第一園芸、2022年の花き業界の変化をレポート

第一園芸株式会社

2022年12月16日 19時17分

コロナ禍の生活が定着、店頭人気は落ち着いた色から華やかな色の花に変化/結婚式などのセレモニーはコロナ前の水準に復調の傾向

花と緑に関する事業を展開する第一園芸株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:伊藤昇、三井不動産グループ)は、コロナ禍における2022年の花き業界の変化をまとめました。


原燃料高と円安に伴う価格高騰の波は切花にも及ぶ。店頭では落ち着いた色の花よりも華やかな色が人気

2022年の切花の平均価格は前年比14%上昇しました。国内では肥料などの原材料費の高騰、加温栽培を行う際に必要な燃料費、輸送費などが切花の価格に反映。また、輸入品のカーネーション、バラ、菊類などは円安、輸送費の高騰により価格が上昇したと考えられます。








※「市場統計情報(~2022年1~10月)」(東京都中央卸売市場)より当社作成

〈染めた花ならではの魅力を発見/デザイナー:志村紀子〉



店頭では、2022年になってからホームパーティーや日常に飾る自家需要が増加していると共に、お買い求め頂く合計金額が3割程度高くなったように感じます。

ご注文頂く花の色にも変化があり、コロナ禍での生活が定着したためか、安らぎを感じるような落ち着いた色の花よりも、気持ちが華やぐような色でのご注文が増えました。そうしたご注文の際に最近よく使うのが「染めた花」です。ターコイズブルーなど、染めた花にしかない発色が魅力的で、明るい色でまとめたブーケのアクセントとして加えています。特に若い方は染めた花に抵抗が無く、ファッションの一部のような感覚ですんなり受けいれていただけているようです。

輸送コストの高い大型の花*が前年に比べ高騰、セレモニー需要が復調で白色系の花が伸びる

2022年に平均価格が上昇した花を類別に見てみると、輸送コストが高い大型の花(ストック類、グラジオラス類、かすみ草類)と、加温が必要な花、または輸入の多い花(洋ラン類、バラ類)であることがわかりました。
花の品目別に上昇率を見てみると「小輪グラジオラス」が取扱数量134%、取扱金額160%(何れも前年比)と大きく伸びています。コンスタントに出荷される花ではありませんが、他の花にはない姿に引き合いが多く、注文品として需要が高まったと考えられます。また、どのカテゴリーにも白色系の花が上位に入っていることから、セレモニーの需要が復調していると考えられます。
*大型の花:重量が重い/サイズの大きな花






※「市場統計情報(~2022年1~10月)」(東京都中央卸売市場)より当社作成
※取扱数量5,000本以下は除く

〈セレモニー需要が復調傾向、装飾は長期間飾れるアーティフィシャルフラワー増/装花担当:椎野大祐〉
結婚式やお別れ会といった、人が集まるセレモニーが復調傾向にあります。ご婚礼では白い花に限らず、ナチュラルな雰囲気や、ドライな印象の花を使った装花の人気が定着したようです。一方、お別れ会などでは白を基調にした、落ち着いた重厚感のあるデザインをご依頼されることが多い印象です。

オフィスや展示会などに飾るためのアレンジメントは生花のみならず、アーティフィシャルフラワーでのご提案や依頼も増えました。オフィスでは長期間飾れることが好まれ、アーティフィシャルフラワーをあえて選ばれる場合があります。展示会などではより大型で個性的なデザインなど、アレンジメントの枠を超えた、オブジェともいえる花のご依頼に応えるために生花、アーティフィシャルフラワーを区別することなく使用して、ご好評をいただいています。


観葉植物の品薄状況が解消、出荷は通常サイクルに戻り需要が定着

コロナ禍で、癒しを求めインテリアとして観葉植物を育て始める方が増え、2021年は観葉バブルともいえるほど人気が出た観葉植物ですが、2022年になると取扱数量、金額、平均価格ともにコロナ禍前の2019年と近しくなりました。これは最も取扱数量の多かった2021年は需要拡大に対し生育サイクルが合っていない状況だったのが、2022年は2019年と同じ94%となり、通常の出荷サイクルに戻ったことによるといえます。

