「デザインのパワースポット」をコンセプトとしたオフィスのデザイン。
株式会社アートアンドクラフト(本社:大阪市西区、取締役社長:枇杷健一)は、「デザインのパワースポット」をコンセプトとした株式会社NASUの新オフィスが完成したことをお知らせします。ブランドコミュニケーションを得意とするNASUがコンセプトを策定し、アートアンドクラフトが不動産仲介、設計、施工を一貫してサポートする座組で新しいオフィスをデザインしました。
「デザインのパワースポット」がコンセプトのオフィスデザインの詳細
アートアンドクラフトは、一級建築士事務所であると同時に、宅建業者であり、工務店でもあります。 建築やインテリアの知識はもちろん、不動産取引にも幅広い知識をもって、住宅、オフィス、事業用不動産のリノベーションを一貫してサポートします。今回は、ブランドコミュニケーションを得意とする株式会社NASUさんの新オフィスの設計を行うにあたり「デザインのパワースポット」というコンセプトを代表の前田さんからいただきました。ジャングルジム、ハンモック、足ツボゾーンなど、通常のオフィスでは見かけない什器を計画することになり、柔軟な発想から生まれたアイデアを実現するにあたっての設計と施工のこだわりについてご紹介します。
茄子型のジャングルジム
NASUさんのロゴマークの茄子型ジャングルジムを設置しました。社名のNASU(ナス)という屋号は「為せば成る」に由来しており、ダジャレの意味合いもあって茄子型のロゴデザインとなっているそうです。天井の高さにバランス良く収めるために公園のジャングルジムよりも一回り小さい立方体で構成しています。単なるオブジェではなく、腰掛けられる機能を持たせた造形としたことで、新オフィスの映えスポットにもなっています。
ハンモック
執務スペース付近の天井に張り巡らされているハンモックは前田さんからデザインを俯瞰する装置として提案いただきました。NASUさんの社内では「天空ネット」と命名されているようです。同じような事例がほとんどないため、増築や階に該当しないような設えを消防署や建築指導部に確認しながら進めました。茄子型ジャングルジムからよじ登ってアクセスします。人が乗ることもできるアスレチックネットで施工しているので、本当にハンモックのように寝ることもできます。
グリッドのある壁
執務スペースの一角にはグリッドのある大きな壁面があります。ハンモックは概念的な装置ですが、こちらは実用的な装置です。「作ったデザインを俯瞰して見るための広い壁が欲しい」「NASUのロゴマークは、格子状のグリッドで構成されているので、四角いマグネットを貼ることで、ロゴマークを再現できるような壁が欲しい」と当初から前田さんより要望をいただいておりました。インクで線を引くことも考えましたが、それでは線をきれいに表現するのが難しいため、グリッドを印刷したシートの下に鋼板を仕込み、マグネットを貼ることができる仕様にしています。
足ツボゾーン
「脳に刺激を入れるための足ツボエリアが欲しい」と前田さんからご要望いただきました。いろいろな方法を思案しましたが、最終的には市販の足ツボマットを数枚購入し、石の部分だけを取り外して使うことにしました。市販の足ツボマットはカラフルな物が多くNASUさんのオフィスの雰囲気に合わせて、オレンジとグレーだけ使うことに。石の密度は見た目の美しさと足ツボへの刺激のバランスをみながら現場で試行錯誤しました。
シャワー
弊社では「寝泊まりできるオフィス」をコンセプトとしたシャワーブースを備えたオフィス設計の事例が多数あります。ですが、前田さんは「アイデアシャワー」とネーミングされ、泊まるためではなくアイデアを生み出すための装置として意図されていたので、お湯と一緒にアイデアが降りそそぐよう願いを込めてオーバーヘッドシャワーを採用しています。
ギャラリースペース
執務スペースは白を基調とした空間。ギャラリーはそれとは別の空間であることを示すため床、壁、天井ともに黒一色でデザインしました。円形のベンチは8つに分割でき、トークイベント時などは8つの椅子として用いることも可能となっています。「ギャラリーのあるオフィスにしたい」「収納スペースがたくさんほしい」の両方のご要望を叶えるため、両サイドの壁と正面の壁に収納スペースを設けています。
キッチン、カウンター
給湯室は執務スペースとギャラリーの間にあります。また、NASUさんはコミュニティやイベントを開催されることが多く、人の出入りが多いので給湯室にはカウンターの併設をご提案しました。NASUで働くみなさんや来社される方々でコミュニケーションが生まれることを期待しています。壁面の「POWER SPOT」という文字は前田さんにグリッドでデザインしていただき、モザイクタイルで施工しています。
曲線の照明
NASUさんの新オフィスは、螺旋階段を上ったエントランスから入ると執務スペース、ギャラリー、会議室と3つの方向に分かれています。そこで照明も3つのゾーンへ誘導できるような曲線のものをご提案しました。NASUさんのホームページを見ると「パラレルワールド」という言葉がありました。聞くところによるとNASUさんの会社としてのバリューのひとつで「もしもこうなったら?のパラレルワールドを常に探す世界を絶えず想像する」ことを大切にされているのだとか、そこから着想して、3つのゾーンに誘う役割となればと考えました。
新オフィスのデザインに寄せて
株式会社アートアンドクラフト 川本美佳(担当設計者)
