シマダグループの不動産開発・分譲部門であるシマダアセットパートナーズ株式会社(東京都渋谷区、代表:佐藤悌章、以下 当社)は公益財団法人日本デザイン振興会主催「2022年度グッドデザイン賞」を2物件で受賞いたしましたので、お知らせいたします。本年度の受賞により、当社グループの「グッドデザイン賞」受賞は9年連続となりました。
葉山うみのホテル
グッドデザイン賞ページ
https://www.g-mark.org/award/describe/54203?token=5IZdHbwxAp【概要】
都心から車で約1時間の立地にある葉山において、海岸沿いに建つ役目を終えた企業の研修施設を再利用し、旅行者や地域住民、また介護を必要とする高齢者のための居場所として再構築した。住民に慣れ親しんだ築20年以上の建物を、ホテルと介護を主とした用途で再構成し、建物の価値向上と、ネットワークの拠点となる複合施設を目指した。
【背景】
企業の研修施設としての役目を終えた建物はいずれ廃墟化し、地元住民にとって負の遺産となってしまう。また観光地としての魅力も高い葉山だが、都心から車で約1時間の距離ということもあり、宿泊施設は数えるほどしかない。以前この研修施設は津波避難場所として町内会と協定を結び、集会所としても定期的に利用され、地域住民と良好な関係を築いてきた。現在の葉山の条例では、高さ制限が追加され同じ規模の建築は不可能であり、取り壊してしまうと、地域住民は避難場所や集会所としての場所を失ってしまう。建物を壊さず、住民に永く愛され続ける建物として未来へ継承するために、地域の活性化を目的とした宿泊施設の供給と、コミュニティの場として住民へ開放することが必要であると考えた。住民や旅行宿泊者、介護を必要とする入居者といった様々な人たちが葉山の環境と建物を共有し、ネットワークの拠点となる、街に開かれた建物を目指す計画とした。
【仕様】
敷地面積:10,145.23平方メートル / 建築面積:994.53平方メートル / 延床面積:2,254.44平方メートル / 構造:鉄筋コンクリート造陸屋根、地下1階地上6階建 /築年数:平成11年1月築 / 客室数 ホテル:20室 / 簡易宿所:41室 / 介護施設:58室 /カフェ/レストラン/公衆浴場/ デイサービス/駐車場:9台
【審査委員のコメント】
柔らかい光に満ちたホテルのラウンジのイメージからは、想像できない巧みなオペレーションと計画が実現されたプロジェクトだ。使用されなくなった研修施設をホテルに再生する取り組みは、全国でもよく行われているが、ここでは高齢者の介護施設が併設されている。ホテルとデザインのトーンも統一されたマリンテイストの明るい空間は魅力的だ。だが本当の価値はその先にある。介護施設を訪れたことがある人ならわかると思うが、家族に会いに来たのに訪問者の居場所がなく、家族とのゆったりとした時間を過ごす後が難しい。ここではホテルがあることで、入居者の家族は介護施設に来た、というよりも海辺のホテルに遊びに来た、という感覚で訪れることができ、宿泊して次の日も一緒に過ごすことができる。ホテルと介護施設両方ができるオペレーターの存在あってこその計画だが、全国に広がっていくと良いモデルだ。
白蓮居
グッドデザイン賞ページ
https://www.g-mark.org/award/describe/54066?token=4oePBWzo5U【概要】
nLDK戸建住宅の街並みに調和する、増加する単身世帯のためのnLDKに代わる住宅モデルである。家賃水準が低迷する都内では、地価や工事費が高騰する中、賃貸収益物件の事業性と居住性を両立させる計画が益々難しくなっている。白蓮居は一建物三分割という特徴的な形態によって、事業性と居住性を両立させている。
【背景】
戦後生まれた日本の住宅定型であるnLDKは、子供がいる核家族を想定した住宅モデルである。ところが、2020年の国勢調査では、単身世帯が全世帯数の約40%を占める一方、子供がいる核家族は約25%にまで減少していて、この傾向は今後も続くと考えられている。nLDKモデルは全世帯数に占める割合が最も多い単身世帯を想定していないので、単身世帯のための住宅モデルを考える必要があると考えた。一方、家賃水準が低迷する都内では、地価や工事費が高騰する中、賃貸収益物件の事業性と居住性を両立させる計画が益々難しくなっている。白蓮居は比較的地価が安い低層住宅地域内の崖地で、崖地を利用して最大ボリュームを確保、比較的工事費が安い在来木造工法で、遮音性などのデメリットを克服しながら、単身者のための居住性の高い『家』を計画することにした。
【仕様】
建物用途:集合住宅、規模:地下1階 地上2階建、構造:木造 一部鉄筋コンクリート造、敷地面積:130.90平方メートル 、建築面積:52.12平方メートル 、延床面積:169.47平方メートル (地下1階:67.12平方メートル 、1階:52.12平方メートル 、2階:50.23平方メートル )、建蔽率:39.82%(許容:40%)、容積率:78.19%(許容:80%)、住戸数:7戸
【審査委員のコメント】
核家族を想定したnLDKの限界を批評し、単純な木造ワンルームとは異なる形で、単身者向けの住宅を提案しようとする意欲作である。ひとつの建物を3つの棟に分け、棟と棟の間に専用階段を設けることで、プライバシーを確保し、周辺の家並みと馴染ませながら、新たな住み方・住環境を生み出していることに評価が集まった。平均地盤面を調整しながら容積率緩和を活用して最大ボリュームを確保した点、内部階段と外部階段を巧みに使い分けながら専用面積を調整した点など、事業性を確保するためのアイデアをふんだんに盛り込むことにより、個別解にとどまらない単身者住宅の事例を生み出そうとする姿勢が、さらに評価を高めたように思う。
グッドデザイン賞とは
グッドデザイン賞は、1957年に創設された「グッドデザイン商品選定制度(通称Gマーク制度)」であり、以来約60年にわたって実施されています。
「Gマーク」は創設以来半世紀以上にわたり、「よいデザイン」の指標として、その役割を果たし続けています。日本で唯一の「総合的なデザインの推奨制度」です。
■グッドデザイン賞ホームページ:
https://www.g-mark.org/企業情報
シマダアセットパートナーズ株式会社は、1960年創業のシマダハウス株式会社より2007年に不動産開発・分譲部門が分離・独立して誕生しました。戸建て・共同住宅などの居住用建物からホテル、介護施設、保育園など幅広い建築をおこなっている総合不動産総合ディベロッパーです。
土地の仕入れから設計・建築を担い、その建物の運営は同じシマダグループが担当します。大切に考えているのは、住む人にとって、利用する人にとって、「いい時間(とき)」が流れること。そのために私たちは、建てて終わりではなく、土地の仕入れから、建築設計そして運営まで、その土地に「いい時間」が息づくまでをデザインします。
会社名:シマダアセットパートナーズ株式会社
設 立:2007年11月
資本金:1億円
売上高:71億(2021年10月実績)
従業員数:グループ連結962名・単体27名
事 業:不動産開発事業
シマダアセットパートナーズ株式会社 WEBサイト:
https://shimada-sap.co.jpシマダグループについて
シマダグループは1952年、世田谷区にある一軒の精米店から始まりました。この「島田精米店」を礎に、日本の米食文化の変化に対応すべく、国産米麺(フォー)を主とした飲食店「コムフォー」を開店。その後、戸建事業・賃貸管理事業といった不動産・建築事業から、介護施設の展開・ホテル事業・保育事業・旅行事業・酒造事業など、社会のニーズにあわせ事業形態を変化させ、現在では7事業を展開しています。
シマダグループ WEBサイト
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