総務省統計局の『平成30年住宅・土地統計調査』によると、日本の空き家の数は過去最多の848万9千戸に上り、全国の住宅の13.6%を占めています。少子高齢化や人口の流動性の変化が進むなか、空き家問題は今後も増加が見込まれ、対策の強化が求められています。
今回、空き家再生事業を展開する和工房株式会社(代表取締役:松久保 正義)は、愛知県、岐阜県、三重県における空き家所有者200名を対象とした「空き家の実態調査」を実施しました。
調査概要
●調査主体:和工房株式会社
●調査対象:愛知県、岐阜県、三重県で現在空き家を所有している20-79歳男女
●有効回答者数:200名
●調査期間:2023年3月
●調査方法:インターネット調査
●実査委託先:楽天インサイト株式会社
【調査結果の利用条件】
Webサイト等で調査結果をご利用の際は、出典として「和工房株式会社」と明記してください。
調査結果のトピックス
●空き家所有者の5割近くが、空き家をそのまま放置している
●空き家を放置している理由のトップ3「困ることがない」「活用方法がわからない」「価値がなさそうだから」
●空き家所有者の6割以上が、固定資産税等の税金負担に課題を抱えている
●空き家の維持・管理にかかる年間費用は、半数が10万円未満、一部の所有者は30万円以上
調査結果
「現在お持ちの空き家はどのような状況になっているか」という調査の結果、「空き家のまま放置(46.0%)」、「自分で管理(36.5%)」、「外部に管理を委託(7.5%)」、「売却予定(5.0%)」、「その他(3.5%)」、「更地にして放置(1.5%)」となりました。
空き家を自分で管理している所有者が存在する一方で、空き家のまま放置している、または更地のまま放置している状況にある所有者が多く見られました。
「空き家または更地をそのまま放置している理由は何ですか」の調査では、「特に放置していて困ることがないから(32.6%)」、「活用したいがどうしたら良いか分からない(23.2%)」、「活用できるような価値がなさそうだから(21.1%)」、「他人に売りたくない(20.0%)」、「遠方に住んでいて管理ができない(15.8%)」、「活用したいが修繕や改修などの費用を捻出できない(14.7%)」、「売却しようとしたができなかった(9.5%)」、「その他(6.3%)」、「他人に貸したくない(5.3%)」、「相続人が複数いて話がまとまらない(4.2%)」、「賃貸物件にしようとしたができなかった(3.2%)」となりました。
空き家や更地が放置される理由は多岐にわたりますが、所有者が最も多く放置する理由は「特に放置していて困ることがないから」というものです。これは、所有者にとって空き家がもたらす潜在的な問題やリスクに対する意識や認識が低いことが推測されます。
「空き家を放置することで抱えている課題は何ですか」の調査結果では、「固定資産税等の税金(62.1%)」、「管理、改修、修繕等の諸費用(38.9%)」、「火災等の防犯(31.6%)」、「空き家被害(18.9%)」、「特に課題に感じている部分はない(15.8%)」「近隣住民からのクレーム(12.6%)」、「火災被害(10.5%)」、「その他(2.1%)」となりました。
空き家を放置することで抱える課題の中で、費用面が大きな懸念事項となっていることが明らかになりました。特に、「固定資産税等の税金」が62.1%と最も多く挙げられており、空き家所有者にとって税金負担が重いことがわかります。
「空き家に対して年間で掛かっている費用はいくらですか」という質問では、「10万円未満(50.5%)」、「10万円~20万円未満(31.5%)」、「20万円~30万円未満(10.5%)」、「30万円以上(7.5%)」となりました。
この結果から、空き家の維持・管理にかかる費用は所有者ごとに異なることがわかります。
約半数の所有者は年間10万円未満で管理しており、一方で一部の所有者は30万円以上の費用がかかっていることが明らかになりました。
※年間費用:固定資産税、火災保険、管理費、交通宿泊費、庭木の伐採、修繕費等
「政府が空き家対策の強化を推進していることをご存じですか」の調査では、「よく知っている(10.0%)」、「なんとなく知っている(31.5%)」、「聞いたことがある(24.5%)」、「知らない(34.0%)」という結果になりました。
空き家対策の強化に関する政府の取り組みは、ある程度の認知度があるものの、まだ完全には浸透していない状況が見受けられます。
空き家問題に対する政府および自治体の動き
