米コロラド州デンバー近郊で賃貸用集合住宅を共同開発~純木造で脱炭素推進~

住友林業株式会社

2024年7月8日 12時47分

 住友林業株式会社(社長:光吉 敏郎 本社:東京都千代田区)、東京建物株式会社(社長:野村 均 本社:東京都中央区)は米コロラド州デンバー近郊で総戸数297戸の3階建て純木造賃貸用集合住宅を開発します。両社の協業はワシントンD.C.での555 Herndon Parkwayの開発に続き 2件目です※1。米大手デベロッパーFairfield Residential Holdings LLC(代表:Richard Boynton 本社:カリフォルニア州サンディエゴ 以下Fairfield社)と共同開発し、木造建築の普及により脱炭素に貢献します。2024年8月頃の着工、2025年12月頃の賃貸開始を目指します。総事業費は約184億円です※2。

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/52275/112/52275-112-1195f9c05be198ab26dfdf6c547f639d-975x409.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


■物件の特徴
 本物件は、プールやフィットネスエリア、コワーキングスペースなどの充実した共用施設のほか、緑あふれるランドスケープでデンバー中心部の喧騒から離れた落ち着いた居住空間を提供します。
 工法は木造枠組壁工法を採用し、2×4材の規格品を用いることでRC造と比較してコストを抑制します。一般的に木造建築は鉄骨(S)造や鉄筋コンクリート(RC)造に比べ「建てるときのCO2(エンボディドカーボン)」の排出量を削減することが可能です。木は吸収したCO2を炭素として内部に貯蔵するため、構造部材や内装など多くの木材を使う本物件も炭素を長期間固定し続けることで、脱炭素社会の実現に貢献します。※3


■エリアの特徴
 開発地はデンバー市中心部から北に約30km、ボルダー市中心部から東に約20kmのブルームフィールド市。安定した雇用環境で人口増加が進むデンバー市に近く、全米でも住宅価格が高いボルダー市と比較し住宅価格が手頃なため、住宅需要が見込めます。本物件はコロラド大学や有名企業のオフィスが集積する拠点からも近く、教育や雇用面での理想的なエリアです。またテクノロジー、医療、金融関連企業が集積したブルームフィールド市中心部まで車で15分、デンバー中心部まで30分、デンバー国際空港まで20分と比較的近く、幹線道路にも近接しており高い交通利便性も特徴です。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/52275/112/52275-112-e4bffc3d3602191902398e2aa3fe16b3-3213x976.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]




■スキーム・参画の背景
 住友林業の100%子会社SFA MF Holdings、東京建物の100%子会社Tokyo Tatemono US Ltd.が組成したJVとFairfield社が共同出資する特別目的会社(SPC)が開発主体となります。住友林業の100%子会社SFCアセットマネジメント株式会社(代表取締役:吉澤 雄次郎 本社:東京都千代田区)がFairfield社を含む本プロジェクトの参画企業との取りまとめや調整を行います。なお、Fairfield社との賃貸用集合住宅開発は、住友林業は本物件が3件目、東京建物は2件目の取り組みとなります。


 住友林業グループの集合住宅の着工戸数は全米で9位相当まで成長し※4、米国の戸建分譲住宅に次ぐ収益源として拡大を続けており、2027年までに年間1万戸以上の賃貸集合住宅の供給体制を構築することを目指しています。
 全米有数の集合住宅デベロッパーであるFairfield社を現地の優良パートナー企業と位置付け、さらなる協業により住宅事業全体の戸数強化を図ります。東京建物とは本物件の共同開発により、不動産開発分野での関係を強化していきます。
 東京建物グループは、海外事業の成長を中期経営計画における重点戦略の1つとして挙げています。2023年に再進出した米国において継続的に事業を行っていくことを計画しており、本案件への参画を決定しました。


■今後の方針
 住友林業グループは森林経営から木材建材の製造・流通、戸建住宅・中大規模木造建築の請負や不動産開発、木質バイオマス発電まで「木」を軸とした事業をグローバルに展開しています。2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」では住友林業のバリューチェーン「ウッドサイクル」を回すことで、森林のCO2吸収量を増やし、木造建築の普及で炭素を長期にわたり固定し、社会全体の脱炭素への貢献を目指しています。長期ビジョンで事業方針の1つに掲げた「グローバル展開の進化」を推進し、米国でも脱炭素化への取り組みを加速します。


 東京建物グループはグループ長期ビジョン・中期経営計画において、「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立するため、ESG経営の高度化を推進することに加え、海外事業の成長を重点戦略の1つとして掲げています。現在、中国、タイ、インドネシア、米国等において分譲マンション・賃貸マンション・オフィス・物流施設等の開発事業を推進しています。引き続き海外事業については、現地有力パートナーとの協業を軸として、短期回転型を中心に中国、ASEAN諸国及び米国等において事業機会の獲得に努めてまいります。


※1.(2023年11月27日リリース)555 Herndon Parkway:https://sfc.jp/information/news/2023/2023-11-27.html
※2. 1ドル160.23円で換算(2024年7月1日時点)
※3. 林野庁調査をもとに住友林業の筑波研究所で試算(以下のグラフと表を参照)。林野庁「平成27年度 木材利用推進・省エネ省CO2実証業務 報告書」の資材数量をもとに3階建て事務所(1,500平方メートル )の躯体、外部、内部(設備除く)を対象として、新築時から解体時までのライフサイクル全体を対象として算定しました。
<参考データ>
3階建ての事務所(1,500平方メートル )を対象に算出
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/52275/112/52275-112-849a433c5e2607986d4ec012821c14c8-800x434.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


