【あいち2022】先端建築技術と常滑市の歴史風土を融合させた、リアルタイムで表情を変える屋外インスタレーション【愛知県常滑市】

株式会社モンタージュ

2022年8月19日 13時19分

2022年7月30日より10月10日まで愛知県常滑市にて開催中

株式会社モンタージュ(東京都世田谷区)は、在日スイス大使館とスイス連邦工科大学チューリヒ グラマツィオ・コーラー研究室、東京大学 工学系研究科 建築学専攻 T_ADS 小渕祐介研究室が開催する「Kizuki-au 築き合う Collaborative Constractions」 において、2つのデジタルファブリケーション建築を包む空間演出を担当しました。





これは「Kizuki-au 築き合う Collaborative Constractions」というコンセプトのもと、先端テクノロジーによって作られた二つの構造物と常滑市の歴史、風土を融合させ、新しい建築と歴史ある土地の感性との結び付きを示した屋外インスタレーションです。会場の敷地の境界に沿ってミストと照明と夏草で緩やかな「垣根」をつくり、敷地内の風力センサーで常滑の丘に吹く風をセンシングしてリアルタイムに空間の表情を変えていきます。これは、ミストによって温度を下げるだけでなく、日本古来の風鈴や花火のように五感で「涼を楽しむ」ことを意図しています。

今回使用したPanasonicの二流体ノズルによる極微細なミスト「シルキーファインミスト」は、粒子径が細かいことで気化が速く近づいても濡れにくく、空間に漂いやすいという特徴を持っています。これにより、イタリアで行われたMirano Salone2018や東京ドームシティで開催されたイベント「かいじゅうのすみか」、ドバイ国際博覧会の日本館など、暑さ対策だけでなく演出装置としても多分野で活躍しています。





敷地内に散りばめられたPanasonic社製のスピーカー16台と24台のLED照明、そして隣接する常滑焼の陶芸窯の煙突に設置された投光器は、風力センサーからの数値を元にDMX制御で連動しながらリアルタイムで変化していきます。古常滑から着想した「空」「風」「火」「水」「地」というモチーフを色相環に当てはめた照明演出で常滑に吹く風を可視化し、常滑焼を作る際に発生するさまざまな音や、スイスの自然が奏でる環境音をサンプリングしたアンビエントな音響は、常滑焼の土管の中に仕込まれたスピーカーから独特な反響音となって空間に響きます。これは江戸時代末期から土管と共に生きてきた町、常滑という場所だからこそ生まれた音響演出です。

ミストと照明、夏草を残すことで作った敷地境界のゆるやかな「垣根」は、風の変化や時間の経過によって表情を変えます。ディレクターの落合は、「光・ミスト・夏草が作る境界が、この建築空間と此処から望む常滑との緩やかな結びつきを示す垣根となる様に設計しました。秋口には夏草が秋めいて垣根が表情を変えていく。湿度や気温も変化し全く違う景色になる。そんな、この場所がもつ自然の力・自然と共に歩んだ歴史が、2つのデジタルファブリケーション建築と結びついていく。数ヶ月の時間をかけて、融合していくようなインスタレーションにしたいと考えました。」と話します。












このプロジェクトは、2018年にイタリアのミラノで行われたMilano Saloneで「シルキーファインミスト」と映像を組み合わせたPanasonic主催のインスタレーション「Air Inventions」を演出しBest Tecnology賞を受賞、そして2021年10月から2022年3月まで行われていたドバイ国際博覧会の日本館でも同じミストを使った空間演出を担当し、BIEアワード展示部門で金賞を受賞したチームが空間演出を担当。ミストと照明、音響を組み合わせた空間演出の経験とノウハウをいかしながら、濡れにくく漂いやすいという「シルキーファインミスト」の特性も考慮して構築した屋外インスタレーションです。




「Kizuki-au 築き合う Collaborative Constractions」は建築におけるデジタルプロセス、人とロボットとの協働、技術的・文化的相互作用を追求するスイスと日本の協働プロジェクトです。国際芸術祭「あいち2022」の連携企画事業として在日スイス大使館とスイス連邦工科大学チューリヒ グラマツィオ・コーラー研究室、東京大学 工学系研究科 建築学専攻 T_ADS 小渕祐介研究室との共催でで2022年7月30日から10月10日まで開催しています。

■国際芸術祭「あいち2022」について
会期 : 2022年7月30日 (土) ~10月10日(月・祝)[73日間]
会場 : 愛知県常滑市
テーマ:STILL ALIVE
公式サイト:https://aichitriennale.jp/index.html

■「Kizuki-au 築き合う Collaborative Constructions」空間演出チーム
ディレクター:落合正夫(Montage Inc.)
プロデューサー:大田俊吾(Montage Inc.)
テクニカルエンジニア:赤川智洋(A-KAK)
サウンドデザイナー:中西宣人 (A-KAK)/唐神一樹
照明・音響機器協力:株式会社アス
プロジェクト公式サイト:https://vitality.swiss/ja




空間演出
落合 正夫 Masao Ochiai

1980年生まれ 東京都出身
CG デザイナー、VFX ディレクターを経て、プロモーション映像やインスタレーションの演出家として活動。ドバイ万博、ミラノデザインウィーク、モーターショウなど、国内外のプロジェクトに参加。
Tumblr:https://masiochiaio.tumblr.com/


株式会社モンタージュ プロフィール
1994年設立。国内外の大型イベント、アートインスタレーションを数多く手掛け、映像を基点とした空間演出、体験設計を行うクリエイティブスタジオ。PanasonicのシルキーファインミストとのコラボレーションではMilano Salone 2018 「Air Inventions」Best Tecnology賞、ドバイ万博日本館展示演出においてはExhibition Design金賞を受賞。土地や人の持つ歴史や背景、感性などを演出として昇華し、新たな体験を生み出し続けている。
公式サイト:https://montage.co.jp/


【本プロジェクトの空間演出に関するお問い合わせ先】
株式会社モンタージュ
制作部 プロデューサー 大田俊吾(Shungo Ota)
MOBILE:090-3200-9871 TEL:03-3303-9871
E-Mail:ota@montage.co.jp
Web:https://montage.co.jp/

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2022年8月19日 13時19分

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