ポラスグループ
ポラスグループ(本社:埼玉県越谷市、代表:中内晃次郎)の各社が開発した以下の11点が、2022年度グッド デザイン賞を受賞いたしました。なかでも『西大宮街育プロジェクト 結美の丘/全54邸』はポラスグループとして 初めてグッドデザイン・ベスト100に選出されました。当該作品は2012年春の販売開始から今日まで、計画的 に配置された分譲地の緑化空間を当社支援のもと住民の手で管理し、街のコミュニティの成熟と経年美の実現 を図ったプロジェクトです。ポラスグループとしては20年連続の受賞、通算受賞点数は74点となりました。
<ポラスグループ グッドデザイン賞 詳細ホームページ
https://www.polus.co.jp/gooddesign/>西大宮街育プロジェクト結美の丘/全54邸 グッドデザイン・ベスト100選出 (株)中央住宅 戸建分譲設計本部 設計二部
<概要>
●2012年春の販売開始から今日まで続く活動で、さいたま市初の景観協定のもと、計画的に配置された分譲地の緑化空間を、住民の力で緑の管理を行い、それによって街のコミュニティの成熟と経年美の実現を図ったプロジェクト。
●各戸は、景観協定によって道路、緑道からのセットバック、敷地、付属建築物の制限、樹木の植栽や緑化の基準が定められていますが、その
他にこの54邸の街区には南を通り抜けできる住民専用のフットパス
と広場、外周道路沿いに0.45m幅のグリーンベルト、メインゲート
の広場が設置されています。これによって四季折々の草花が街を包み込
むランドデザインとしています。
●広場やフットパスの植栽、各住戸のみんなの木や街路樹の一部は、全
住戸の共有持ち分として住民全体で管理。具体的には年3~4回の緑の管理活動(剪定、花植え、清掃)を毎年実施するとともに、適時にNPO法
人や当社において支援を行いながら、活動しています。
●これらの活動の結果、経年美化が深化した美しい街並みが誕生しました。
●プロジェクトは、近年の1.緑の消失、2.画一化された家の量産、3.街の経年劣化、4.地域コミュニティの希薄化などの問題意識からスタートしました。
<審査員評価>
一定規模の場所が住宅地へ変わる時、そこにいかにして人間的な環境の持続性
やコミュニティを生み出せるかが、本来であれば問われるべきだろう。このプロジェクトではその問いに、事業者が一貫して誠実に対峙してきた痕跡が見てとれる。住民活動の自発性と継続性を生むためのプロセス、緑の配置や育成保全の計画、コミュニティ・ベネフィットを生み出す景観協定など、この場所で積み重ねられてきたソフト面での努力は、他の開発事例においても広く共有すべきものと評価された。
ベルフォート上尾 花と杜の小路 (株)中央住宅 戸建分譲設計本部 設計一部
<概要>
●従来の都市型分譲住宅では、隣棟間隔が近いため風通しが悪く、 日の当たらない庭や使い道がない空間が生まれやすくなります。 そこで、隣地との境界、敷地の裏側に着目し、日本古来の路地空間のような共用スペースを創出しました。
●路地は、各敷地の一部を地役権により供出。路地沿道にはコミュ ニティの醸成を促すよう、連続した緑の空間を創り出しました。物理的な共有スペースの供用ではなく、人と人の出会いのある街づくり、路地空間を拠点に地域と人をつなぐ仕掛けとしています。
<審査員評価>
住居個別の独立性を重視したこれまでの戸建分譲に対して、”コモン”のデザインによって魅力や価値をどう生 み出すか。そのためのひとつのアプローチが上手に展開されたプロジェクトだ。人間にとっての「路地」の意味に 着目して「裏の空間」を活かす発想は、将来の住環境提供を視野に入れた事業開発の効率面からも、経営的に もポジティブな解となっている。その空間的な設え・デザインには工夫がなされ、それ自体は小さなスペースの 意味と価値とが最大化されていることに注目したい。
リーズン津田沼 インティメイト・スクエア (株)中央住宅 戸建分譲設計本部 設計二部
<概要>
●敷地周辺はマンション、一戸建住宅、駐車場が混在する雑多な住宅地 で公共的な広場空間がありません。そこで、6棟の分譲地でも敷地内に広場的な空間を創出する工夫を施しました。
