フリーランスの約2人に1人が「フリーランスを理由に賃貸物件探しで困ったことや苦労したことがある」と回答
事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(ライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井上高志、東証プライム:2120、以下「LIFULL」)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」は、過去5年以内に賃貸物件を探したことのあるフリーランスを対象に「フリーランスの住まい探し実態調査」を実施しました。
「フリーランスの住まい探し」調査の背景
ライフスタイルや働き方の多様化に伴い、フリーランスとして働く人は1,500万人を超えました※。一方、フリーランスは賃貸物件を借りる際に壁にぶつかりやすいと言われています。物件のオーナーや管理会社、保証会社等が、収入の安定性や個人の信用力に懸念を示すことが多いためと推察されます。フリーランスが増えるなかで、生活や仕事の基盤となる住まいを確保しにくい現状は、社会課題となっています。
そうした背景から、住まい探しに困難を抱える「住宅弱者」に対して、親身になって住まい探しの相談に応じる不動産会社を検索できるLIFULL HOME'Sの取り組み「FRIENDLY DOOR」では、当事者へのヒアリングなどを経て、2023年4月17日に「フリーランス」を対象カテゴリーとして追加しました。
今回、フリーランスの住まい探しについて、収入額ではなく属性による差を把握するため、一定の収入(年収300万円以上)がある全国のフリーランスと正社員を対象に調査を行いました。それぞれ比較した結果、フリーランスが直面する賃貸物件探しの難しさが浮き彫りとなりました。
※ランサーズ株式会社「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」
https://www.lancers.co.jp/news/pr/21013/ 【TOPICS】
フリーランスの約2人に1人(46.5%)が「フリーランスであることで、賃貸物件探しで困ったことや苦労したことがある」と回答
会社員と比較して、フリーランスは「入居審査」や「物件の選択肢」に課題
フリーランスの約6人に1人(17.1%)が「賃貸物件を探したものの、契約に至らなかった」と回答。割合は正社員の2倍以上となっており、住み替えを希望しながらもあきらめざるを得ない現状がある
フリーランスの約2人に1人が「賃貸物件探しで困ったことや苦労したことがある」と回答
「フリーランス・個人事業主であることで、賃貸物件探しにおいて困ったことや苦労したことがあるか」尋ねたところ、一定の収入があるフリーランスのうち46.5%、約2人に1人が「ある」と回答しました。
会社員と比較して、フリーランスは「入居審査」や「物件の選択肢」に課題
賃貸物件探しの各フェーズ(賃貸物件の情報を収集する際、ポータルサイトで物件を探す際、不動産会社の店頭に訪れた際、契約をした際など)において、「困ったことや苦労したこと(複数回答可)」の割合をフリーランスと正社員で比較し、差分の大きい順に並び替えました。
その結果、上位3つは「入居審査に通るか不安だった(差分6.4%)」「自分の状況をどこまで開示すべきか分からなかった(差分4.8%)」「自分の条件に合う対象物件が少ないと感じた(差分3.9%)」となり、同程度の年収帯の正社員と比べ、フリーランスは「入居審査」や「物件の選択肢」に課題があることが分かります。
フリーランスの約6人に1人が「賃貸物件を探したものの、契約に至らなかった」と回答
「賃貸物件を探し始めてから契約までにかかった時間」を尋ねたところ、フリーランスの17.1%は「賃貸物件を探したものの、契約に至らなかった」と回答しています。フリーランスのうち約6人に1人が、住み替えを望みながらも断念している実態が明らかになりました。
正社員への同様の設問「賃貸物件を探したものの、契約に至らなかった」では、回答割合は7.7%。正社員と比べ、フリーランスは2倍以上の人が、住み替えを希望しながらも実現できていません。
フリーランスからは「入居審査」や「物件の選択肢の少なさ」に関するコメントが多く寄せられた
「フリーランスとして賃貸物件を探した際、困ったことや苦労したこと」を具体的に尋ねたところ、寄せられたフリーコメント174件のうち、55件が「物件の選択肢の少なさ」、23件が「入居審査」、15件が「不動産会社の対応」に関するものとなりました。賃貸物件探しのリアルな実態を表すエピソードが寄せられています。
