~2024年4月の改正障害者差別解消法施行に向け、不動産業界全体のDE&I推進を目指します~
株式会社ミライロ(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:垣内俊哉)は誰もが安心して家探しができる社会を目指して、株式会社LIFULL(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井上高志、以下「LIFULL」)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」と、不動産事業者実務におけるユニバーサルマナーを体系的に学べる「ユニバーサルマナー検定(不動産)」を共同開発いたしました。「LIFULL HOME'S」が取り組む住宅弱者問題の解決を目指す「FRIENDLY DOOR(フレンドリードア)」事業と連携したもので、不動産業界に向けたユニバーサルマナー検定の開発は初めての試みとなります。検定受講者には、ユニバーサルマナー検定(不動産)のロゴマークが入った認定証が配布されます。
本検定では、障害のある方やご高齢の方のお困りごとや適切なサポートなどを習得できるほか、家探しのシーンを想定した、日々の業務に即したプログラムとなっております。2023年10月31日(火)より申込受付を開始し、障害のある方との向き合い方を学びたい不動産事業者を対象に、eラーニングでも受講できる体制を整備します。本取り組みを通して、不動産業界全体のユニバーサルマナー向上をはかってまいります。
【画像】ユニバーサルマナー検定(不動産)のオリジナルロゴマーク
背景および目的
2022年にLIFULL HOME'Sが行った住宅弱者(※1)の「住まい探し」の実態調査によると、賃貸契約の際、約6割の方が不便を感じたり、困ったりした経験があると回答しました。この背景には、車いすユーザーであることを理由に入居を断られたり、聴覚障害があって適切なコミュニケーションが取れなかったりと、不動産会社やオーナーの理解が十分でないことなどがこのような回答に繋がっていると考えられます。同調査の中で、住宅弱者全体の66.3%が「自分の社会的立場に理解のある不動産会社との出会いが重要だと思う」と回答しました。
また、2024年4月には改正障害者差別解消法が施行され、民間事業者による合理的配慮の提供(※2)が義務化となりますが、法改正の認知度も低く、障害者への合理的配慮をどのように提供すべきか、体制整備が整っていない事業者の声が弊社にも寄せられています。
こうした背景から障害者のニーズを適切に理解した上で、家探しにおいて困ることや求められているサポートを学ぶことができる検定の開発に至りました。不動産事業者を対象とすることで受講者に「より自分事」として捉えてもらい、不動産業界全体の理解と対応力を向上させ、誰もが安心して家探しができる社会を目指していきます。
※1さまざまなバックグラウンドを理由に住まいの選択肢が限られてしまう、高齢者、外国籍、LGBTQ+、生活保護利用者、シングルマザー・ファザー、被災者、障害者の方々を定義
【2022年度「住まい探し」の実態調査 調査概要】
調査期間: 2022年4月15日(金)~4月20日(水)
調査方法:インターネット調査
調査対象:直近2年以内に国内での賃貸契約を行った1,534名(うち住宅弱者 1,322名)
※2 様々な場面で、事業者に対して障害者から何らかの配慮を求められた場合、事業者側は過重な負担がない範囲で、社会的障壁を取り除く配慮を行うこと。2024年4月に施行する改正障害者差別解消法により、合理的配慮の提供は民間事業者も努力義務から法的義務化される。
ユニバーサルマナー検定(不動産)の概要
(1)内容
ユニバーサルマナー検定とは、多様な方々と向き合う上で必要な「マインド」と「アクション」を体系的に学び、身につけるための検定です。“自分とは違う誰かの視点”に立ち行動するためのコミュニケーションやサポート方法を学ぶことができる、障害のある当事者が監修したカリキュラムです。
今回、共同で開発したユニバーサルマナー検定(不動産)は、通常のユニバーサルマナー検定3級の内容をもとに、物件への問合せ時、店舗での商談時、内見時、契約時といった各場面で気を付ける点など、より不動産実務に即した内容で構成されており、不動産事業者が障害のある方と接する場面を想定した演習問題を追加したプログラムです。そのため、不動産事業者がユニバーサルマナーをより身近に感じることができる内容になっています。
【画像】ユニバーサルマナー検定(不動産)の認定証
(2)申込開始日
2023年10月31日より
(3)受講方法
対面受講・オンライン受講
※対面、オンラインともに受講時間は約2時間半
※eラーニングも今後追加予定
※問合せフォーム:
https://www.mirairo.co.jp/contact(4)対象者
住宅不動産会社において不動産実務に関わる方
両社のコメント
【株式会社LIFULL LIFULL HOME'S「FRIENDLY DOOR」事業責任者 龔 軼群(キョウ イグン)氏のコメント】