※4.住友林業グループの米3社の年間着工戸数を合計すると、全米集合住宅事業者ランキング NMHC2024の9位に相当します。


■物件概要
物件名:Vista Highlands
所在地:1150 W 169th Ave, Broomfield, CO 80023
賃貸床面積(予定):23,871.72m²(256,953平方フィート)
住戸数(予定):297戸
構造・工法:木造枠組壁工法
着工(予定):2024年8月
賃貸開始(予定):2025年12月(工事完了部分から順次賃貸開始)
竣工(予定):2026年9月

■Fairfield社概要
本 社:カリフォルニア州サンディエゴ
代表者:Richard Boynton (Chairman, CEO)
従業員:1,420名(2023年11月時点)
事業概要:1985年に創業した米国の集合住宅不動産会社。全米11か所に拠点を持ち、土地の仕入れから建設、賃貸管理、売却まで一気通貫で不動産開発事業を展開。創業以来32州で不動産開発の実績があり、既存物件のリノベーション・再販及び新規開発を約29万戸手掛けています。■SFCアセットマネジメント概要
本 社:東京都千代田区大手町
代表者:吉澤 雄次郎(代表取締役)
設 立:2020年11月
事業概要:住友林業グループ等が組成する投資ファンドに関する私募取扱・投資助言業務等
※SFCアセットマネジメント株式会社コーポレートサイト:https://sfcam.jp/


(住友林業参考資料)
■木造建築の優位性
 世界のCO2排出量の37%が建設セクターから排出されており※1、「暮らすときのCO2排出量(オペレーショナルカーボン)」はZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)やZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)の普及で削減が進んでいます。一方、「建てるときのCO2排出量(エンボディドカーボン)」の削減が今後の課題となっており、S造やRC造に比べてエンボディドカーボンの少ない木造建築が注目されています。また、樹木は光合成により取り込んだ炭素を伐採後も木材内に固定・貯留します。これを「炭素固定」といい、脱炭素社会の実現には炭素を固定した木材を用いた木造建築の推進が不可欠です。


[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/52275/112/52275-112-65921da703cc673e2bbeda17437a2269-491x389.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


※1.出典:global alliance for building and construction(2023)

■住友林業グループの中大規模木造建築
 住友林業グループは2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030※2」で事業方針の1つに「グローバル展開の進化」を掲げ、中大規模木造建築のグローバル展開を推進しています。米国では木造の戸建分譲住宅事業、豪州では木造の戸建注文・分譲住宅事業が先行して拡大しましたが、近年は中大規模木造建築の開発事業も急速に成長しています。
 現在は日本国内に加え、豪メルボルン、英ロンドン、米ダラス、米アトランタでマスティンバー※3を用いた中大規模木造建築のプロジェクトが進行。米国では木造ツーバイフォー工法を採用した集合住宅の開発実績も多く、住友林業グループの集合住宅デベロッパーとしての年間供給戸数は全米9位相当に位置します※4。

※2.長期ビジョン「Mission TREEING 2030」動画(3分):https://www.youtube.com/watch?v=2ty-tASVWPk
※3.CLTやLVL等の複数の木材を組み合わせて成形した比較的質量や体積の大きいエンジニアードウッド
※4.住友林業グループの米3社の年間供給戸数の合計が全米集合住宅事業者ランキング NMHC2024の9位に相当(自社集計)。


■中大規模木造建築の開発実績
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/52275/112/52275-112-68f25c08cd520fa769d62b979f1a01b4-997x506.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


■参考リリース
【中大規模木造建築】
・豪メルボルン/15階建木造オフィス:https://sfc.jp/information/news/2021/2021-10-06-01.html
・英ロンドン/6階建木造オフィス:https://sfc.jp/information/news/2023/2023-02-14.html
・米ダラス/7階建木造オフィス:https://sfc.jp/information/news/2022/2022-12-26-02.html
・東京都/桐朋学園宗次ホール:https://sfc.jp/information/news/2022/2022-05-13.html
・東京都/上智大学四谷キャンパス15号館:https://sfc.jp/information/news/2022/2022-06-29-02.html
【木造賃貸集合住宅】
・米ダラス/5階建集合住宅:https://sfc.jp/information/news/2023/2023-06-19.html
・米シアトル/5階建(地下2階)集合住宅:https://sfc.jp/information/news/2022/2022-06-21.html
・米シアトル/6階建集合住宅:https://sfc.jp/information/news/2021/2021-10-07.html
・米シアトル/5階建集合住宅:https://sfc.jp/information/news/2021/2021-04-14-01.html
・米シアトル/8階建(地下2階)集合住宅:https://sfc.jp/information/news/2023/2023-07-05.html
・米デンバー/5階建集合住宅:https://sfc.jp/information/news/2023/2023-09-07.html
・米ワシントンD.C/8階建集合住宅:https://sfc.jp/information/news/2023/2023-11-27.html

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