<「物件の選択肢の少なさ」関連 >
「貸してくれる家主やマンションの管理会社が少なく、希望物件が見つからなかった」
「フリーランスだと、お手頃な物件は何故か契約しにくい感じだった」
「なかなか希望にあった物件がなかった。必須としている条件を無視した物件を紹介された」
「希望の物件が少なかった。審査に通らない」
<「入居審査」関連 >
「なかなか審査が通らなかった」
「フリーランスになることで、物件の審査に通るかが不安だった」
「審査に必要な書類が多かった」
「個人事業主をしていると話すと、具体的な仕事内容や収入についてかなり根掘り葉掘り聞かれた。あまりにしつこいので不安になっていると、『個人事業主の方だと家主さんが不安がるので、どのような人なのか安心して貸すことができるのか調べて教えなければならない』と言われた」
<「不動産会社の対応」関連 >
「自分の事をどこまで話すか迷った。フリーランスと分かった途端、不動産屋の担当者の対応が悪くなった気がした」
「ダブルワークの場合、合算の収入で評価してもらえるのか、はっきり分からなかった」
「借りようと思った物件に『先約がいるから』と言われ、かなり不快な対応をされた」
「希望した賃貸物件に対して、大家さんが自分たちとは別の希望者を選んだ」
「FRIENDLY DOOR」事業責任者 龔 軼群(キョウ イグン)のコメント
リモートワークが普及し、専門スキルを持ってフリーランスで活躍する方々が増えている現代社会において、”勤務先”という要素がまだまだ重要視され、住まいの選択肢が大きく左右される不動産業界は、時代の変化と逆行しているのではないでしょうか。
今回の調査で、一定以上の収入があるフリーランスの約2人に1人(46.5%)が「住まい探しで困難を感じた」という実態が浮き彫りになりました。一方で物件の空室率が上昇している現状は、社会構造の歪みと言えます。実際にフリーランスからヒアリングをしている中で、「安定収入があるにもかかわらず、入居審査が通らない」という声を聴き、FRIENDLY DOORでのカテゴリー追加を決めました。“フリーランス=不安定“という先入観がきちんと払拭されていけば、当事者・物件オーナー・不動産会社にとってWin-Win-Winな、良いサイクルが回り出していくと考えています。
しかし、フリーランスの約5人に1人(20.9%)が「相談できる不動産会社を探すのが難しかった」と回答しているのが現状です。親身に寄り添ってくれる不動産会社に出会えるよう、より多くのフリーランスの方々にFRIENDLY DOORを知っていただきたいと思っています。
調査概要
調査実施期間:2023年6月6日~6月19日
対象者: 過去5年以内に賃貸物件を探したことのあるフリーランス・正社員、各20~60代男女
調査方法: インターネット調査
有効回答数:660人(フリーランス:330人、正社員:330人)
「FRIENDLY DOOR」について(URL:
https://actionforall.homes.co.jp/friendlydoor)
高齢者、外国籍、LGBTQ、生活保護利用者、シングルマザー・ファザー、被災者、障害者、家族に頼れない若者、フリーランスなど、さまざまなバックグラウンドで住まい探しに困難を抱える方々に対し、親身になって住まい探しの相談に応じる不動産会社を検索できるサービスです。全国4800以上の賛同店舗を掲載しています。(2023年4月時点)
※「障害者」の表記について
当事者の方からのヒアリングを行う中で、「自身が持つ障害により社会参加の制限等を受けているので、『障がい者』とにごすのでなく『障害者』と表記してほしい」という要望をいただきました。当事者の方々の思いに寄り添うとともに、当事者の方の社会参加を阻む様々な障害に真摯に向き合い、解決していくことを目指して、「FRIENDLY DOOR」サイトの検索カテゴリー、および接客チェックリストでは「障害者」という表記を使用しています。
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https://www.homes.co.jp/)
LIFULL HOME'Sは、「叶えたい!が見えてくる。」をコンセプトに掲げる不動産・住宅情報サービスです。賃貸、一戸建て・マンションの購入、注文住宅から住まいの売却まで。物件や住まい探しに役立つ情報を、一人ひとりに寄り添い最適な形で提供することで、本当に叶えたい希望に気づき、新たな暮らしの可能性を広げるお手伝いをします。
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