不動産ビッグデータとAI等のテクノロジーを活用し、不動産マーケティングプラットフォームを提供する株式会社マーキュリーリアルテックイノベーター(本社:東京都新宿区 代表取締役CEO:陣 隆浩、証券コード5025、以下「当社」)は、独自視点で業界の動向を発信しております。
今回は、新築マンションの主力購入層であるファミリー層をターゲットとした3LDKタイプの住戸に注目し、首都圏、関西、東海の主要地域で過去10年間に分譲された3LDKタイプの分譲価格をまとめ、多数を占める購入層がどれくらいの価格帯のマンションを購入しているのかを調査しました。
■平均価格は全てのエリアで4,000万円超
東名阪で2022年に分譲された3LDKタイプの住戸の平均価格を見ると、最も高かった23区で9,004万円、最も低かった愛知県のその他市部でも4,226万円となり、対象全エリアで平均価格が4,000万円を上回る結果となりました。東京23区、埼玉県さいたま市、横浜・川崎・相模原市、京都市、大阪市で平均価格が6,000万円を上回るなど、昨今の都市部が牽引する高値市場を象徴する相場になっていることが分かります。
また、アベノミクスや東京オリンピック開催決定前の2012年と2022年の相場を比べると、価格は最も上昇率が高い大阪市で+83.2%(約1.8倍)、最も低い千葉県その他市部でも+28.2%(約1.3倍)上昇しています。
■価格上昇率は政令指定都市の方が高い
各都府県共に政令指定都市の方が価格の上昇率が高い傾向にあることが分かります。一般的に、都市部の方が総じて所得が高い世帯が多く存在しており、高騰したマンション価格を許容できる世帯が多いことが要因と考えられます。
■住宅ローン金利は下がったものの・・・
住宅購入にあたり大半の人が利用する住宅ローンの金利は、金利が最も安いといわれる変動金利の比較で、10年前の2012年当時が0.9%程度(100万円あたり約2,780円※2)、2022年で0.4%程度(100万円あたり約2,550円※2)。低金利化により支払い負担は10%程度軽減されていることになりますが、価格の上昇分を低金利化で補えてはおらず、2012年と比べると低金利化を加味しても+15%(約1.15倍)~+70%(約1.7倍)程度、支払い負担が増えている計算になります。
歴史的な低金利だからと言って、マンションが買い時かというとそうとは限りません。前述した通り、マンションの価格は高止まりしている状況ですので、購入を検討しているファミリー層は、予算的に見合う中古マンションを検討対象にすることや、面積が小さいタイプへの変更や購入地域を変更し購入に至っていると考えられます。
ファミリー層がマンション購入を検討するタイミングは、例えば結婚や出産、進学など家族のニーズが大きく影響します。住宅ローン金利が低いことから借入限度額ギリギリまでローンを組む購入者も多いですが、諸費用や将来かかってくるコストなども含めて検討することが必要です。
※1 3LDK…2SLDKと3LDKが対象。マーキュリーリアルテックイノベーター調べ
※2 元利均等 変動金利 35年ローンを組んだ場合の毎月の支払金額
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