三井不動産グループの「老朽化不動産再生コンサルティングサービス」 築50年旧耐震賃貸住宅、第6号リファイニング物件竣工 建替えと比較し「建築費低減」「工期短縮」「CO2排出量▲72%」を実現

三井不動産株式会社

2022年5月17日 17時54分

-5月17日(火)リファイニング建築サロン&物件竣工見学会開催-

 三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:菰田正信)は、「リファイニング建築」を活用した老朽化不動産再生コンサルティングサービスに取り組んでおりますが、このたび青木茂建築工房と手掛けた6号目となるリファイニング建築物件(新宿区、1971年築賃貸住宅、以下「本物件」という)が竣工いたしますのでお知らせいたします。また、期間限定のリファイニング建築サロンを同物件内に開設し、サロン見学会および竣工見学会を本日5月17日(火)に同時開催いたします。

 本物件は、建築当初にはなかった日影規制等の建築基準法の適用を受けることに伴い、建替えると建物規模が縮小されることから、十分な事業性能が確保できないといった課題を抱えておりました。今般、リファイニング建築を活用した再生を目指すことで、建物規模を維持した事業を実現するとともに、現代の賃貸マーケットニーズに合わせた間取り構成や商品企画により、新築に近い賃料設定を実現し、事業性能の確保が図れます。なお、竣工後は三井不動産レジデンシャルリースでサブリースを予定しております。

 また、本物件では既存躯体を補修、補強したうえで84%を再利用することで、建替えと比較し事業費低減、工期短縮を実現するとともに、東京大学との共同研究により建替えの場合と比較して、CO2を72%削減することが判明しており、脱炭素社会の実現へも貢献しております。
※関連リリース:https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/0922/

【外観】




【内観】




■「承継」と「再生」を意識した共用部計画
 本物件は、既存建物の特性を生かし、単に新築同等に再生するのではなく、承継すべきものにも着目した共用部の再生計画としております。まず、従前より建物入り口にあるオーナーと共に歩んできた緑豊かな植栽は、施工計画段階から植栽への影響を最小限にするよう配慮し、庭園の景観を承継する計画としております。また、エントランス周辺は、時代のニーズに合わせて計画的、意匠的再生を図り、従前の応接室を、既存の庭園を最大限活かせるよう住戸へ用途変更し、更なる事業性向上を図っております。




【エントランス】



【水盤】




■賃貸マーケットのニーズを捉えた間取り構成
 本物件は、従前は各階3LDKを3戸配置する構成でしたが、現代のすまいにおけるニーズや、周辺の賃貸マーケットニーズを捉えた計画とするため、各階1LDK~2LDKを5戸配置した多彩なバリエーションを設けた間取り構成とし、事業性能の向上および安定稼働の実現を図りました。また、本計画を実現するため、一般的なブレースを使用する耐震補強に対して、青木茂建築工房の間取り構成を考慮した耐震補強計画も大きな特徴です。




■期間限定のリファイニング建築サロン兼モデルルーム
 リファイニング建築の特徴を実際に見学いただくことを目的としたリファイニング建築サロンを同物件内にオープンいたします(5月17日~7月下旬 ※予定)。リファイニング建築サロンでは、以下の内容をご見学いただけます。

1.本物件の設計ポイント
 従前と比較した内外装のデザインや設計のポイント等について、パネルを用いてご説明いたします。
2.リファイニング建築の過程
 建物調査・補修や耐震補強等、目に見えない改修の内容をパネルやサンプルによりご説明いたします。



■本計画概要
【敷地概要】
所在地:東京都新宿区信濃町3-1
交通:JR中央線「信濃町」駅徒歩7分、丸の内線「四谷三丁目」駅徒歩8分
用途地域:第一種中高層住宅専用地域
敷地面積:968.46平方メートル

【物件概要】
用途:賃貸住宅(32戸) ※従前: 賃貸住宅(21戸)、店舗(1戸)
構造:高層棟SRC造、低層棟RC造
延床面積/建築面積:2,610.42平方メートル /405.86平方メートル
建築確認申請・検査済証:建築確認申請提出 (工事種別:大規模の模様替え)・検査済証取得
補強計画:耐震壁の新設により耐震指標Is値0.6を確保
設計会社:株式会社青木茂建築工房
施工会社:大末建設株式会社
改修竣工日:2022年5月16日(既存建物1971年築)



■リファイニング建築の特徴
1.眺望や外観を損なわない耐震補強
耐震性能上問題のない壁や設備を撤去し、建物を軽量化したうえで独自の補強を行うことにより眺望や外観を損なうことなく耐震性能を向上させます。

2.建て替えと比較して低コスト、工期短縮
建て替えと比較して約70%のコストで設備、内外装を一新。解体と新たな躯体の建築が必要ないため、工期も短縮されます。※1

3.検査済証を再取得し建築法規上も新築同等
建物にかかる単体規定を現行法に適合させることにより、新たな検査済証の取得を実現し、将来的な資産の流動性の確保を行います。特に構造躯体に関しては、補修の過程をすべて記録に残す「家歴書※2」を作成します。

4.建築廃材を削減し、環境にやさしい
既存躯体の再利用により工事にかかるCO2排出量が大幅に削減できます。
※1青木茂建築工房および当社実績値。ただし物件特性により異なります。
※2東京大学生産技術研究所野城智也教授が提唱する建物の履歴書

■「老朽化不動産再生コンサルティングサービス」について
 三井不動産は青木茂建築工房と、同社の建築手法であるリファイニング建築を活用した老朽化不動産再生コンサルティングサービスに取り組んでいます。
 本サービスは、旧耐震基準の建物を中心とした老朽化不動産をご所有のオーナー様に対して、単に建築的な再生を図るだけでなく、三井不動産グループの連携により、不動産全般のコンサルティング、商品企画、賃貸管理運営等、事業的な再生までサポートし、老朽化不動産の抱える様々な課題を解決します。

<本事業の体制>



■三井不動産グループのSDGs への貢献について
 三井不動産グループは、「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、人と地球がともに豊かになる社会を目指し、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を意識した事業推進、すなわちESG 経営を推進しております。当社グループのESG 経営をさらに加速させていくことで、日本政府が提唱する「Society 5.0」の実現や、「SDGs」の達成に大きく貢献できるものと考えています。また、2021 年11 月には「脱炭素社会の実現」、「ダイバーシティ&インクルージョン推進」に関し、下記の通りグループ指針を策定しました。今後も、当社グループは街づくりを通じた社会課題の解決に向けて取り組んでまいります。
【参考】
・「脱炭素社会実現に向けグループ行動計画を策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1124/
・「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言および取り組み方針を策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1129_02/

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