●具体的には、分譲敷地内で発生しがちな無駄な空間を真ん中に集めることで広場のような空間を作りました。この空間は本来2棟の敷地です が、地役権を設定して供出してもらう一方で、残りの4棟にはその敷地を使う代わりに管理を分担することを取り決めました。これにより安全で緑 豊かな庭先空間が生まれました。
<審査員評価>
ひとつの敷地を複数の敷地に分筆する際、多くのケースでは、接道義務を満たすために路地状の敷地を生み 出すことになり、塀に囲まれた活用しにくい場所になってしまうことも少なくない。この提案ではこの未活用スペ ースのもったいなさに着目し、分譲住宅の住人同士の共有する空間として設計した。また、外構の床を設え、木を植え、各家の掃出窓を隣接するように設け、ベンチも配すことで、より積極的に使える場所となるよう促してい る。事業性と環境の向上を両立した計画であり、ぜひ多くのプロジェクトでこのアイデアを展開してほしいと期待 している。
自遊ライフを無限大に楽しむ家 ポラスガーデンヒルズ(株)
<概要>
●北総線西白井駅徒歩圏の28棟の分譲住宅。既存の街とのつながりを大切にし、新たな街には余白を持たせ、リラックス、アクティブ、ポジティブ、クリエイティブな自遊ライフを無限大に楽しめる家の提案です。
●つながりは既存のインターロッキングと分譲地のオープン外構・植栽で表現。新しいフットパスも設け、人の流れも促すようにしました。 余白は、建物配置や各戸の自主的セットバックによって生み出しま した。人の通り道となるサイドパスも敢えて配置。室内と庭もウッド デッキでつながっており、おうちキャンプをはじめ様々な自遊ライフ を満喫。アイデアひとつで暮らしが広がっていきます。 自遊ライフを無限大に楽しむ家 ポラスガーデンヒルズ(株)
<審査員評価>
ややもすると平凡な郊外住宅群として開発されることが多い状況において、分譲住宅群によって発生する「ま ち」の長期的な価値・魅力をうまく生み出している。住戸内の設えにみられる様々な企画力とともに、特にエリ ア全体の配置や外構の計画は、住み手の想像力や暮らしの能動性を発揮させ、さらに近隣の関係性を誘発するきっかけになるよう、事業者としてよく練られている点が高く評価された。
旅するキッチン ~こころを満たす住まいと風景の考察~ ポラスガーデンヒルズ(株)
<概要>
●コロナ禍で旅がしづらい中、住まい自体を旅先のようにデザインできないかと発想しました。住まい手が居場所を制限されることなく自由に家 の「ウチ」「ソト」を行き来し、食事をしたり仕事をしたりできる住宅地です。
●本分譲地ではそのコンセプトを実現するために食にフォーカスしまし た。室内にはこだわりのアイランドキッチン、室外には気軽に食に関わ るためのコネクトテラスと手元を隠せるウォールを設置。住人はポータ ブルコンロなどを持ち出し、気負うことなくソトキッチンを楽しめます。メインの街路はゆるやかなカーブを描く「ゆらぎノミチ(インターロッキング 敷設)」とするとともに、緑豊かな植栽を施し、旅先のような風景を創出 しました。
<審査員評価>
塀で囲われた人気のない庭、物置と化しているテラスやベランダ、昼夜問わず年中カーテンの閉まった窓。日 本の典型的な住宅団地の風景である。この閉鎖性は如何ともしがたいのだろうかと思っていたのだが、図らずも COVID‑19による“日常”生活の見直しがその契機となったようだ。通勤通学の効率性を求めるがゆえに過密地域に住み、それにより失った外部性を補うように、閉鎖的内部での娯楽家電の充実や、外出・外食に楽しみを求めるというライフスタイルから、豊かな外部空間を享受する在宅生活への転換は、日本の生活者の目を、自然環境と住環境の調和という重要なテーマに向けていくように感じている。
Liberation Space ~壁面後退により解放された未利用地部分の空間提案~ポラスマイホームプラザ (株)
<概要>
●地区計画で守られた街並みの中にある3棟の分譲地。画一的に隣棟間隔を確保するのではなく、互いの敷地の一部を拠出し、地役権を設定することで、普通なら裏となる場所を表とし、四季を感じる小路を創り出すプロジェクト。
