宅建士や建築士など7業種の不動産流通に関わる専門家からなる「いこま空き家流通促進プラットホーム」を設立してから1年が経ちました。
プラットホームでは、「どこに相談していいのかわからない」「相談したけど受け付けてもらえなかった」など、様々な不安を抱えている空き家所有者に専門家が寄り添い、一つ一つの物件に対してオーダーメイドで対応方針を提案してきました。設立から1年間で、空き家期間平均13年の空き家を36件取り扱い、そのうち9件が売買または賃貸借契約に至り、新たな住まい手が生まれました。
■ プラットホームの取組事例(抜粋)
◇ Case1 ~愛着のある建物を手放すきっかけに~ (空き家期間18年)
所有者は建物と地域に愛着があり賃貸を希望していた物件。宅建士と建築士が建物を確認したところ、居間の床に見られる傾きが建物全体に及んでいることが判明。改修費用や地域の流通事情を踏まえた、賃貸、売却の比較提案を行い、所有者も納得したうえで売却が成立した。
◇ Case2 ~賃貸での取り扱いを不動産会社に断られた物件~ (空き家期間1年)
過去に不動産会社に相談した際、「建物内部の傷みや汚れがひどく、このままでは貸せない、多額の改修が必要」と言われた物件。所有者はそのままの状態で貸すかわりに家賃を低く設定し、借主は建築士のアドバイスを受けてDIYで修繕しながら住み始めた。
◇ Case3 ~バブル期に購入した物件の売却を決断するきっかけに~ (空き家期間9年)
所有者は空き家について不動産会社等へ相談したことがなかったが、市のアンケートに売却希望と回答されていたことから、市がプラットホームの仕組みを説明し、取り扱うこととなった。バブル期に高額で購入したため、当初は宅建士の提示価格に難色を示していたが、空き家のリスクや市場予測について時間を掛けて説明し、所有者も納得したうえで売却が成立した。
◇ Case4 ~父亡き後、数年来の心配事を解決~ (空き家期間5年)
所有者は父親から山中の物件を相続したものの、草木の手入れが大変で、「どうしたらいいのかわからない」と長年困っていた。「空き家相談会」や「空き家セミナー」への参加を経て、プラットホームを利用。地域に精通した宅建士が対応し、早期に売却が成立した。
◇ Case5 ~不動産会社への不信感を解消し、安心して売却~ (空き家期間29年)
所有者は過去に不動産会社を名乗る架空業者から詐欺被害に遭い、不動産会社への不信感を抱いていた。市が所有者と会ってプラットホームの趣旨を説明し、地域に精通した宅建士の対応により、安心して売却することができた。
◇ Case6【対応中】 ~建築士と宅建士が連携し近隣への危険を除去~ (空き家期間9年)
擁壁に多数の亀裂があり、大雨や地震などが発生した際に近隣に被害が及ぶ危険がある物件。建築士による状況調査の後、建築士と宅建士が、安全面及び流通面から、擁壁の是正が不可欠であることを説明し、所有者は建物解体へ動き出した。解体後は、擁壁を是正して敷地を活用したい個人あるいは事業者への売却が検討されている。
■ 1年間の実績
▷ 取扱件数 36件(空き家期間平均13年)
▷ 成約件数 9件(うち売却7件、賃貸2件)
▷ プラットホーム登録事業者数 51社(7業種、8団体)
▷ 空き家流通促進検討会議 12回開催(毎月)
(一つ一つの物件に対して対応方針を検討する)
▷ 空き家セミナーでの講演 年2回(計44名参加)
■いこま空き家流通促進プラットホームとは
生駒市と協定を結んだ不動産、建築、法律などの専門家団体により構成される組織です。
空き家の状況や所有者の意向にあわせて対応事業者を選定し、個別の流通支援策を検討・実施します。
詳しくは、市ホームページ
https://www.city.ikoma.lg.jp/0000013956.html をご参照ください。
空き家流通促進プラットホーム設立の記事は、
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000006886.html をご参照ください。
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