設計をご依頼いただくお客さまは、当然ですが、みなさん千差万別です。なので、その方の性格、雰囲気、表情を見ながら進め方を決めています。ご自身で全て決めたい方もいますし、相談しながら進めたい方もいます。前田さんの場合は、その中間で、方向性はご自身で決められますが、それをどう叶えるかについては一任していただきました。
デザイナーであり経営者でもある前田さんは多忙なので、テンポの良い打ち合わせを心がけ「これがNASUさんにとって一番いいです」の答えを持つようにしていました。そしてなにより、同じテンションでデザインする人を求められていると感じたので、前田さんに相乗りし、時には良い意味で悪ノリしながら私たちも一緒にデザインの過程を楽しみました。
ジャングルジム、ハンモック、照明計画など、NASUさんの新オフィスを通してはじめての挑戦がたくさんありました。うまく実現できるかどうかの不安や緊張もありましたが、それ以上に前田さん、NASUのみなさんの期待に応えたい、面白くしたいという気持ちが強くありました。加えて、こんな挑戦は、私の人生で何回経験できるかわからない貴重なことなので、お声がけいただいて本当に嬉しく思っています。
株式会社NASU 代表取締役 前田高志
今回のオフィスデザイン計画は、「1年以内に移転できたらいいなぁ」とゆるく進めていたものでした。ところが、すぐにおもしろい物件にご縁ありました。この物件を内見したぼくの感想は「正直、ここでオフィスのデザインのイメージが全くできない」とネガティブなものでした。他の物件を探そうと思いました。しかし、再度内見したときに、相談にのってもらっていたArts&Crafts上原さんが、「こんな面白い物件はなかなかないです。」と言っていて、たしかに、他でみるオフィスはだいたい四角で同じようなオフィスばかり、ここは特殊でした。弊社、NASUのユニークさにも通づるものを感じて契約することにしました。
Arts&Crafts、建築士の川本さんとの打ち合わせがはじまり、最初のプラン3案の図面を見せてもらった瞬間、鳥肌が立ちました。イメージが全くできなかったオフィスが、鮮明に頭の中にイメージが広がったのです。
打ち合わせにおいて、川本さんは「NASUさんは、〇〇だから、こっちのほうがいいです」
答えが明快でありがたかったです。ぼくはNASUでの仕事はクリエイティブディレクター。それと同じように、川本さんに無理難題の要望とコンセプトを投げかけると、それを見事に打ち返してくれました。
本当に難しかったと思います。オフィスのシンボルは、当初「空き地の土管」を作ろうとしていましたから。「童心ジャングルジム」「天空ネット」「足ツボ剣山」「落ち着きアロマツリーのベンチ」「フェチの隠し会議室」など、どれも一度も作ったことない未知の領域だったはずです。Arts&Craftsさんと一緒に組むことができて、Arts&Craftsさんに依頼して本当に良かったです。
ギャラリー部分に文字を入れてくださいと川本さんから言われました。ぼくは「Spread the Design!(広がれデザイン)」と願いを込めました。
弊社には、“デザイン文化を日本のお茶の間に広げる”というミッションがあります。このオフィスのコンセプトを「デザインのパワースポット」にしたのはそういう理由です。オフィスへの投資としては、弊社の規模感では破格の投資額となりました。しかし、弊社の商品は「良いデザイン」です。「良いデザイン」を生むためには、デザイナーにとって良い環境を作るのが経営者の役目ですし、デザインは苦しいものではなく、楽しいものだということを伝えたい!という想いもあります。
そして、まだまだ、このオフィスは完全体ではありません。これから、社員のみんなや応援してくれる方々といっしょに磨いていこうと思っています。
リノベーション設計、施工会社 株式会社アートアンドクラフトについて
1994年に設計事務所としてスタートし、大阪を中心に活動している、建築の設計施工・不動産の仲介およびコンサルティングの会社です。
“リノベーション”という言葉すらなかった20年以上前から、リノベーションという手法で「自分たちが暮らしたいと思える住まい」を追い求め、様々な選択肢を提案してきました。
特に、住まいやオフィス、そして宿泊施設など、都市に暮らす人々が長時間滞在する空間を、リノベーションで魅力的に再生させることを得意としています。
建築/不動産のプロだからできる「あたらしい何か」を提案し続ける会社でありたい。そう思っています。
デザイン事務所 株式会社NASUについて
ビジネスに「勝てるデザイン」を。株式会社NASUは、コンテンツの魅力を最大化し、ビジネスで結果が出る「勝てるデザイン」を提供するデザイン会社です。
NASU(ナス)という屋号は「為せば成る」に由来しています。「為す・成す」二つの言葉は辞書を引くと、同じ場所に書かれてあります。意味は「作り上げる」「築き上げる」。これはデザインをすることの意味に非常に近い。
誰かが成し遂げたい「夢」や「想い」をデザインの力で作り上げる。デザインは小さな気配りの集まりです。小さな一つのブロックを一歩一歩積み上げ、強固なブランドを築き上げていく。そんな風にお役に立てれば幸いです。
■株式会社NASU リノベーションオフィス概要:
住所:〒540-0033 大阪府大阪市中央区石町2丁目2-2 都住創石町ビル 203号室
移転開始日: 2022年9月7日
■会社概要
商号: 株式会社アートアンドクラフト
代表者:取締役社長 枇杷健一
URL:
https://www.a-crafts.co.jp/企業プレスリリース詳細へPR TIMESトップへ