●この前提となったのは、従来の家の裏側の問題点。0.5m~1m の空き寸で作られた犬走部分の用途は室外機置き場としてしか利用方法がなく、これでは地区計画で1m近く境界線を壁面後退させても敷地を有効活用されないため、本物件のような計画としました。小路の余白部分には樹木を植え、光と緑を感じられるよう にしています。
<審査員評価>
条例などで定められた壁面後退は、通常、隣棟間の距離の確保には役立つものの、使いにくい隙間として残 置されてしまうことが多いのだが、本計画は、3棟の分譲住宅の壁面後退により生まれた未利用地を合算し、 一体的な使える隙間と捉え、コミュニティのための場所として再評価している。また、敷地の接道方向を生かし てこの使える隙間を各家にアプローチするための小径とし、リビングの配置及び開口位置とも合わせて計画す ることにより、各家にとってなくてはならない場に昇華させている。ぜひ、今後もこのような計画に積極的に取り 組んでほしい。
Sumi-Ka+ (株)中央住宅 不動産ソリューション事業部 不動産開発部
<概要>
●分譲住宅の既成概念にとらわれず、現代が抱える社会問題の解決を建築で目指した意欲的な作品。舞台は千葉県松戸市の3棟の分譲住宅。普通と違うのは、3棟に住む人を1.親との同居も考えている家族、2.共働き子育て家族、3.夫婦2人だ けの家族と想定し、同世代の子育て前提の家族だけが住む街としていないところ。ライフスタイルの違う3家族が、共に人生を分かち合えるコミュニティを目指しました。街の中央には境 界を越えた広場を設置。土地利用協定を結ぶことで、この広場やエントランスゲート、お互いのデッドスペースを有効活用 できるようにしました。さまざまなところで余白が楽しめる間の 美学を追求した作りとなっています。
<審査員評価>
不動産事業者だからこその視点で日本の分譲住宅地の問題点をあぶり出し、それに対してユニークなデザイ ン提案をおこなった秀逸な作品。分譲住宅地の大多数が子育て世代を主たるターゲットと想定しており、そこ から来る家族構成の同質性が、住民の多様性や街の持続性を阻害してしまう。これに対して、Sumi-Ka+では、 3世代家族、共働き家族、夫婦のみの家族という異なる世帯構成の3住戸を意図的に組み合わせることで、住 民間の相互扶助関係を醸成し、コミュニティの形成を試みている。共用部分を積極的に設けることで分棟と感 じさせないデザインも、社会的なコンセプトを効果的に補強している。このような多棟構成をクラスター単位とし て分譲住宅地が形成されれば、これまでにない重層的なコミュニティが出現する可能性がある。
AKUNDANA (株)中央住宅 マインドスクェア事業部 マンション Dv
<概要>
●通路である廊下を「子どもが絵本を身近に感じる空間」として再構築したマンション設備。廊下の壁面と洋室の扉が 連続した木目調の絵本置き場となっており、本棚の一部か と思うと扉が開くことから、AKUNDANA(アクンダナ)と命名しました。その扉部分の棚には、開け閉めの際の、本が落下しないよう、落下防止バーを設置しています。併せて、ゆっくり自動的に閉まるオートクローズ機能も付いています。
●廊下の照明も AKUNDANA 側に寄せており、ギャラリー的な使い方もできるうえ、マグネット付きの黒板も組み込んでおり、家族の情報ステーションの役割も果たします。カバン や上着もかけられ、鍵なども置けるなど、多岐に渡って利 用できます。
<審査員評価>
本棚を生活の中心に据えるコンセプトは、フルオーダーの戸建住宅などではよく見られるが、ターゲットとなる 客層が幅広い一般的な分譲マンションでは、販売価格を抑える必要性もあり、なかなか珍しいケースかもしれ ない。住戸部分は nLDK スタイルの一般的な計画でありながらも、単なる通路となりがちな「廊下」に面した壁 を本棚やギャラリーとすることで、無機質な廊下空間が豊かな居住空間へと変わるアイデアに好感が持てる。 なにより、このちょっとした工夫で、子供たちの教育や日々の生活の楽しみにつながるという付加価値が、住み たい集合住宅として選ばれるきっかけにもなりそうだ。 コンセプトである本棚の存在感を高めたいという意図 からの発想だと思うが、本棚にカモフラージュされた「隠し扉」はなんとも微笑ましいポイントである。
