(一社)日本和文化振興プロジェクト「第3回日本和文化グランプリ」結果発表

一般社団法人日本和文化振興プロジェクト

2023年9月29日 11時00分

◆「第3回日本和文化グランプリ」結果発表
「第3回日本和文化グランプリ」結果を2023年09月29日(金)に発表しました。
各分野の企業、協会、自治体が協業し、持続可能な日本の和文化発展の仕組みを構築・確立するため、2020年5月に設立した一般社団法人 日本和文化振興プロジェクト(所在地:東京都中央区日本橋、代表理事:近藤誠一)は、「第3回日本和文化グランプリ」を開催し、計10作品の受賞を決定いたしました。「日本和文化グランプリ」は国籍居住地、年齢を問わず、和文化に携わる企業・団体・個人を対象に、日本が誇る優れた作品を顕彰し、継続的な販売拡大のサポート等、日本の伝統文化と未来の伝統に繋がる現代の高度な技術やアートワークの持続可能な発展の仕組みを構築・確立する事を目的としています。 グランプリには東京藝術大学名誉教授 三田村有純氏を審査委員長にむかえ、芝浦工業大学名誉教授 建築家の堀越英嗣氏、能楽小鼓方大倉流十六世宗家 大倉源次郎氏など、各界で活躍する11名が審査委員を務め、栄えある10作品を選出いたしました。 今後は、授賞式、交流会(協賛、法人会員、審査委員、理事、アドバイザー、関係各社)を銀座「六本木順理庵」(junrian.com)で展示販売会を開催、ギャラリートークや、受賞作家とその作品の紹介と販売を海外にむけて行うWebサイト「Green Pheasant」(gp-j.com)からの配信等、受賞者に対しての需要拡大につながるフォローを具体的に実施することで和文化の担い手が持続的に活動できるよう継続してサポートいたします。また、本審査の模様を動画にて1 0月9日の公開を予定しています。



◆受賞評価総論
審査委員長 三田村 有純
第三回目も力作や話題作が揃いました。最後まで作者に関する一切の情報は隠された中で一次の書類選考から、実際の作品を見ての入選監査、そして授賞審査と進んでいきます。審査員個人が作品と対峙し、何度も投票を繰り返して絞り込んでいきます。最後の最後で審査員は作品の素晴らしさを発言した上で授賞者が決まります。審査員は様々な分野の方で構成されています。それぞれのお立場で捉えている和文化への想いが言葉となり、今回の結果となりました。審査会終了から発表までの期間が長いのは、その間にも受賞作品への様々な観点からの協議が続いているのです。審査員にも個人名、来歴は最終発表まで伏せられています。作品が発する力のみが全てを決めるのです。入選した作品はどれもが魅力があり、最後の受賞を争ったものです。出品していただいた多くの皆様に敬意を表する次第です。今回一次審査を通過した学生作品はどれもが力があり、未来への可能性を感じたことを記しておきます。和文化という言葉を聞いて皆様は何を思いだすのでしょうか。衣食住でも和服、和食、和室と言葉があります。この事業は固定観念での和文化を顕彰することではありません。現在を生きている方々と共に新たな和文化を創造したいと思います。新たな和文化は参加していただいた作品の中、関心を持っていただいた皆様の手に中にあるのです。作者が作り、和文化グランプリが伝え、皆様が使い、守り、次世代に伝える。ここから新たな和文化が生まれます。幅広く世界に共に手を携えて発信していきたいと思います。

◆グランプリの概要
募集テーマ:『伝統と未来』

◆受賞特典
・指定ロゴマーク使用権利の付与
・販路拡大のサポート
1 . ファッション、工芸、アート分野への推薦、並びに窓口紹介
2 . 海外向けサイトから作家、作品紹介及び販売
3 . 交流会、懇親会参加