住まいは人権であり、住まいの選択肢は誰もが平等に選び取れるものであるべきだと私は考えます。しかし、現状の住まい探しでは、それを阻む壁が存在しています。FRIENDLY DOORの事業を通じて、障害をはじめ様々なバックグラウンドがある方のお困りごと、そして不動産会社のスタッフが感じる接客への不安の両方を目の当たりにしてきました。
2024年4月に改正される障害者差別解消法の施行により、障害者への“合理的配慮“が義務化されます。障害の有無だけでなく、ジェンダーや年齢、国籍の違いなど誰一人として同じ人などいない社会だからこそ、自分と異なる相手と共生していくために、私たちはどんな心持ちや姿勢で向き合っていくことが大切なのか、人と共に生きる原点に立ち返って考えていくタイミングが既に来ているのではないかと思います。本取り組みを通じて、人々の生活の基盤となる住まいから、真のDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の実現を目指していきたいと思っております。
【株式会社ミライロ 代表取締役社長 垣内俊哉 のコメント】
大学への進学を機に、私は長らくひとり暮らしをしています。空室であることを確認し、内見を終えていた先でも、車いすユーザーであることを伝えると入居を断られるなど、社会に存在する見えない壁を実感してきました。多くの場合、日常的に障害者と接する機会が少ないので、どんな対応をするべきか慣れていないだけかもしれません。仲介事業者ではなく、家主が断るケースもあることでしょう。しかしながら、改正障害者差別解消法の施行を来年4月に控え、ますます障害者の社会参加、自立が促進されている中で、障害者の生活様式を理解して、家探しをする業界としての取り組みが求められています。今回のオリジナルプログラムを通じて、ユニバーサルマナーが業界のスタンダードとなり、障害者にとっての住まいの選択肢が広がり、多くの人の豊かな暮らしにつながることを願います。
本プレスリリースに関するお問い合わせ
株式会社ミライロ 経営企画部広報担当
【E-mail】press@mirairo.co.jp
参考
■LIFULL HOME'S「FRIENDLY DOOR」について(URL:
https://actionforall.homes.co.jp/friendlydoor)
「FRIENDLY DOOR」は、LIFULL HOME'Sが運営する高齢者、外国籍、LGBTQ、生活保護利用者、シングルマザー・ファザー、被災者、障害者、家族に頼れない若者、フリーランスなど、さまざまなバックグラウンドで住まい探しに困難を抱える方々に対し、親身になって住まい探しの相談に応じる不動産会社を検索できるサービスです。全国5,000以上の賛同店舗を掲載しています。(2023年10月時点)
※FRIENDLY DOORにおける「障害者」の表記について
LIFULL HOME'Sが行った当事者の方へのヒアリングで、「自身が持つ障害により社会参加の制限等を受けているので、『障がい者』とにごすのでなく『障害者』と表記してほしい」という要望をいただきました。当事者の方々の思いに寄り添うとともに、当事者の方の社会参加を阻む様々な障害に真摯に向き合い、解決していくことを目指して、「FRIENDLY DOOR」サイトの検索カテゴリー、および接客チェックリストでは「障害者」という表記を使用しています。
■ LIFULL HOME'S について(URL:
https://www.homes.co.jp/)
LIFULL HOME'Sは、「叶えたい!が見えてくる。」をコンセプトに掲げる不動産・住宅情報サービスです。賃貸、一戸建て・マンションの購入、注文住宅から住まいの売却まで。物件や住まい探しに役立つ情報を、一人ひとりに寄り添い最適な形で提供することで、本当に叶えたい希望に気づき、新たな暮らしの可能性を広げるお手伝いをします。
■ 株式会社LIFULLについて (東証プライム:2120、URL:
https://lifull.com/)
LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして世界63ヶ国でサービスを提供しており、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、空き家の再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。
■ユニバーサルマナー検定とは
ミライロが主催するユニバーサルマナーの実践に必要な「マインド」と「アクション」を体系的に学び、身につけるための検定。同検定3級は、高齢者や障害者への基本的な向き合い方やお声がけ方法を学びます。また、同検定2級は、車いすの操作方法や視覚障害者の誘導方法など、実践的なサポート方法と、より詳しい知識を学び、多様な方々への適切なサポートが出来る人を目指すカリキュラムです。
■「障害者」の表記について
「障がい者」と表記すると、視覚障害のある方が利用するスクリーン・リーダー(コンピュータの画面読み上げソフトウェア)では「さわりがいしゃ」と読み上げられてしまう場合があるため、本リリースでは「障害者」と表記しています。「障害は人ではなく環境にある」という考えのもと、漢字の表記のみにとらわれず、社会における「障害」と向き合っていくことを目指します。
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