実家の相続に関する意識調査
一般社団法人あんしん解体業者認定協会(所在地:東京都港区、代表理事:鈴木佑一)は、実家の相続を放棄したいと思っている201人を対象にアンケート調査を実施し、そのデータをランキング化しました。
「田舎にある古い実家を相続したくないから、相続放棄を考えている」という人も多いのではないでしょうか。ただ相続放棄すると、実家以外の相続財産もすべて放棄することになりますので、慎重な決断が必要です。
今回、一般社団法人あんしん解体業者認定協会(
https://anshin-kaitai.or.jp/ )運営の解体無料見積ガイド(
https://www.kaitai-guide.net/ )は、実家の相続を放棄したいと思っている201人にアンケート調査を実施。その結果をランキング形式でまとめました。
調査結果に対して、中村太郎税理士事務所(
https://www.nakamura-taro.com/ )所長の中村太郎氏よりご考察いただいております。
【データの引用・転載についてお願い】
本リリースの調査結果・画像をご利用いただく際は、必ず「解体無料見積ガイド」のURL(
https://www.kaitai-guide.net/ )へのリンク設置をお願い致します。
【調査概要】
調査対象:実家の相続を放棄したいと思っている人
調査期間:2024年4月16日~5月1日
調査機関:当協会調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:201人(女性124人/男性77人)
回答者の年代:10代 0.5%/20代 17.4%/30代 31.8%/40代 26.4%/50代 17.4%/60代以上 6.5%
【調査結果サマリー】
・実家の相続を放棄したい理由1位は「相続・相続後にコストがかかる」
・実家の相続について相談したことがある人は63.2%
・実家の相続についての相談先で最も多いのは「親」
・実家の相続について相談した理由は「自分の意向を伝えたい」
・実家の相続について相談していない理由は「まだ早い」
実家の相続を放棄したい理由1位は「相続・相続後にコストがかかる」
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実家の相続を放棄したい理由1位は「相続・相続後にコストがかかる(43人)」、2位は「資産価値が低い(39人)」でした。
「実家を相続する経済的なメリットがないため、相続放棄したい」と考える人が多いとわかります。自分が住まないのに固定資産税だけがかかる状態を回避するために、相続放棄を検討する人も多いようです。
ただし相続放棄すると、実家だけではなく現金などの財産も放棄することになります。実家はいらないが現金は相続したい場合には、「生前のうちに親に実家を処分してもらう」「実家を含めて相続したうえで売却する」などの方法がおすすめです。
<1位 相続・相続後にコストがかかる>
・相続税や手間などを考えると、損することになりそう(30代 男性)
・固定資産税を払っていく自信がないから(40代 女性)
・家屋がかなり古くなっており、リフォーム工事をしようにも費用の捻出が困難(50代 女性)
とくに「税金の支払いが大変」を答えた人が目立ちました。
相続する遺産の額によっては、相続税がかかります。また不動産を相続したあとは、自分が住んでいなくても、毎年固定資産税・都市計画税が課されます。
リフォームや維持管理にもコストがかかるため、「実家の相続はコスト面でデメリットが大きい」と感じる人も多くなりました。
<2位 資産価値が低い>
・田舎にある実家なので、売れなさそう(30代 男性)
・土地や建物の値打ちがなく、売りに出しても買い手がつかなさそう(40代 女性)
・建物が古く資産価値もほとんどなく、売れないのではと思っているからです(60代以上 女性)
「立地が良くない」「古い」などの理由で、実家の資産価値が低いと考えている人も多数。相続の経済的なメリットが少なく、相続放棄を検討しているパターンです。
「相続しても自分は住まないし、売ろうにも売れない」となれば、相続放棄する方が楽と考える人がいるのも納得ですね。
<3位 管理が難しい>
・管理責任から逃れたいからです。よほどの現金と一緒でないかぎりは、相続放棄したいと考えています(20代 男性)
・結婚して実家を出て、帰省するにも不便な距離になったので、維持が難しい(30代 女性)
・実家がとても遠く田舎なので、管理しきれない(40代 女性)
実家から離れて住んでいるので管理が行き届かないと考える人も多数。
自分で庭木の手入れや風通しなどのメンテナンスを行う場合は、いちいち実家に帰る必要があり、距離が遠いほど負担は大きくなります。仕事や子育てが忙しい人だと時間を確保するのが難しいですし、年を取ると体力的にしんどくなることも。
しかし「時間がないから」「しんどいから」という理由で放置していると、庭木が伸びて近隣に迷惑をかけたり、不法侵入されたりする可能性があります。日常的な管理を代行してくれるサービスもありますが、利用にはお金がかかります。
<4位 相続手続きが面倒>
・手続きがよくわからないからです(40代 男性)
・遺産が少ししかないのと、相続後の手続きや税金が面倒そうだから(40代 女性)
・のちのち手続き関係で苦労が続出しそうだと感じるからです(50代 女性)
実家を相続する場合には「不動産の名義変更」「準確定申告」「相続税の申告と納付」などの手続きが発生します。手続きが煩雑そうで、相続放棄を考えている人も多いとわかりました。
ただし相続放棄する場合も、「財産調査」「家庭裁判所などの申請」といった手続きは発生します。
