第3弾となる住宅弱者の「住まい探し」の実態調査結果を発表。賃貸契約の際、約6割の住宅弱者層が不便を感じたり、困ったりした経験あり。コロナ禍で住まい探しもより困難に
事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULL(ライフル)(以下、LIFULL、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井上高志、東証プライム:2120)が運営する不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」は、高齢者、外国籍、LGBTQ、生活保護利用者、シングルマザー・ファザー、被災者、障害者といった『住宅弱者』と呼ばれる方々に対して理解があり、相談に応じてくれる不動産会社を検索することができる「FRIENDLY DOOR」プロジェクトを運営しています。
今回、プロジェクトの一環として、障害がある方々の住まい探しをサポートする不動産会社が接客の際に活用できる『障害者接客チェックリスト』の提供を業界初の取り組みとして2022年5月25日(水)より開始します。本チェックリストは、東京都から「住宅確保要配慮者居住支援法人※」の指定を受ける居住支援法人メイクホームグループ(本社:東京都足立区、代表取締役:石原幸一)監修のもと制作を行いました。
※住宅確保要配慮者(低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子供を養育する者、その他住宅の確保に特に配慮を要する者)の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を図るため、住宅確保要配慮者に対し家賃債務保証の提供、賃貸住宅への入居に係る住宅情報の提供・相談、見守りなどの生活支援等を実施する法人として都道府県が指定するもの。(住宅セーフティネット法第40条)。
『障害者接客チェックリスト』精神・発達障害編:
https://forms.gle/GwvYg7f3wr9DTPb29『障害者接客チェックリスト』身体障害編:
https://forms.gle/TcHzFS8wfmnzXqGEA『障害者接客チェックリスト』知的障害編:
https://forms.gle/BVJyPcueAN5Yd3bj7『障害者接客チェックリスト』は、「精神・発達障害」「身体障害」「知的障害」の3種類(精神・発達障害編:20問、身体障害編:29問、知的障害編:13問)で構成しています。それぞれの障害を持つ方を接客する際に必要なヒアリングや提案ができるかを問う形式で、正答率だけでなく解説を通して理解を深めることができます。解説では、基本的な障害の知識から店舗での具体的な接客方法、引っ越し・入居後に気を付けるべきことなどのポイントを確認いただけます。
このチェックリストによって、不動産会社スタッフが障害者の方に対する理解を深め、障害の種類に応じた適切な接客ができることで、お客さま一人ひとりに安心して住まいを探していただけると考えています。
「FRIENDLY DOOR」事業責任者 龔 軼群(キョウ イグン)のコメント
日本における障害者の数は約940万人、決して少ないとは言えない数字です。しかし、障害のある方々が住まいを探す際、常に様々な困難にぶつかります。
「事故やトラブルを懸念され、入居を断られる」「不動産会社の店舗や物件自体に入れない、介助器具を設置させてもらえない」住まいは誰にとっても生活の根幹であり、住まいを選ぶ自由は誰もが平等に持つ権利です。ひと口に障害といっても様々ではありますが、どんな障害があったとしても相手に寄り添い、力になろうとする心持ちが何よりもの支えだと私は考えています。障害者接客チェックリストは、障害のある方々が日々の生活の中でどんな困りごとに直面しているのか具体的に理解いただける内容となっております。是非ご活用いただいて、ひとりでも多く障害者に寄り添える方々が増えることを期待します。
第3回目となる住宅弱者の「住まい探し」の実態調査
『障害者接客チェックリスト』の提供開始に伴い、住宅弱者※の住まい探しに対する実態や現状の課題を把握するため、住宅弱者の「住まい探し」の実態調査を行いました。本調査は、全国1,534名(うち住宅弱者 1,322名)を対象とし、2019年、2020年に続く第3回目の調査となります。
