4月28日は「庭の日」
一級建築士兼宅地建物取引士として、不動産・土地の選び方などについて様々なノウハウを伝えている印南 和行が代表を務める株式会社南勝は、4月28日の「庭の日」(一般社団法人 日本造園組合連合会制定)に合わせて、自身または配偶者が建てた築5年の注文住宅に居住中の25歳以上45歳以下の男女全国498人を対象に「失敗した自宅の外構」について調査いたしました。
調査概要
調査期間:2022年4月1日~2日
調査手法:インターネット調査
調査地域:全国
調査年齢:25歳以上45歳以下
調査対象:自身または配偶者が建てた築5年以内の注文住宅に住んでいる男女
サンプル数:498人
※本リリースの調査結果をご利用いただく際は、「YouTube不動産 調べ」とご明記ください。
調査結果
「自宅の外構について“失敗した”と思うことはあるか」尋ねたところ、「ある」(58.0%)、「ない」(42.0%)となり、6割近くの人が失敗したと思っていることがわかりました。
失敗したと思っている人に「失敗したと思う外構は何か」尋ねました。「天然芝」(21.8%)が最多で、「玄関前の階段」(19.7%)、「狭い駐車スペース」「オープン外構」(共に18.0%)、「シンボルツリー」(15.6%)と続き、近年人気の「ウッドデッキ」は10.7%の人が失敗したと思っていました。
建築や不動産、土地のプロ・印南 和行(いんなみ かずゆき)が解説!
注文住宅を建てる際、間取りばかり考えすぎて、家のイメージを決める外構が疎かになってしまう方は意外と多いようです。憧れだけで取り入れてしまい失敗したということもあります。そこで今回は、一級建築士が考える「私なら付けない屋外オプション10選」について解説いたします。
1.天然芝
庭に広がる緑の絨毯のような天然芝はとても素敵ですが、維持管理が本当に大変です。芝刈りや水やり、育ちが悪く剥げた部分の補修、芝生内に生える雑草抜きなどの維持管理をしないと、草むらや所々に土が見えたまだらな芝生になってしまうので、庭いじりが好きで、こまめに手入れができる方以外は慎重に考えた方がよいでしょう。
2.滑るアプローチ
オシャレなタイルなど表面がツルツルしている素材は本当に滑ります。特に雨の日は滑りやすいです。アプローチには、滑りにくく水はけのよいインターロッキングブロックや枕木、レンガなどを使うとよいでしょう。DIYが流行っているので、自分で作ってみようと考えている方は、素材選びに注意してください。
3.玄関前の階段
玄関前の階段も厄介な屋外オプションの1つです。階段があると外構設備に段差が生まれて、デザイン性がグッと上がるというメリットがあります。家族が若くて元気なうちは感じないかもしれませんが、高齢になると、ほんの10cm程の階段でも上り下りが大変です。転んで怪我をすることも十分考えられますので、階段を設置するなら、上り下りしやすい大きさの階段にして、階段横にスロープを設置できるとよいでしょう。ただ、スロープを設置するスペースも必要となりますので、外構全体を見て、事前に考えておくことが必要です。
4.ウッドデッキ
ウッドデッキにテーブルとチェアを置いて、お酒やお茶を飲みながら優雅に過ごす。リゾート地にいるようで憧れますよね。しかし、実際は思ったほど使わないという声が多くあります。蚊や蜂などの虫がいる、夏は暑くて冬は寒く、手入れが大変というのが理由です。家族みんなでBBQなどを楽しむためには、それなりの広さが必要なので、設置費用はかなり高額になります。また、安い素材を選ぶと、腐りやすくなってしまうので、手間暇かけてメンテナンスする自信がない方は再検討した方がよいでしょう。メンテナンスを怠るとシロアリに食べられて、大事な家まで被害が及ぶことがあります。設置するなら、ある程度の広さを検討し、材質は劣化しにくい「人工木」を使った方がよいでしょう。
5.狭い駐車スペース
駐車スペースを最低限の広さにすると、日々の車の出し入れが本当に大変になってしまいます。何度の切り返しをしたり、駐車したものの運転席側から降りられなくなったり、最悪の場合、ぶつけてしまうこともあります。そのせいで、車を使うのが億劫になってしまったという方もいるくらいです。自家用車の大きさや形状だけでなく、配達に来てくれる車両、福祉車両の利用といったところも考える必要があります。自家用車でギリギリといったあまりにも狭い駐車スペースはオススメできません。