当社が8月に行った調査では、全体の4割が「1~2年以内から観葉植物がある」*と回答するなど、需要は引き続き好調で観葉植物の人気が定番化していきたと考えられます。




※「市場統計情報(~2022年1~10月)」(東京都中央卸売市場)より当社作成




※〈第一園芸調べ〉観葉植物に関するアンケート調査結果(2022.8.1付リリース)

〈観葉植物の市場サイクルが整う。自然・個性的な樹形が人気/鉢物仕入担当:鈴木智子〉
2021年は観葉植物の品薄状態が続いていましたが、2022年5月頃から注文品が順当に入荷するようになり、市場サイクルが整ってきたように思います。品種では複数お持ちの方などには自然な樹形の「シェフレラ」や、根と幹の形も楽しめる「ガジュマル」など個性的なスタイルが人気。初めて購入される方は「サンセベリア」などの育てやすく省スペースな品種が選ばれています。

また、母の日ではコロナ禍で直接会えない方がオンラインショップで花や、花とお菓子などのセットを購入する傾向が継続。コロナ禍以降、鉢植えの赤いカーネーションの人気が復調し、定番品への原点回帰傾向を感じています。


規格外の花を活用した取り組みが活発に

当社では生産された花の廃棄の減少による環境改善と、生産者の方々の健全な利益の継続の役立てることを目的として、規格外の花を「ユニークフラワー」と呼び、花の装飾などに使用する取り組みを行っています。

<life with flower>



「life with flower」は出社時に選んだ花をご自身のデスクに飾り、その花を持ち帰って今度はご自宅で花を楽しんでいただく試みで、花のある日常を提案することで、オフィス価値の再構築とワーカーのウェルビーイング向上を図るプロジェクトです。2022年は3回実施し、用意した花があっという間になくなるほど、ワーカーの皆さまからご好評を頂く人気イベントとなっています。


<ユニークフラワーを活用した「フラワーエールプロジェクト」>



三井不動産グループ国内21か所の「ザ セレスティンホテルズ」「三井ガーデンホテルズ」で、ユニークフラワーや花の価値を維持しながらも廃棄される花を積極的に使用して、水盤や水を張った器に花を浮かべたフラワーデコレーションで最後まで大切に使い切る「フラワーエールプロジェクト」を行っています。


■第一園芸株式会社 概要
第一園芸は、花と緑のプロフェッショナルとして創業124年を迎える、三井不動産グループの企業です。店舗やオンラインショップでの個人/法人向け商品の販売、婚礼装花、オフィスビルや商業施設などの都市緑化や公園・庭園などの造園・管理を手がける緑化事業、季節の空間装飾事業など、幅広い事業を展開しています。今後も第一園芸は、花と緑に囲まれ豊かで潤いのある、そして持続可能な社会の実現を目指して挑戦しつづけます。

所在地:東京都品川区勝島1丁目5番21号 三井物産グローバルロジスティクス勝島20号館
代表者:代表取締役社長 伊藤昇
創業:1898年(設立1951年)
資本金:4億8千万円
株主:三井不動産株式会社(100%)
URL: https://www.daiichi-engei.jp/

■三井不動産グループのSDGsへの貢献について
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/esg_csr/
三井不動産グループは、「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、人と地球がともに豊かになる社会を目指し、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を意識した事業推進、つまりESG経営を推進しております。当社グループのESG経営をさらに加速させていくことで、日本政府が提唱する「Society5.0」の実現や、「SDGs」の達成に大きく貢献できるものと考えています。

《本件に関する報道関係からのお問い合わせ》
第一園芸株式会社 ブランド推進部 石川
Tel:03-6404-1501 / Mail:info_pr@daiichi-engei.co.jp

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2022年12月16日 19時17分

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