住宅用建築部材メーカー ウイングと不動産デベロッパー 野村不動産ホールディングスが連携し、木材供給の川上から川下までを結ぶ、国産木材のサプライチェーンを構築
野村不動産ホールディングス株式会社(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:沓掛 英二、以下「野村不動産ホールディングス」)、ウイング株式会社(代表取締役社長:倉田 俊行、以下「ウイング」)は、2022年3月9日、農林水産省(農林水産大臣:金子 原二郎)と三者での「建築物木材利用促進協定(以下、本協定)」を締結したことをお知らせいたします。「建築物木材利用促進協定」は令和3年10月1日に施行された「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」の成立に伴い創設された協定で、民間事業者と農林水産省との協定締結は初の事例となります。
日本国内の木材の自給率は平成23年以降10年連続で上昇し、現在4割超(※)となっているものの、諸外国と比較すると依然として低い水準にあり、林野庁の「森林・林業白書」では2025年までに木材自給率50%の目標が掲げられています。
自給率が低い要因の一つには、国産木材における川上から川下までを結ぶサプライチェーンが十分に機能していないことが挙げられ、国内に豊富な資源があるにも関わらず、その供給先が定まらない木材が適齢期を迎えても伐採されず、未利用となっている状況です。
そこでこのたび、野村不動産ホールディングスとウイングは農林水産省と本協定を締結し、国産木材が、川上~川下まで安定供給される効率的なサプライチェーン構築に取組みます。野村不動産ホールディングスは、今後5年間で建設予定の野村不動産グループの建築物において、国産木材の活用を段階的に進め、協定期間内で国産木材を合計10,000㎥利用、ウイングは全国の伐採・製造加工会社と協調し、国産木材の安定供給に努めます。
このサプライチェーンに沿って、川上、川中、川下で関わるすべての事業者が一丸となって国産木材の活用を促進することで、日本の山村の活性化、森林サイクルの維持を行います。また、この取組みにより、森林が有するCO2の吸収・固定化、生物多様性の保全等の多面的機能が発揮される循環サイクルを確立させ、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。
※林野庁「令和2年木材需給表」
「建築物木材利用促進協定」締結の目的
本協定は、野村不動産ホールディングスの「建築物における木材の利用の促進に関する構想」について、野村不動産ホールディングス、ウイング、農林水産省が連携・協力することにより、野村不動産ホールディングス及びウイングによる取組みを促進し、構想の達成に寄与することを目的とする。
「建築物木材利用促進協定」の概要
・協定の名称:地域材の利用拡大に関する建築物木材利用促進協定
・対象区域:全国
・有効期間:締結の日から、令和9年3月31日まで
・内容
1.野村不動産ホールディングスの「建築物の木材の利用に関する構想」
(1)構想の内容
自社グループによる建築物供給にあたり、子会社と共に構造や内外装に国産木材を積極的に活用することにより、2050年カーボンニュートラルの実現や山村の活性化等に貢献していく。また、合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(平成28年法律第48号、以下「クリーンウッド法」という。)第2条第2項に規定する合法伐採木材等を利用することにより、SDGsに貢献していく。
(2)構想の達成に向けた取組みの主な内容
・今後5年間で建設予定の建築物において、国産木材の利用を段階的に進め、協定期間内で国産木材合計10,000㎥を利用することに努める
・森林資源の循環利用のため、ウイングと連携して植林支援を行う
・ウイングと連携して、木材利用意義やメリットについて、シンポジウムや動画等で積極的に情報発信する
2.ウイングの「木材の利用の促進に関する構想」
(1)構想の内容
野村不動産グループによる建築物の木材利用を促進するため、国産木材の安定供給等の協力を行うとともに、森林資源の循環利用、ひいては2050年カーボンニュートラルの実現に貢献していく。
(2)構想の達成に向けた取組みの主な内容
・野村不動産グループによる全国での建築物の整備にあたり、あらかじめ供給体制を整え、建設で求められる品質や量、合理的価格で合法伐採木材の供給を適時に行うよう努める
・上記取組みについて、他者による取組みの参考となるよう、情報を広く発信する
・森林資源の循環利用のため、野村不動産ホールディングスと連携して植林支援を行う
3.構想の達成のための農林水産省による支援
野村不動産ホールディングス及びウイングに対して技術的助言や活用可能な補助事業等の情報提供を行うとともに、野村不動産ホールディングス及びウイングの本協定に基づく国産木材利用の取組みの発信に努める。
国産木材のサプライチェーン構築とその背景について
日本の戸建住宅の建築においては、昭和39年に木材輸入の自由化が行われて以降、建築用の製材の半数を海外からの輸入材に依存しており、国内に豊富な資源があるにも関わらず、その供給先が定まらない木材が適齢期を迎えても伐採されず、未利用となっている状況です。このような自給率の低さが起因し、近年の度重なるウッドショックによる供給の不安定化、輸入材の価格上昇等、大きな影響を受けています。
また、環境面での課題として、日本の森林面積(2,505万ヘクタール)のうち、約4割を占める人工林面積(1,020万ヘクタール)は、成熟した木を間伐し、若い苗木を植えることで森の新陳代謝を促す“森林サイクル”が、林業の衰退等により適切に行われず、環境維持ができずに森林の荒廃進んでいます。森林は、CO2の吸収・固定、生物多様性保全、土砂災害の防止等極めて多くの多面的機能を有しているとされ、脱炭素社会の実現に向けて大きな役割を担っています。
そこでこのたび、野村不動産ホールディングスとウイングは本協定に基づき、建築・不動産業界において、森林の川上(林業事業者)・川中(製材業者)・川下(デベロッパー)を結び、安定的に国産木材が供給できるサプライチェーン構築に取組みます。野村不動産ホールディングスは、今後5年間で建設予定の野村不動産グループの建築物において、国産木材の活用を段階的に進め、協定期間内で国産木材合計10,000㎥を利用、ウイングは全国の伐採・製造加工会社と協調し、国産木材の安定供給に努めます。サプライチェーンの構築により、原料供給者は、需要者が確保されているため安定的な供給ができ、需要者である野村不動産グループは、海外情勢等に左右されることなく安定的に高品質な国産木材を活用することができ、経営の安定化・事業面でのリスク軽減につながります。
このサプライチェーンに沿って、川上、川中、川下で関わるすべての事業者が一丸となって国産木材の活用を促進することで、日本の山村の活性化、森林サイクルの維持を行います。また、この取組みにより、森林が有するCO2の吸収・固定化、生物多様性の保全等の多面的機能が発揮される循環サイクルを確立させ、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。
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