6.土の駐車スペース
駐車スペースまで設備費が回らなくなって、コンクリート舗装ができずに後悔するご家庭もあります。コンクリート舗装は1台分で15~20万円程度はかかるといわれているので、住宅完成後の追加出費になると負担は大きいです。しかし、駐車スペースが土のままだと、雨の日にはぬかるんで、来訪者の車や靴まで汚れてしまいますし、土なので雑草も生えてきます。どうしても施工費用を抑えたい場合は、一部分だけコンクリートにする方法もあります。
7.玄関から離れた駐車スペース
駐車スペースと玄関があまりにも離れていると、天気の悪い日や荷物の多い日に不便を感じてしまいます。特に、積雪の多い地域では、玄関から駐車場までの雪かきが必要になるので、駐車スペースから玄関までの距離は近いに越したことはありません。また、暗くなってからの行き来を考えると、照明も万全にしなければならないので、手間もかかってきます。なるべく玄関の近くに駐スペースができるよう検討してみてください。
8.オープン外構
オープン外構も様々な悩みを抱えてしまう外構の1つです。オープン外構とは、住宅の周りにフェンスや塀、生け垣などを作らず、敷地に接している道路に対して、庭がオープンになっている状態のことです。開放的というメリットはありますが、駐車スペースを他人が車のUターンに使う、すれ違いの時に敷地内に入ってくるなどが考えられます。また、外から敷地内が丸見えということもなかなか落ち着きません。ガーデニングをしていてもなんとなく視線が気になり、庭に洗濯物や布団を干すことも躊躇してしまう可能性があります。オープン外構とクローズド外構のいいとこ取りをしたセミオープン外構もあるので、是非検討してみてください。
9.シンプルなアプローチ
アプローチは門から玄関までの通路エリアのことです。家の顔ともいえる存在なので、とても重要な外構設備です。しかし、費用を抑えるためにシンプルにし過ぎると、物足りないなという後悔に繋がってしまいます。アプローチは、少し曲線を入れると奥行きが出てぐっとオシャレ感が増してきます。シンプルな場合は、両脇に観葉植物を置いたり、ソーラー充電式照明とガーデニング雑貨などを設置してみたりすると、雰囲気のあるアプローチになるのでオススメです。
10.シンボルツリー
住居全体の象徴ともいえるシンボルツリー。庭にあったら素敵とイメージだけで植えてしまうと、本当に後悔してしまいます。シンボルツリーは天然芝と同様に維持管理が大変。植える樹木によっては年数回の剪定が必要で、落ち葉の掃除もしなければなりません。そして、注意してほしいのは植える場所です。シンボルツリーの根が配管を傷めたり、台風や強風で枝が折れたり倒れたりする危険性があるからです。折れた枝などが、自分の家だけでなく周囲の家にも被害を及ぼしてしまったら大変です。もし植えたいのならば、植樹前に一度専門業者に相談することをオススメします。
印南 和行(いんなみ かずゆき)プロフィール
一級建築士。宅地建物取引士。
株式会社南勝 代表取締役。
日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合技術顧問でもあり、ファイナンシャルプランナー(AFP)、一級建築施工管理技士、不動産コンサルティング技能士試験合格など多くの建築・不動産関連の資格を保有している。
2014年には、週刊住宅新聞社から『プロが教える 資産価値を上げる住まいのメンテナンス』を発売し、翌年の「日本図書館協会選定図書」に選ばれる。
また、2020年に一級建築士ユーチューバーとして「住宅専門チャンネル YouTube不動産」を開設し、建築や不動産、土地などについて様々なノウハウを伝えている。
公式サイト:
https://innami.info/YouTube:
https://www.youtube.com/channel/UCu5pac3VmabJ-OvFiPxlzIA会社概要
商号:株式会社南勝(なんしょう)
所在地:大阪府大阪市淀川区西中島5-11-9 新大阪中里ビル
代表者:代表取締役 印南 和行(いんなみ かずゆき)
設立:2011年
事業内容:不動産業務支援他
電話番号:0800-600-0707(通話料無料)
連絡先:info@nansho-group.co.jp
URL:
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