<5位 住むつもりがない>
・たいした家柄ではなく、上京しており戻る気もないため(20代 女性)
・実家が瀬戸内海の島にあり、立地上自分の仕事ができなくなってしまうので(30代 男性)
・自分の家があるし、実家があっても利用する機会がないから(50代 男性)
実家とは別にマイホームを購入していたり、実家から離れたエリアで生活を築いている人も多いでしょう。このような場合、実家を相続しても故郷に戻るのは難しいですよね。
「自分で利用できないので、いらない」と考える人も多いとわかります。自分が住まないなら管理も大変になります。
<6位 家族と疎遠・関わりたくない>
・もともとあまり実家や兄弟と仲が良くなく、相続をきっかけに集まるのが嫌だから(20代 女性)
・家族との仲が良好ではなく、現在もまったく関わっていません。そのためスムーズに相続がすむとは思えないし、可能ならば家族と会わずに過ごしたいです(30代 女性)
・実家との折り合いが悪いため(60代以上 男性)
家族に対していい感情がないため、親から財産をもらいたくないと考えている人も多いとわかります。財産をもらいたい気持ちがあっても、家族と話をするくらいなら相続は諦めるという人もいるでしょう。
相続放棄する場合、他の相続人に連絡する義務はありません。
<7位 兄弟・親族間で揉めたくない>
・実家の相続により、親族間で揉めるという話をよく聞くから(20代 女性)
・遺産配分のことで家族と揉めるのはわずらわしいから(40代 男性)
・父の代で、「誰が土地を取得するか」で親族間の喧嘩になりました。子ども心に「土地争いの大変さ」を痛感したため、実家の相続を放棄して弟に任せるつもりです(60代以上 女性)
家などの不動産は現金のように分けられないため、相続人の間で「誰が実家を受け継ぐか」と揉めることも多いです。
実家を売って現金を分ければいいと思う人もいますが、相続人の中に「実家を残したい」「自分が住みたい」と主張する人がいると、話し合いは難航するでしょう。
他の相続人に実家を譲って揉めごとを避けるため、相続放棄を希望している人も多くなりました。「地元に残っている兄弟姉妹に譲りたい」「親の介護を担っている兄弟姉妹に譲りたい」という人もいるでしょう。
<8位 借金がある・ありそう>
・負債の方が圧倒的に大きいからです(20代 女性)
・負債もありそうだから(30代 男性)
・母親が他界して認知症の父親が残されており、「財産の状況」「借金がいくらあるか」などが不明なので(40代 男性)
相続放棄すると「プラスの財産」も「マイナスの財産(借金)」も放棄することになります。そのためプラスの財産より負債の方が多い場合は、相続放棄が検討されます。
借金がありそうだけど詳細は不明という状態なら、「限定承認」を検討してみてください。限定承認とは、「プラスの相続財産の範囲内でのみ、マイナスの財産を相続する」という手続きです。
ただし限定承認の場合は相続人全員で手続きすることになります。「どちらの手続きが適切か」など、詳しくは弁護士や司法書士に相談してみましょう。
実家の相続について相談したことがある人は63.2%
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実家の相続を放棄したいと思っている201人に「実家の相続について誰かに相談したことがあるか」と聞いたところ、「ある」が6割を超えました。相続放棄について家族の理解を得るために相談したり、プロに手続き関連の相談をしたりする人が多いのでしょう。
相続放棄すると、他の相続人に影響が出ます。他の相続人の取り分が多くなったり、「相続放棄がなければ相続人にならなかった親族」が相続権を得ることもあるからです。家族間で「なぜ相続放棄したんだ」「相続放棄するなんて、思っていなかった」という話になることも考えられますので、事前に相談しておくと理解を得やすくなるでしょう。
また被相続人(実家の持ち主である親)に相談せず相続放棄すると、「親の希望を聞かずに、相続放棄してよかったのかな」と後悔することも考えられます。後悔なく相続放棄を選択するためにも、相談は必要でしょう。
<相続について相談した理由>
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・自分は相続する気がないことを、家族に伝えておきたかったから(30代 男性)
・親が高齢になってきたので、姉妹で実家を誰が引き受けるかの話題になりました(40代 女性)
・両親が健在なときに、「両親はどのように考えているか」「どういう方針で進めるつもりなのか」などを両親・兄弟含めて情報交換しておけば、のちのち役立つと思った(50代 女性)
・父が亡くなったときに、土地家屋の今後について兄と話しました(60代以上 男性)
・話し合いというほどのものではないけれど、私自身の意思は伝えておいた方がいいと思ったから(60代以上 女性)
相続について相談した理由としては、「相続放棄するという自分の意思を伝えておきたい」が多くなりました。親や兄弟には相続放棄についてあらかじめ伝えておき、心づもりをしておいてもらいたいと考える人が多いのですね。
親が高齢になってきたり病気を患ったりして、相続が現実味を帯びてきたときに切り出す人も多いと推測できます。
相続についての話はしにくいと感じる人もいる一方で、「家族で集まると自然と相続の話になる」というご家庭も。相続は家族みんなの問題ですから、本音で相談できる雰囲気だと助かりますね。
<相続について相談していない理由>
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・相続について話すのは、なんとなく気まずいからです(20代 男性)
