4/26(水)~5/2(火)「ムラーノガラスと暮らす - Living with Murano Glass -」in 日本橋三越
4/26(水)~5/2(火) の期間、日本橋本店 本館にて、三越創業350周年を祝う〈イタリア展〉に日本で初めてのムラーノガラスの専門店としてスタートした<chisa(チサ)>が出展する。それに際し、イタリア大使館貿易促進部の協力のもと、ヴェネチア沖に浮かぶガラスの島、ムラーノ島における鏡製作の名門、 AAV Barbini(エーエーヴィ・バルビーニ)工房よりニコラ・バルビーニ氏が来日することが決定した。期間中は店頭にて、彼の得意とするグラヴィール(ガラスの表面をグラインダーで削って模様を描く技法)のデモンストレーションが予定され、その場でオリジナルミラーのカスタムオーダーが可能。混雑状況によるが、今年キャリアスタートから40周年となるchisa代表小瀧千佐子によるアドバイスも受けることができる。
ムラーノガラスとは、北イタリア、ヴェネチアの小さな島、“ムラーノ島” でごく限られた職人の手によって一点一点生み出される「炎の芸術」である。
約1,000年に渡り受け継がれてきたガラス工芸品は、一般的にヴェネチアンガラスと呼ばれ、土地の名前が入ったイタリアの伝統工芸品といえる。
「ガラスの島」とも呼ばれ、現在もガラス工房が密集するムラーノ島の歴史は少々特殊である。ヴェネチアがまだヴェネチア共和国という一つの国だったころ、共和国にとって高価なガラス工芸品は重要な交易品であった。その高度なガラス技法が国外に流出することをふせぐために、13世紀末、共和国政府はすべてのガラス職人とその家族たちをムラーノ島に幽閉した。その結果、小さな島の中で次々と新しい技法が開発され、唯一無二のガラスとして世界中の賞賛と憧れの的となり、ムラーノガラスの名は世界のガラス史上に輝くこととなった。
しかし、ムラーノガラス職人の仕事は過酷なもので、継承者は年々減りつづけ、現在のムラーノ島の上級職人(マエストロ)の数は非常に少なくなっている。
さらに、近年のコロナ禍による観光客の激減、ロシアのウクライナ侵攻による燃料代、特にガス代の高騰によって、窯を焚き続けることができず閉鎖に追い込まれる工房が後を絶たない。一時は栄華を極めたムラーノガラスの現在の状況はかつてないほどに悲壮と言っても過言ではなく、長く培われた匠の技術と伝統の灯にもかげりが見られ、上級職人の手で生み出されたムラーノガラスは日々稀少価値が高くなっている。
AAV Barbini工房
AAV Barbini(エーエーヴィ・バルビーニ)工房は、板ガラスにグラヴィールを施すヴェネチアンミラーの技術に優れ、鏡の製作において現在ムラーノ島で最も古い歴史を持つ工房である。
「バルビーニ」という名前は、ムラーノガラスの歴史上、大変重要な名前で、16世紀後半からムラーノに存在するガラス職人の家系である。17世紀にはすでに鏡を製作していたことが知られており、1665年当時のバルビーニがフランスのルイ14世に招かれ、かの有名な「ベルサイユの鏡の間」の創設に貢献し、その出来栄えはヨーロッパ中の王侯貴族から賞賛と羨望の的となったことはムラーノガラスの歴史においては有名な話である。18世紀にはムラーノで最高の鏡を作る家族との評価を受け、その技術は一族の中で代々受け継がれてきた。
AAV Barbini工房自体は先代のニコロ・バルビーニが1927年に会社として設立したが、その技術は長いバルビーニ一族の歴史の中で培われてきたものと言っても過言ではない。現在は彼の息子であるヴィンチェンツォ、ジョヴァンニ兄弟が工房のオーナーとなり、技術を一族に継承し、発展を続けている。
今回来日するのは、ヴィンチェンツォ・バルビーニ氏の息子で若きマエストロ、ニコラ・バルビーニ氏である。
ニコラ・バルビーニ/Nicola Barbini
AAV Barbini工房のオーナーであるヴィンチェンツォ・バルビーニ氏の息子、ニコラ・バルビーニ氏は、今日、ムラーノで働く最年少のガラス彫刻家。ガラスの芸術性に触発され、高校卒業後に工房で働き始めた。
ヴェネチアンミラーのグラヴィールと鏡の装飾デザインを専門としており、34歳の若さで工房でのグラヴィールに関しては彼がリーダーを務めている。知識に貪欲で新たな手法や機材などを進んで取り込み、工房を盛り上げているメンバーの一人で、今後の活躍にも大きく期待をされている。
今回は会期中、会場にてマエストロが実際のグラヴィール装飾の様子を実演。
スタッフのサポートがつくので、AAV Barbini工房のカタログからマエストロに直接日本で取り扱いのない商品を注文したり、フレームの形、色や装飾デザイン、図案を選んで自分だけのオリジナルデザインの鏡をオーダーすることも可能。この機会に、理想の鏡を手に入れてみてはいかがだろうか。
開催概要
■タイトル:三越創業350周年記念×chisa ムラーノガラスと暮らす - Living with Murano Glass -
■会期:4/26(水)~5/2(火)
■場所:日本橋三越本店 本館5階 スペース#5
■内容:20世紀のヴェネチアンガラスの研究家でありコレクターでもある小瀧千佐子の貴重なアーカイブコレクションをはじめ、華やかな春を感じる新作のテーブルウェアや花器、そして今回来日のAAV Barbini工房が制作したオリジナルの鏡などを出展。
また、今回は特別に三越350周年を記念して制作された数量限定、オリジナルデザインの手塩皿が登場。
ムラーノガラスのマエストロの作品やムラーノ島の工房での写真なども展示して、ガラス工芸の魅力を発信する予定。
★ニコラ・バルビーニ氏(グラヴィール職人)特別デモンストレーション
■会期:4/26(水)~5/2(火)1週間 11:00~17:00 *休憩で離席あり
■内容:<AAV Barbini 工房 /エーエーヴィ・バルビーニ)>所属のマエストロ、ニコラ・バルビーニ氏による板ガラスにグラヴィール装飾を施す実演を行う。マエストロとオーナーの小瀧千佐子と相談をしながら、世界に1点だけの特別な鏡をオーダーすることも可能。(オーダー価格目安:50万円(税抜)~、納期:半年~1年)
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