近年、政府や自治体は、増加傾向にある空き家の問題に対処するために、法律や制度を整備し、対策を強化しています。
【1】空家対策特別措置法(空家特措法)の一部改正
「空家対策特別措置法(空家特措法)」は、平成27年(2015年)に施行された法律で、空き家による社会的・経済的問題や安全上のリスクを軽減することを目的としています。倒壊の危険性がある、衛生上有害である、または周辺の生活環境を著しく乱す空き家などは「特定空き家」として認定され、行政による指導や命令の対象となっています。
「空家対策特別措置法(空家特措法)」は、令和5年(2023年)3月3日付で一部改正が閣議決定されました。
改正前は、空き家でも住宅用地特例により固定資産税が減額される対象でしたが、これが空き家の放置問題につながっているとの指摘がされてきました。この改正により、いずれ「特定空き家」となる可能性がある空き家も「管理不全空き家」として認定され、住宅用地特例の対象外となります。
■住宅用地特例とは
一定の条件を満たす住宅用地に対して適用される、固定資産税の軽減措置のこと。特例が適用されると、住宅用地の評価額が減額され、固定資産税の負担が軽くなります。
出典:
国土交通省『空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報』(
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html)
国土交通省『空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案』を閣議決定(
https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000160.html)
【2】全国初、京都市における「空き家税」課税制度が導入
京都市では、空き家や利用されていない別荘など、いわゆる非居住住宅の有効活用を促進するため、令和8年(2026年)以降、全国初となる非居住住宅への課税制度の導入を進めています。具体的には、非居住住宅の所有者に対して、家屋の固定資産評価額の0.7%が「非居住住宅利活用促進税」として課税される予定です。
■非居住住宅利活用促進税の税率
出典:京都市情報館『非居住住宅利活用促進税の導入に向けた取り組み』(
https://www.city.kyoto.lg.jp/gyozai/page/0000296672.html)
調査結果の総括
今回実施した空き家の実態調査の結果から、所有者の約半数が空き家を放置しており、税金負担が深刻な悩みとなっていることが明らかになりました。また、政府の空き家対策強化への取り組みはある程度知られているものの、まだ十分に浸透していません。
政府と自治体が法律や制度を整備し、空き家対策を強化している中で、空き家を適切に管理しないまま放置すると、老朽化や倒壊の危険性によって安全性が低下し、不動産価値も低下する可能性があります。さらに、空き家所有者は管理責任があるため、近隣の建物や通行人に被害を及ぼした場合、損害賠償を求められる可能性があります。
これらの調査結果や政府の動き、所有に伴うリスクを踏まえて、空き家の所有者は空き家問題に対する意識と認識の向上とともに、動向を見極めた適切なタイミングで空き家の売却や活用方法を検討することが重要です。
空き家借り上げ運用代行サービス『ヤモタス』
「空き家をこのまま放っておいて大丈夫なのか不安」
「空き家を活用したいけど、どうすればいいか分からない」
「活用するにも、改修するお金がない」
『ヤモタス』は、空き家所有者が直面する課題に対処するために、東海エリアを対象に空き家の借り上げ運用代行サービスを提供しています。
未利用の空き家を有益な資産に変え、収益源として活用可能にし、さらに無料の改修工事で物件価値も向上させます。
空き家問題や相続問題の解決に貢献するだけでなく、既存物件の効果的な活用により環境改善にも繋がるサービスです。
和工房株式会社について
会社名:和工房株式会社
所在地:〒475-0914 愛知県半田市土井山町1丁目200番地
代表者名:代表取締役 松久保 正義
事業内容:不動産事業、空き家再生事業、セミナー事業、住宅リフォーム事業
設立 :2013年9月
会社ホームページ:
https://nagomikoubou.co.jp/お問合せ先
担当者名:松久保 正義(まつくぼ まさよし)
連絡先:0569-58-0946
メールアドレス:info@yamotas.com
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