・まだ両親が50代なので、話題にならない(30代 女性)
・トラブルになりそうでめんどくさいから(40代 女性)
・ほぼ音信不通になっている(50代 男性)
・相続の話をするまでもなく放棄する雰囲気で、親も同じように思っているからです(50代 女性)
相続について相談していない理由としては「まだ早い」が多くなりました。親が元気だと「相続の話なんてまだまだ先のこと」と思い、自分事として捉えられない人も多いかもしれません。また、親が気を悪くしそうで言い出しにくかったり、家族の仲が悪かったりして、相談できないケースもあるようです。
なお「きちんと話し合ったことはないものの、大体の方針は親子・兄弟間で共有している」「親が考えてくれているから」という人も多くなりました。
親・兄弟姉妹に任せている場合でも、ぼんやりとしか方針が共有できていない場合には、一度きちんと話し合いの場を設けておいた方がいいかもしれません。
実家の相続についての相談先は「親」
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実家の相続について相談したことがある127人に「実家の相続についての相談先」を聞いた結果、最も多かったのは「親(70人)」、次いで「兄弟姉妹(55人)」でした。
被相続人である親と、相続人である兄弟姉妹に相談する人が多いとわかります。遺産の分け方や実家の扱いなどでトラブルにならないよう、「まずは当事者間で相談する」という流れは納得です。
また相続放棄した方がいいのか判断がつかず、専門家のアドバイスがほしいときもあるでしょう。その場合は、弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。
まとめ
相続放棄を希望する理由としては「経済的なメリットがない」「兄弟姉妹と揉めたくない」などが挙げられました。ただ、相続放棄はせずに実家の相続やトラブルを回避できる方法もあります。
例えば「親が存命中に実家を処分する」「当事者が集まって相続についての話し合いをしておく」などです。
相続放棄すると実家以外の相続財産も放棄することになるので、簡単に相続放棄を決めるのはやめておきましょう。
また「トラブルを避けたい」と相続放棄しても、他の当事者に伝えていないとかえってトラブルの元になってしまう可能性も。話し合いができる状態なのであれば、親が元気なうちに、きっかけを見つけて話し合いの場をもってはいかがでしょうか。
※相続した建物が未登記だと分かった場合は、速やかに所有者を明確にするための手続きを行いましょう。
参考URL:未登記建物の解体工事後に必要な手続き (
https://www.kaitai-guide.net/column/mitoki-kaitai-tetsuzuki/ )
▽中村太郎氏の考察
調査結果を見ると、多くの人が実家の相続に伴う経済的負担を避けたいと考えています。固定資産税、修繕費、維持管理費など、相続後にかかるコストは膨大で、これを負担する余裕がない場合や、将来的な支出を考慮して相続放棄を選ぶことも一考の余地があります。
また、地方の不動産においては資産価値の低下は顕著です。地方の過疎化や経済の停滞により、不動産の市場価値が低下しているため、売却しても期待通りの収益が得られない場合が多いです。不動産市場の変動や地域の将来性に不安を感じることも、相続放棄の一因となります。資産としての魅力が乏しい不動産を持つことは、リスクと負担が大きく、これを回避するために相続を放棄するケースが増えています。
現代のライフスタイルでは、空き家の問題も深刻で、適切に管理されないまま放置されると、地域社会に悪影響を及ぼすこともあります。このような状況を避けるため、単純に相続放棄を実施するのではなく、親が存命中に実家の処分について相続人同士で話し合うことが重要であると言えます。
■監修者紹介
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中村太郎氏
中村太郎税理士事務所所長・税理士。
1974年生まれ。和歌山大学経済学部卒業。税理士、行政書士、経営心理士、経営革新等支援機関。税理士として400社を超える企業の経営支援に携わった経験を持つ。税務のみならず、節税コンサルティングや融資・補助金などの資金調達も得意としている。中小企業の独立・起業相談や、税務・財務・経理・融資・補助金等についての堅実・迅速なサポートに定評がある。
ホームページ:(
https://www.nakamura-taro.com/ )
ブログ:(
https://blog.nakamura-taro.com/ )
著書:中小企業の「節税」 はじめに読む本(
https://www.amazon.co.jp/dp/4799109960 )
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■一般社団法人 あんしん解体業者認定協会について
一般社団法人あんしん解体業者認定協会は、解体工事を計画する皆様が安心して依頼できる環境作りを目的に、全国都道府県下の優良解体業者を認定しています。また、解体工事に関する様々な疑問にお応えするご相談窓口としての業務を行い、ご希望に応じて無料でご紹介も行っています。
■協会概要
社名 :一般社団法人 あんしん解体業者認定協会
所在地 : 〒108-0023 東京都港区芝浦4-12-31 VORT芝浦WaterFront 4階
代表者 : 代表理事 鈴木佑一
設立 : 2015年6月
URL :
http://anshin-kaitai.or.jp/企業プレスリリース詳細へPR TIMESトップへ