ウチノニワ ポラテック(株) PO HAUS (株)ポラス暮し科学研究所
<概要>
●「ウチノニワ」は、住まい手どうし、及び社会との距離感を再定義した住宅です。社会の変化、ライフスタイル、価値観の変化に対 応する住宅を目指し、庭を中心とし住宅に取り込むことで出来た領域は様々な要素を持ち、各々の最適な距離感を一つの住宅の中で創り出します。
●1.庭を建物に取り込み、開放性と閉鎖性を併せ持つ「内外空 間」、2.内へのアプローチ、内の延長、内の分離、内を繋ぐ、四つの要素を持つ「ウチノニワ」、3.住宅に於けるワークスペースの在 り方を提示する「ハナレ」をデザインし、余剰空間に計画されがち な庭に多様な属性を持たせました。
<審査員評価> 住宅における家族間の距離の取り方や外部空間のあり方を広く社会に発信することを目標に、住宅展示場に 建てられた住宅である。庭を中心に、いかに内部空間に庭の豊かさを取り込むか、という姿勢はもちろんのこ と、その提案が、平面計画だけではなく、立面の多様な表情としても現れている点に、多くの評価が集まった。 内外の連続性を誘導するために、床の素材を揃える工夫や、緑が映える外壁色を選択するなど、目標の実現 に向かうための具体的なアイデアの数も多く、好感を覚えた。ぜひ、多くの完成住宅でこの姿勢を展開・発展させてほしい。
囲居(かこい)のある家 グローバルホーム(株)
<概要>
●『普通』という言葉に含まれる変わらない居心地の良さと、昨今の生活スタイルの多様化への対応を両立する為、窓から 見える風景(囲い)と、立つ・座る・寝転がるなど(居方)による目線のズレを、その人ごとの居場所を大らかにつつむ『囲居 (かこい)』と捉え、日常の営みの中に自分のとっておきの居 場所を見つけられる空間をデザインしました。
●1.目線の抜けを意識して配置した大小の窓が、場所やふる まいによって変わる風景を見せ、2.室内外の床の高低差に よって生まれる目線のずれが適度な距離間を生み、3.扉の ない大きなワンルーム空間が、居場所の自由性を高め、内と 外の境が溶け合うプライベート性のある居住空間を実現しま した。家族間でもお互いに心地よい距離感をとれる、そんな 住まいの提案となります。
<審査員評価>
昨今の住まい方の多様化やコロナ禍における家に対する意識の変化を、家の設計に取り込み、具現化しようと する意欲作であり、家族のつながりと一人ひとりの個別性を両立しようとする姿勢に審査でも注目が集まった。 目線の抜けとズレが重要であろうというビジョンを立て、視界を拡張するような開口部の配置の操作、及び、空間 に置かれる家具を含めた居場所の高さの操作により、効果的に実現している。2階にはバルコニーを家の中心 に設けることで、外部を巻き込んだ広がりを感じさせる住空間となっている。
住宅メーカーと建材メーカーが共同で行う 石膏ボードの産廃排出抑制とリサイクル化への取り組み ポラス(株)購買部 (株)住宅資材センター
<概要>
●火力発電削減の流れで、副産物である化学石膏の減少が世界的に見込まれており、石膏ボード原料の安定的な調達体制づくりは喫緊の課題ともなっています。一方、住宅建設時の石膏ボードは15%以上が廃材となっており、回収効率も悪く、建設会社主導でリサイクル化に踏切る会社は多くありませんでした。
●そこで、メーカーの吉野石膏と共同で、ポラスの階高や使用箇所 に合わせた10種類のジャストサイズ品、窓廻りカットボードなどを 設定し、現場での余材を減らす活動を行い、それでも余る廃石膏 ボードは、住宅資材センターのミライクル(中間処理施設)を活用し、集めた廃石膏ボードをメーカーの製造工場に運び込み、再製 品化する仕組みを構築しました。
<審査員評価>
石膏ボードのメーカーと、そのユーザーである住宅メーカーによるボードの回収と再資源化に取り組む共同プロ ジェクト。会社の枠組みを超えて資源循環のプロセスを構築していることが生み出す、社会的インパクトは大き い。石膏ボードの 一年間の使用量もかなりの数なので、この取り組みが持つ価値は日本の建設業界における 資源循環を広げる好例になると考える。今後の継続とさらなる規模の拡大に期待したい。
企業プレスリリース詳細へPR TIMESトップへ