ユビ電株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山口 典男、以下ユビ電)は、EV充電サービス「WeCharge」に関する最新の指標をお知らせいたします。国内の乗用車におけるEV保有率が0.8%[1]である中、「WeCharge」を導入している集合住宅などにおける基礎充電インフラの契約率(WeChargeが個別設置された駐車区画のうち、実際にEV充電されている割合)が5.0%に達し、全国のEV保有率の約6倍となっています。この結果は、「マンションのEVコンセントから充電できる」環境が需要を喚起し、EV普及の後押しとなることを示しています。2024年度第1四半期(2024年4~6月)の基礎充電契約率(個別設置型)は、前四半期(2024年1~3月)の3.5%から1.5ポイント増加しました。またWeCharge利用者のうち約3分の1はPHEV(プラグインハイブリッド車)でした。
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基礎充電インフラ(個別設置型)の契約率
1. 集合住宅などにおける基礎充電インフラ(個別設置型)の契約率
「基礎充電契約率」は、単位期間における充電利用がある設備の割合として算出しています。
2. 商業施設などにおける公共充電インフラ(シェア型)の利用実績
この表は、ユビ電が設置・運営する公共充電インフラ(シェア型)の充電利用を算出したものです。
3. 基礎充電インフラの重要性
現状、戸建て住宅と集合住宅では居住者のEV所有率に大きな隔たりがあります。EVの普及という観点からみると戸建て住宅にEV普及に有利な要因があることは明らかです。ユビ電は、「自分専用の200Vコンセントから好きな時に充電する」という戸建て住宅で当たり前の基礎充電が、集合住宅では実現しにくい状況がその要因であると考えています。
そこでユビ電は、全国で約40%、東京都や政令指定都市においては約70%を占める集合住宅の居住者が戸建て住宅居住者と同じように、普段EVを停めている自分の駐車場で何時でも自由に充電できる環境を安価に整えることこそが、基礎充電インフラの拡充の本質であり重要視されるべきポイントであると考えています。
4. EV普及と充電環境の関係
自動車の使用実態を平均で見ると、1日の走行時間は24時間のうち4.7%に過ぎず、95%以上の時間は駐車しています[2]。また、平日の走行距離は70%の方が1日20km以内、96%の方が1日50km以内という調査結果が出ています[3]。3kWの充電で1時間に約20km分の電力を充電できることを考えると、自宅で夜間に数時間EVを充電するだけで、ほとんどの方の日常運転をカバーできます。
実際、WeChargeが導入されたマンションの基礎充電契約率(個別設置型)は5.0%に達し、日本全体のEVストックシェア0.8%を大きく上回っています。これは、自宅充電環境の整備がEV普及の鍵となることを示しています。
5. 今後の展望
政府は2035年までに新車販売の電動車100%を目指しており、東京都では2025年から新築マンションへのEV充電設備設置が義務化されます。また、既存マンションへの充電設備設置を促進するマンション標準管理規約の改正も行われました。
WeChargeは充電ピークを分散させるエネルギーマネジメントシステムを提供し、マンションの電力契約や設備投資の負担を軽減します。さらに、使用した電力量に応じたkWh課金方式を採用し、利用者の公平性も確保しています。
これらの取り組みにより、集合住宅居住者のEV所有を現実的なものとし、日本全体のEV普及を加速させることが期待されます。ユビ電は、これからもWeChargeの導入マンション数を増やし、これにより日本のEV普及率の大幅な向上に貢献したいと考えています。
参考文献
1)IEA (International Energy Agency, 国際エネルギー機関) :Global EV Data Explorer,
https://www.iea.org/data-and-statistics/data-tools/global-ev-data-explorer, 2024.
2)毛利雄一,若井亮太,橋本雅道:OD及びプローブデータを用いた自動車の走行及び駐車特性に関する分析,土木計画学研究発表会・講演集, vol.55, 2017.
3)日本自動車工業会:2023年度乗用車市場動向調査, 2024.
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