デジファブ技術を用いて施主自らが設計から施工まで
VUILD株式会社が提供するデジタル家づくりサービス『NESTING(ネスティング)』は、デジタルファブリケーション技術を用いて、施主が主体となって設計から施工までをおこなう住宅キットをリリースいたしました。着工からわずか2か月で竣工した約75平方メートル の戸建て一棟目を皮切りに、建設業界が抱える人材不足や建設費高騰などの課題を解決する、新しい家づくりの在り方を提唱します。
この度リリースしたNESTING「住宅キット」とは、デジタルファブリケーション技術*を用いた、施主が主体となる家づくりの在り方です。これまで当たり前だった、「家は買う(もしくは借りる)もの」という考え方から、「家は自分たちでつくるもの」に変化させることで、建設業界が抱える人材不足や建設費高騰の課題解決に取り組み、弊社のビジョンである『「いきる」と「つくる」がめぐる社会へ』の実現を進めてまいります。
*デジタルファブリケーション:3D CADなどのデータを、3Dプリンタや木材加工機械で読み込んで造形すること。これまでの製造技術では作成困難な複雑な形状のものでも容易に製造できる。
photo by Tomoyuki Kusunose
⚫️リリースの背景
深刻な人材不足と建設費高騰という課題に直面している建設業界。大工就労者は年々高齢化を迎えており、大工就業者数はこの20年で半減し30万人を切りました。2040年には更に半減し15万人を切ると言われています。この人材不足による人件費高騰と近年の資材高騰が相まって、建設費は高騰しつつあります。
出所)実績値は総務省「国勢調査」、予測値は株式会社野村総合研究所発表資料より弊社にて作成
このままだと富裕層しか家を建てられない、むしろお金を払っても建てられなくなる未来が来るかもしれません。そんな未来の社会課題を解決しうるのが、施主が設計から施工までを主体的に行う「NESTING」による家づくりだと考えています。そのために、わたしたちはデジタルファブリケーション技術*を活用した住宅のキット化を行いました。
⚫️住宅のキット化とは
未経験の方でも施工に参加する家づくりの在り方が、建設業界の人材不足問題を解決するのではないかと考えています。そこで、わたしたちが開発したのは、家づくり未経験の方でも施工できる住宅キットです。
キットは、木材のデジタル加工機「ShopBot」を用いて加工されます。これにより、複雑な接合部や、ビス打ちの下穴、組立順序を示す番号付けなどを精度高く、簡単に製造することが可能となりました。各部材は、人が持てるサイズに分解して設計しているため、クレーンなどの重機を必要としません。施工の現場では番号とビス穴を確認しながら部材を組み立てる* だけで、未経験の方でも素早く、精度良く施工することができます。
▲識別番号とビス穴のガイドが付いた部材
また、住宅キットといっても、完全に規格化されているわけではありません。キットとして定められているのは建物の基本形状のみで、広さや間取り、内外装の素材などはNESTINGアプリを使って施主自身でカスタマイズできます。
*住宅キットには、基礎工事部材や、断熱材、仕上げ材なども組み込まれています。
[動画:
https://www.youtube.com/watch?v=-Bpe5SXorMc ]
▲アプリ上で、グリッドを操作しながら検討可能。
1.設計
専用アプリや設計担当とのワークショップを行いながら、理想の住環境を作り込んでいきます。
2.部品加工
設計完了後、VUILD手配にて材料の製材を調達し、ShopBotを使って木材加工、壁や天井となるパーツの製造を行っていきます。
▲加工済みの壁パーツを構成する部品が陳列されている様子
3.基礎工事
今回のキットでは、一般的な住宅の基礎のようにコンクリートの打設を行いません。代わりに、DIY可能な杭工法を用いて、電動工具を用いて自分たちで杭を打ち込んでいきます。
4.躯体工事
打ち込んだ杭の上に、2で加工した材を組んでいきます。1つあたりのパーツは10kg以下としているため、持ち運びも容易です。初めは床から、そしてその上に柱を立て、屋根を組んでいきます。
5.内装工事
木の構造体が出来あがったら、間に断熱材を挟んでいったり、壁や建具を取り付けたり、塗装を行います。
壁や天井はあらかじめパーツ化したものを取り付ける仕組みにしているため、施工も簡単に行えます。
6.電気・給排水設備工事
電気や給排水などの専門工事は、プロを手配し行います。お施主様のお知り合いの業者さんに依頼することも可能ですし、わたしたちで手配させていただくこともできます。
⚫️co-buildすることの楽しさと価値
わたしたちは、住宅キットを用いて施主自らが家族や仲間と共に家づくりを行うことを「co-build(コビルド)」と呼んでいます。co-buildとは、家族や仲間とお祭りのように楽しくつくることをイメージした造語であり、ひとりでコツコツと時間を掛けてつくるイメージのある「self-build(セルフビルド)」とは違い、co-buildを前提としたことで、施工期間を短くする狙いもあります。
実際に、1棟目として竣工したNESTINGは、着工からわずか2か月で竣工を迎えることができました。
co-buildによる家づくりでは、週末4~5回の参加で家が建つプロセスを想定しています。各工程は、VUILDがサポートを行うことで、安全に正しく家づくりを進めることができます。
▲香川県・直島に竣工した第1棟目では、施主のご友人が全国から集まり、2日間で構造駆体部分の工事が完了しました。
photo by Tomoyuki Kusunose
photo by Tomoyuki Kusunose
⚫️今後の展開
すでに、北は北海道から、南は沖縄まで、全国各地からお問い合わせをいただいております。日本は地域によって積雪状況など気候環境が大きく異なるため、全国で快適・安全な住まいをおつくりいただけるような構造開発を進めております。
また令和6年能登半島地震により被災した地域での住宅再建の取り組みも進行しています。詳しくはこちら(
https://note.com/kokiakiyoshi/n/n2e9811d5234c)のnoteをご覧ください。
また、新規の建築希望・各種お問い合わせも受付中です。
NESTING HP(
https://nesting.me/)よりお問い合わせください。
◆VUILD会社概要
代表者:秋吉浩気(代表取締役CEO)
創業:2017年11月21日
本社:神奈川県川崎市川崎区日進町3-4 unico1F-A
事業内容:建築設計、木製品開発及び製造、CNCルーターの販売、デジタル人材育成、事業開発支援、ITサービス開発
Corporate URL:
https://vuild.co.jp/Corporate note:
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https://twitter.com/VUILDinc「EMARF」サービスサイト:
https://emarf.co/「Nesting」サービスサイト:
https://nesting.me/「ShopBot Japan」サービスサイト:
https://shopbot.vuild.co.jp/「Vuild Place Lab」サービスサイト:
https://placelab.vuild.co.jp/「Vuild Architects」サービスサイト:
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