その結果、賃貸契約の際、約6割の住宅弱者層が不便を感じたり、困ったりした経験があると回答。新型コロナウイルスなどの社会変化により住まい探しがより一層困難になっていることが窺えました。
※LIFULL HOME'Sは、さまざまなバックグラウンドを理由に住まいの選択肢が限られてしまう、高齢者、外国籍、LGBTQ、生活保護利用者、シングルマザー・ファザー、被災者、障害者の方々を「住宅弱者」と定義しています。
新型コロナウイルスなど社会変化により不便も増加。
住宅弱者の約6割が「賃貸契約の際、不便を感じたり、困ったりした経験がある」と回答。
具体的には、入居審査やプライバシーの侵害に関する項目で一般層との乖離が大きい。
1.賃貸契約の際、約6割の住宅弱者層が自身のバックグラウンドを理由に不便を感じたり、
困ったりした経験があると回答。新型コロナウイルスなどの社会変化により2019年の調査より16pt増加
賃貸契約の際に4つのステップ[物件を探した時、不動産会社の店頭に行った時、内見・契約手続き時、入居した後]のいずれかの段階で、「性別(セクシャリティ/ジェンダー)」「経済状況」「家族構成(ひとり親家庭)」「障害者」「被災者」「高齢者」「外国籍」などのバックグラウンドを理由に不便を感じたり、困ったりした経験があったかを尋ねたところ、住宅弱者の60.4%が「経験がある」と回答しました【図1】。2019年に実施した調査よりも16.1ptのプラスとなっており、新型コロナウイルスなどの社会変化が一因となり住まい探しがより困難になっていると推察されます。
2.住宅弱者層が不動産会社の店頭に訪れた際、不便を感じたり、困ったりした内容で
一般層と10pt以上乖離があったのは「入居審査が通るか」「プライバシーを侵害されていると感じた」
不動産会社の店頭に訪れた際、自身のバックグラウンドを理由に、不便を感じたり、困ったりした内容は何か尋ねたところ、住宅弱者と一般層の間で最も乖離が大きかったのは「入居審査が通るか不安だった(34.2%)」で、続く「プライバシーを侵害されていると感じた(15.2%)」とともに一般層と10pt以上の差がみられました【図2】。
3.2019年の調査に続き、賃貸契約の際、住宅弱者層の約4割が「必要最低限の支援も受けられていない」と回答
賃貸契約の際、自身のバックグラウンドを理由に、「必要最低限の支援も受けられていないと感じる」か尋ねたところ、住宅弱者全体の39.6%が「必要最低限の支援も受けられていないと感じる(とてもそう思う+ややそう思う)」と回答しました【図3】。この結果は、2019年の調査から変化ありません。
なぜ不動産会社向け『障害者接客チェックリスト』が必要なのか。
不動産会社を訪れた際、約6割の障害者が自身のバックグラウンドを伝えることに抵抗感があったと回答し、全ての住宅弱者カテゴリーで最も多い結果に。
1.「理解ある不動産会社との出会い」を求める住宅弱者層は、2019年の調査より5ptマイナスとなるも引き続き、約7割と高い割合で求められている
賃貸住宅探しをする際に「自分の社会的立場に理解のある不動産会社との出会いが重要だと思う」と尋ねたところ、住宅弱者全体の66.3%が「そう思う(とてもそう思う+ややそう思う)」と回答しました。2019年の調査より約5ptのマイナスの結果となりましたが、引き続き高い割合で求められていることが分かります【図4】。特に、高齢者(77.2 %)、シングルマザー・ファザー(76.6 %)、生活困窮層(74.7%)で70%を超え、障害者(67.0%)も住宅弱者全体の平均を上回る結果になりました【図5】。
2.不動産会社を訪れた際、約6割が障害者であることを伝えることに抵抗感があったと回答
全ての住宅弱者カテゴリーの中で最も高い結果に
不動産会社の店頭を訪れた際、「障害者であることを伝えることに抵抗感があったか」尋ねたところ、59.7%が「抵抗感があった(伝えることに抵抗を感じたものの伝えた+伝えることに抵抗を感じていたため伝えなかった)と回答し、全ての住宅弱者カテゴリーの中で障害者が最も高い結果になりました【図6】。
▼住まい探しの際、障害者が経験した不便や困難の具体例(自由記述回答、一部抜粋)
・障害により退職したため、家賃を下げる為に物件を探したが、なぜ無職なのか厳しく問われて辛かった。(20代女性)
