOVIVA」を運営する特定非営利活動法人ASOVIVA(所在地:大阪府南河内郡河南町、代表理事:長村知愛、以下、当法人)は、大阪市立大学大学院建築計画・構法研究室におけるフリースクール研究の調査校として、同研究室と連携しながら2021年10月30日(土)にスクール内部のVRカメラ撮影会を実施いたします。
撮影・編集後は当法人のウェブサイト(
https://asovivaviva.org/)等で紹介し、全国的な社会問題といえる「空き家の増加」と「不登校の子どもたち」に対しそれぞれの地域で取り組むことができる1つのモデルとして広く伝えていきたいと思っています。
実施内容
大阪市立大学大学院建築計画・構法研究室の布施和樹さん(修士1年生)が、当法人が運営する、古民家を活用したフリースクール内部の様子をVRカメラで撮影します。撮影したものは、編集後にASOVIVAのウェブサイト等で紹介し、全国的に社会課題といえる、増え続ける「空き家」と「不登校の子ども達」に対し、それぞれの地域で取り組める1つのモデルとして広く伝えていきたいと思っています。(撮影の様子の一般公開はありません。)
文科省が2021年10月13日に発表した調査結果によると、不登校の小中学生の数は年々増え続けており、昨年度は19万6千人を超えました。
引用元:「R2児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(
https://www.mext.go.jp/content/20211007-mxt_jidou01-100002753_1.pdf)
また、総務省による平成 30 年住宅・土地統計調査でも、年々空き家が増え続けていることが伺えます。引用元:「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計結果の概要」 (
http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/pdf/kihon_gaiyou.pdf)取組に至った背景
昨年度、布施和樹さんの研究論文「フリースクールの活動からみた農村地域のオルタナティブ教育環境としての可能性」の調査校の1つとして、当法人も調査をして頂きました。大阪市立大学及び建築学会で承認された論文から、日本家屋の建物の間取りや配置、使い方などが子ども達の活動に大きく影響し、多様な学びや活発なコミュニケーションを生み出していることがわかりました。これを分かりやすく社会に伝えていくことで、空き家を活用した子ども達の第三の居場所を提案することができると考え、当法人から布施さんを通して研究室にご協力をお願いしました。
布施和樹さんの研究論文への思い
研究にご協力いただいたスクールはどこも居心地がよく、ホッとできる場所でした。その空気感は子どもたちとスタッフさんの頑張りがあるからこそであることは言うまでもありません。しかし、僕は畳のどこでも座ることができる空間、襖や障子、縁側でつながる連続的な空間、庭や周辺の自然環境が子どもたちの自由な活動を促進していると観察を通してはっきりとわかりました。これは実験や、数式の計算によって解が示される絶対的なものではないのかもしれません。しかし民家や周辺地域で子どもたちが自由に活動できていることは事実です。自分の研究によって少しでも子どもたちが生活する空間が自由になること、フリースクールのような子どもの居場所として空いている民家を提供してくれる人が増えることを心から願っています。
担当者コメント
特定非営利活動法人ASOVIVA理事(現スクールスタッフ)吉元かおり
広々とした居心地の良い古民家に移転して来れた時、子ども達もみんな大喜びで大興奮でした。どの部屋をどう使うか?もみんなで考えて決めました。特に根拠があった訳ではなく、「何となく」の子ども達の感覚が頼りでした。今回布施さんの調査から、「何となく」で決めてきたことがとても良かったと、理論的に裏付けされたことは大きな驚きでした。空間をどのように使うと子ども達の伸び伸びとした活動に繋がっていくかという事例を、広く知ってもらえると嬉しいです。
協力先:大阪市立大学大学院建築計画・構法研究室
教授:徳尾野徹氏
准教授:石山央樹氏
講師:西野雄一郎氏
研究室HP:
https://www.arch.eng.osaka-cu.ac.jp/plan/研究室facebookページ:大阪市立大学_建築計画構法研究室-107492125029702
その他の取組
デモクラティックスクールASOVIVAに通う子ども達の多くに、自己肯定感や意欲の高まり等、良い変化が起きていることに着目し、子ども達が生きていく上で大切な「心のレジリエンス」が総合的に高められていると考え、その要素をハード面とソフト面の両面から抽出して汎化することを目指して取り組んでいます。
どんな場所を使うかと同時に、関わる大人の在り方やスクール内での取り組みの良い点や反省点をお伝えすることで、新しく立ち上げたい人をサポートし、不登校の子ども達の学校以外の居場所、学び場が多くの地域に増えていく一助になればと願っています。
特定非営利活動法人ASOVIVAについて
不登校当事者とその保護者や支援者で立ち上げた、子どもが創るがっこう、「デモクラティックスクールASOVIVA」を2019年4月より運営。同年5月に法人設立し、現在は認定特例NPO法人申請中。
様々な背景で学校に行かない選択をした子ども達が、自分たちでスクール運営をするのが特徴で、教師役の大人ではなく、対等な立場で子ども達と関わりながらサポートするスタッフ、保護者、活動を支える約200名のサポーターによって子ども達の日々の活動や成長を見守っています。
2021年1月に就労継続支援B型事業所「MUSUVIVA」を併設開所し、本人の主体性を重視した大人の働く場と、フリースクールの複合的なコミュニティ創りにも取り組んでいます。
【団体概要】
団体名:特定非営利活動法人ASOVIVA
所在地:大阪府南河内郡河南町寛弘寺756-2
代表理事:長村知愛
設立:2019年5月
URL:
http://asovivaviva.org/事業内容:デモクラティックスクール事業、就労継続支援B型事業
【ご利用に関するお問い合わせ先】
特定非営利活動法人ASOVIVA
TEL:0721-21-6989 (平日10時~17時)
e-mail:info@asovivaviva.org
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