居住支援の新たな選択肢に!「六甲ウィメンズハウス」2024年6月オープン

認定NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべ

2024年6月3日 17時17分

さまざまな困難を抱えた女性・子どもが孤立せずに安心して暮らし、自立していけるよう支えるための住まい「六甲ウィメンズハウス」がオープンしました。

女性・子ども支援を行うウィメンズネット・こうべと学生支援を行う神戸学生青年センターによる「六甲ウィメンズハウス運営協議会」が、兵庫県神戸市に困難を抱える女性や子どもたちの住居「六甲ウィメンズハウス」を開設しました。所持金や保証人がない女性やシングルマザーの親子、生活に困窮する留学生など、安心・安全な「住まい」の確保が困難な女性や子どもたちが自立し、新しいスタートを切るため、サポートのついた清潔・安全・健康・文化的な住居づくりを目指します。

<詳細はこちらから>
https://rwh.jp/

「六甲ウィメンズハウス」とは


「六甲ウィメンズハウス」は、認定NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・ こうべと公益財団法人神戸学生青年センターによる「六甲ウィメンズハウス運営協議会」によって運営されており、様々な困難を抱えた女性やその子どもたちが、孤立せずに安心して暮らし、自立していけるよう支えることを目標としています。シングルマザー、若年女性や女子学生・留学生を対象に様々な事情から住宅確保が難しい状況にある方を対象に「ここにしか住めない」ではなく「ここに住みたい」と思える住まいをつくることを目指した共同住宅です。

六甲ウィメンズハウス ホームページ:https://rwh.jp/



開設に至るまで


認定NPO法人女性と子ども支援センター ウィメンズネット・こうべは、1992年の発足以来、女性の人権を守り、ジェンダー平等社会の実現を目指して活動してきました。2019年には居住支援法人の資格を取得し、住宅取得が困難な女性を対象に家探しも行っています。長年の支援活動を通じて実感しているのは、安心して暮らせる住まいがあることで、働く意欲や学ぶ意欲が湧き、健やかな子育てにもつながるということ。また、住まいだけでは解決できない「孤立」の問題があり、貧困と孤立が重なると虐待のリスクが非常に高まることを認識しました。

ウィメンズハウスプロジェクトは、十数年前に代表の正井が北欧のデンマークのDVシェルターを見学したことがきっかけで構想されました。外観は古めかしかったものの、内部はデザイナーズマンションのように美しく、広いリビングやキッチン、素敵な家具、さらにプレイルームやカウンセリングルームが完備されている環境に感銘を受けました。これを機に「夢のウィメンズハウスをつくろう!」という思いを多くの方に伝え、ご協力を呼びかけ続けました。

この構想を初期から共に考え続けてきたのが、ウィメンズハウスを共同運営する公益財団法人神戸学生青年センターです。コロナ禍以降、外国人留学生や学生が特に生活に困窮している現状を聞き、さまざまな背景を持つ女性たちが共に暮らす「相互補助のコミュニティ」をウィメンズハウスでつくりたいと考えるようになりました。そして地元企業の生活協同組合コープこうべが、自社の使われていない施設をウィメンズハウスに提供してくださることになり、遊休施設を社会貢献事業に活用する形で、プロジェクトがついに始動しました。

六甲ウィメンズハウスが目指す支援


住宅取得が困難なシングルマザー、若年女性、女性の学生や留学生、単身女性へ、清潔・安全・健康・文化的な住まいの提供
困難を抱える女性たちが「ここにしか住めない」ではなく、「ここに住みたい」と思える住まいを提供します。

孤立しがちなシングルマザーの虐待防止や、子どもたちの健全育成へのサポート
地域で孤立しがちなシングルマザーの子どもたちにとって、多世代の人たちと共に暮らすことは互いに大きな学びになります。
私たちは長年の支援の現場を通して、信頼できる大人と出会うことが子どもたちの心身の健やかな成長に大きく影響することを実感してきました。特に、留学生や学生といった親でも先生でもない人たちとの出会いは、経験の少ない子どもたちの世界観を広げることにつながります。

相談や、食料支援、学習支援、就労支援などの経済的自立をめざしたサポート
六甲ウィメンズハウスでは、女性支援の経験のあるスタッフが常駐することを予定しています。
学習室やシェアオフィス等の共有スペースを設け、子どもだけでなく、ステップ・アップをめざす女性たちも学習支援が受けられるようにしていきます。
今後は相談体制を充実させ、支援者が常駐している環境で生活することにより女性たちが困ったときは心理的なケアを受けられることを目指します。