・精神障害者という事で契約が破棄になったり、「精神障害者には貸せる物件が無い」と言われたことがある。(40代男性)
3.約7割の障害者が接客チェックリストを「魅力的」と回答
当事者に寄り添った適切な接客対応ができているかを確認するための「接客チェックリスト」を活用している不動産会社があったとしたら魅力的か尋ねたところ、69.9%の障害者が「魅力的(とても魅力的+やや魅力的)」と回答しました【図7】。
2022年度「住まい探し」の実態調査 調査概要
調査期間: 2022年4月15日(金)~4月20日(水)
調査方法:インターネット調査
調査対象:直近2年以内に国内での賃貸契約を行った1,534名(うち住宅弱者 1,322名)
【住宅弱者】
・高齢者:65歳以上 かつ 同居家族なし
・日本在住外国人:居住年数5年以内 かつ 日本国籍を有していない人
・LGBT:自分が「レズビアン」「ゲイ」「バイセクシャル」「トランスジェンダー」のどれかと自覚している人
・生活困窮層:個人年収200万以下かつ同居家族なしの人 または 生活保護を受給している人
・シングルマザー・ファザー:児童(満20歳未満、未婚の子供)を単身で養育する母、または、児童を単身で養育する父
・被災者:地震や台風などの自然災害にあったことのある方
・障害者:身体障害、知的障害、精神障害を持つ方
【一般】
・上記、他の7対象から外れた方
※過去の調査結果は以下ページよりご確認いただけます
・2019年度版
https://lifull.com/wp-content/uploads/2019/11/66f9f8e5980f0185a682a07dc5b1b329-1.pdf・2020年度版
https://lifull.com/news/18180/「障害者」の表記について
当事者の方からのヒアリングを行う中で、「自身が持つ障害により社会参加の制限等を受けているので、『障がい者』とにごすのでなく、『障害者』と表記してほしい」という要望をいただきました。当事者の方々の思いに寄り添うとともに、当事者の方の社会参加を阻む様々な障害に真摯に向き合い、解決していくことを目指して、「FRIENDLY DOOR」サイトの検索カテゴリー、および接客チェックリストでは「障害者」という表記を使用いたします。
LIFULL HOME'S「FRIENDLY DOOR」について(URL:
https://actionforall.homes.co.jp/friendlydoor)
高齢の方、外国籍の方、LGBTQの方、生活保護を利用されている方、シングルマザー・ファザーの方、被災された方、障害者の方に親身になって住まい探しをしてくれる不動産会社を検索でき、問合せすることができるサービスです。現在全国3500店舗以上の不動産会社(2022年3月時点)を掲載しています
LIFULL HOME'Sについて(URL:
https://www.homes.co.jp/)
LIFULL HOME'Sは、「したい暮らしに、出会おう。」をコンセプトに掲げ、簡単で便利な住まい探しをお手伝いする不動産・住宅情報の総合サービスです。物件の探しやすさや住まいに関する情報の見つけやすさ、検討がしやすくなるように、様々な機能や情報を拡充していきます。今後も、ユーザーに寄り添いながら、ともに理想の住まい探しを実現します。
居住支援法人メイクホームグループについて(URL:
https://makehome.jp/)
会社名:居住支援法人メイクホームグループ
所在地:東京都足立区東綾瀬1-4-11 パルローヤル1F(本社)
代表者:代表取締役社長 石原幸一
事業内容:総合不動産・売買・賃貸・賃貸管理等
設立:2010年1月
株式会社LIFULLについて(東証プライム:2120、URL:LIFULL.com/)
LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。
現在はグループとして世界63ヶ国でサービスを提供しており、主要サービスである不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」をはじめ、空き家の再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。
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