◆次回グランプリ予定
募集テーマ:「伝統と未来」
応募期間 :令和5年12月中頃~令和6年5月31日

※最新情報は、HP・各SNSで随時発表予定
http://jcpp.jp/
https://www.instagram.com/jcpp_officiai



◆受賞結果
グランプリ/Grand Prix トロフィー・副賞 50万円
『KAKI』 竹工 / 中村 圭

【作品概要】KAKIはとても単純な構造ですが、置き方や向きによって違った表情が愉しめます。落としは真鍮製です。イメージに合うように、大阪のヘラ絞り職人さんとやり取りしながら製作しました。
【講評】この作品は、草花を愛でる容器そのもののデザインであるよりも、花を生ける空間、そして生活の美しさを作り出す演出装置として提案されていることが素晴らしい。一般的に西洋の空間では花器は存在感のある意匠でボリュームのある花束とともに美しいバランスと力強さで空間を引き締める主役の役割をもっていると思うが、一方日本において花器は嘗て千利休が提案した、お茶席における花と小さな花入れ、床の書等は、すべて訪れる客人と亭主がその場所、その時間という特別な空間を共有するために、極限まで花と花入れをミニマル化し、それでいて大きな自然を感じるという繊細な日本の感性を感じる空間を作り出す重要な要素であると言えるだろう。この「KAKI」はそのよう茶の世界に代表される他にはない和の文化を現代の日常の生活空間で味わうことができる作品である。(堀越 英嗣 芝浦工業大学名誉教授 建築家・堀越英嗣ARCHITECT 5 代表)

中村 圭/ Kei Nakamura
栃木県生まれ。2017年、大分県立竹工芸訓練センター修了、2017年、高江雅人氏に師事。2022年、 独立、現在大分県を拠点に活動。工芸都市高岡クラフトコンペティション 準グランプリ入選、SICF22 MARKET 林口砂里賞、くらしの中の竹工芸展 別府市議会議長賞など受賞多数
【受賞者コメント】この度はグランプリに選出していただき誠にありがとうございます。選考に携わってくださった方々に心からお礼申し上げます。文化とは今を生きる人たちが創り、時代によって変わっていくものだと思います。私も現代の暮らしに合う作品を作ることで文化を継承していく存在になれたら嬉しいです。今回このコンペに応募することで、和文化とは何かを考えるきっかけをいただきました。この素晴らしい賞に恥じぬよう、これからも精進してまいります。





準グランプリ/Semil-grand Prix 楯 ・副賞10万円
『Cirrus Cloud』 乾漆造形作家 / 田泉 夏実

【講評】マンション、戸建などの日本建築から『和』の空間が絶えて久しい。 床の間の消失からそれに付随した雲板、違棚、欄間、畳、 あらゆるものが消えていく喪失感は生活文化の変質とともに高まる。 日本家屋には四季折々の素材や造形が住む人の感性を養っていたはずで 今流行りの風水の流れが絶えず意識された空間であった。 風に流れる雲はまさしく風水の表象。それを意識して飾ることで氣の流れを感じ 自分自身が動物として自然の世界の中で生きていることを 忘れない為にも飾られるべき材質と造形だと感じました。 例え一つの雲でも住まいの中にあることで風水の『和』を感じる逸品です。(大倉 源次郎 能楽小鼓方大倉流十六世宗家)
【受賞者コメント】この度はこのような大きな賞を授かりまして大変光栄に存じております。日々のささやかな物事の取捨選択において無意識に働く価値観や美意識の繰り返しが文化を形作っているのではないかと考えております。これからも和文化とは何かと自らに問いかけながら、自然を味わい日本らしいまろやかな遊び心を持ちつつ、風土に根差した持続可能な素材を用いて制作するクリエーターとして、この賞に恥じぬよう美しさの提案を模索してまいりたいと存じます。



◆日本和文化グランプリ審査委員
【審査委員長】
三田村 有純     東京藝術大学名誉教授/日展理事/江戸蒔絵10代継承

【審査委員】以下五十音順
リシャール・コラス  シャネル合同会社 会長
秋元 梢       モデル
秋元 雄史      練馬区立美術館館長
上杉 孝久      上杉子爵家九代目当主
襟川 文恵      公益財団法人横浜市芸術文化振興財団/横浜美術館渉外担当リーダー
大倉 源次郎     能楽小鼓方大倉流十六世宗家
片平 秀貴      丸の内ブランドフォーラム代表
田中 里沙      事業構想大学院大学学長
長谷川 祐子     金沢21世紀美術館 館長
堀越 英嗣      芝浦工業大学名誉教授 建築家・堀越英嗣ARCHITECT 5 代表

【協賛企業】五十音順
株式会社AOKIホールディングス
有限会社I.J.I unit
有限会社オスカー(順理庵)
一般財団法人 きものの森
GMOインターネットグループ株式会社
野村證券株式会社
公益財団法人日本服飾文化振興財団
株式会社羽田未来総合研究所
株式会社Plan・Do・See
株式会社プロセス井口
株式会社ユナイテッドアローズ
株式会社予詩
株式会社ルミネ





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