ハウス内に設置する交流スペースやキッズスペースを地域に開放し、入居者同士・地域住民との情報交換や交流の場をつくる
多様な世代や環境の女性たちが共に暮らす中でつながりが生まれ、孤独で不安な状況が安心・信頼できる状況に変わります。そして、困難を抱える女性たちが自信や未来への希望を持てるようになることが期待されます。
また、六甲ウィメンズハウスでは、サポートグループの結成や読書会のようなイベントなど、さまざまな形で地域住民の方やご支援の気持ちを持ってくださる方との関わりも持とうとしています。

運営体制


六甲ウィメンズハウスは、認定NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべと公益財団法人神戸学生青年センターによる六甲ウィメンズハウス運営協議会で運営を行っています。


認定NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべ
1992年に発足以降、女性や子どもが安心してのびやかに自分らしく生きられる社会を目指し活動しています。

~ウィメンズネット・こうべの事業~
・相談事業(電話相談、メール相談、面接相談)
・民間DVシェルター、ステップハウス運営
・同行支援、家庭訪問支援
・居住支援
・困難を抱える女性やシングルマザーと子どもの居場所(WACCA運営)
・DV・デート DV 防止教育事業

公益財団法人神戸学生青年センター
1955年に米国南長老教会が青年伝道をめざして設立した「六甲キリスト教学生センター」が、1966年に日本基督教団兵庫教区に委譲されました。1969年11月、「学生センタービル建築準備委員会」が設置され、その後1972年4月、新会館がオープン。「財団法人神戸学生青年センター」としての活動が開始。
数々のセミナー等を行い、阪神淡路大震災を経た後も宿泊などを受け入れてきた旧センターでしたが、建物の老朽化による建て替えに伴い、2021年に現在の場所に移転。「開かれた出会いの場」として長年にわたり活動を展開しています。

~神戸学生青年センターの事業~
・セミナー活動
・日本語ボランティア教室運営
・留学生への奨学基金事業
・古本市事業

また、所有建物の提供として地元企業の「生活協同組合コープこうべ」が、事業と建築設計のコンサルタントとして「人・まち・住まい研究所」や「CASEまちづくり研究所」、「近畿大学寺川研究室」が連携しています。


施設概要


オープン日: 2024年6月
階層: 4階建ての2~4階部分
部屋数: 全40室
共有スペース: ロビー/学習室/コミュニティカフェ/シェアオフィス/相談室
部屋タイプ・家賃: 部屋のタイプは入居想定人数に合わせ、約28平方メートル を中心に3万円台~5万円台の全8タイプがあります(敷金・礼金は不要)

内装について
今回、六甲ウィメンズハウスをつくるにあたり、イケア・ジャパン株式会社 IKEA神戸に大きなご協力をいただきました。当プロジェクトの理念に深く共感してくださり、IKEA Family募金による支援の一環として、「六甲ウィメンズハウス」の全40室の居室、およびロビーやキッズスペースなど共有スペースの空間デザインと商品の提供、組み立てをサポートしてくださいました。イケア・ジャパン株式会社 IKEA神戸のご協力により、理想としていた多くの方々にとって安心で温かい住まいを実現することができました。









全国のモデルケースとなることを目指して


パートナーや親族からの暴力を受けている女性、シングルマザー、非正規・低収入の女性の多くは所持金が少なく、保証人もなく、住居の取得が困難である場合が多く見られます。コロナ禍の影響も続いており、経済的困難に直面する学生・留学生の急増、虐待により家に居場所がない女性が増えています。六甲ウィメンズハウスでは、このような女性たちに助け合いながら生活の再建を目指せるような居住空間を提供し、新しい人生の実現をサポートしたいと考えています。

低額所得者、高齢者、子どもを育てている方など、住宅の確保に配慮を要する方々への住宅提供は、全国各地で困難を抱えています。
その中で、六甲ウィメンズハウスのように既存の遊休施設を活用することは、空きビル・旧社員寮などの民間事業者が現在は死蔵しているストック・リソースのリノベーションモデルとなるほか、企業におけるCSRの取り組みの選択肢・可能性を広げることにもつながります。この事業が困難を抱える女性や子どもへの支援に繋がるという実績を示すことで、社会貢献に繋がる建物の提供や改修・リノベーションがすすむモデル事業にしたいと考えています。

六甲ウィメンズハウスは、女性たちが安心して暮らせる居場所を提供し、互いに支え合いながら新たな生活を築くための希望の場です。この事業を通じて、困難な状況にある女性や子どもたちが笑顔で未来を迎えられるような社会を目指し、全国に広がるモデルケースとなることを願っています。今後とも多くの方々と力を合わせて、この夢を現実のものとし、より良い社会の実現に向けて歩んでまいります。

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2024年6月3日 17時17分

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