20年間で価格は2倍に タワーマンション市場動向

株式会社マーキュリー

2025年1月16日 16時48分

不動産ビッグデータとAI等のテクノロジーを活用し、不動産マーケティングプラットフォームを提供する株式会社マーキュリー(本社:東京都新宿区 代表取締役CEO:陣 隆浩、証券コード5025、以下「当社」)は、独自視点で業界の動向を発信しております。
今回は、タワーマンションが数多く供給されている東京23区と大阪市の供給や相場の推移を過去20年間遡って分析します。


眺めが良く、ホテルライクなエントランスや共用部、ゲストルームやラウンジといった共用施設も充実していて、さらには躯体も一般的なマンションよりもしっかり作られ耐震性も強く、資産価値も安定していて下がりづらい。良いこと尽くめなタワーマンションですが、最近では新築マンション相場の高騰の影響でタワーマンションの新築分譲価格も高騰しています。
タワーマンションが数多く供給されている東京23区と大阪市に注目し、供給や相場の推移を過去20年間遡って分析しました。

■供給のピークはリーマンショック前と東日本大震災後
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18769/279/18769-279-9818f00aefc630babbca335d7fc1c676-1920x1421.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


上のグラフはタワーマンションの供給戸数の推移です。2004年以降で最も活発に供給がおこなわれていたのは、リーマンショック前の2004年から2006年で、東京23区で年間7,000戸以上、大阪市で年間3,000戸前後が供給されました。次に供給が多いのは2013年で、東京23区8000戸、大阪市3,000戸を上回る供給戸数になりました。東京23区で2013年に供給が増えたのは、2011年に発生した東日本大震災で、首都圏でも沿岸部の地盤が液状化するなどした影響でタワーマンションが多く供給される湾岸エリアの供給計画が後ろ倒しされたことが影響しています。近年では東京23区で年間2,000~4,000戸、大阪市で1,500~2,000戸前後の供給量でほぼ横ばいに推移しています。

■沿岸にある地域で供給が多い
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18769/279/18769-279-461719eda4d02629bf805c3e80801cd5-1920x1557.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18769/279/18769-279-b32247f9600e887b5d49c5c6edddfc1a-1920x1203.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


上の表はタワーマンションの地域別の供給戸数です。東京23区は供給が多い順に挙げると江東区、港区、中央区、品川区となり、この4区で23区のタワーマンション全体の2/3が供給されています。東京23区で最も供給が多い江東区では20年間で延べ供給戸数が2万戸を超え、年平均すると1,000戸以上の供給が行われていることになります。大阪市では、北区、中央区、西区、福島区の4区で全体の3/4が供給されています。双方とも中心部から沿岸部にかけて供給が多く分布していることがわかります。また、東京23区、大阪市ともに2014年前後を境に、供給されるエリアが絞られている傾向も見られます。

■20年間で価格は2倍に
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18769/279/18769-279-64fc7770fcaac7a1da2cc80733241a85-1920x1421.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


上のグラフは2004年から2023年までのタワーマンションの平均価格の推移です。2004年当時は東京23区で5,300万円、大阪市で3,864万円でした。その後、2008年のリーマンショックで下落し、東京23区では東日本大震災の影響もあり2011年に下落するものの、2015年以降は上昇を続け、2023年には東京23区で1億1764万円、大阪市で7,863万円まで上昇しています。2004年の平均価格と比べると価格は約2倍に上昇しています。2015年以降の上昇については、先の地域別の供給戸数で述べた供給エリアが絞られてきたことも価格上昇の一因と考えられます。

■1平方メートル あたりの価格は2.5倍に
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18769/279/18769-279-2aa0823678c280348567abff5a828bc3-1920x1421.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


次に、上のグラフは1平方メートル あたりの平均価格(平方メートル 単価)の推移を見てみると、2004年当時は東京23区で68万円/平方メートル 、大阪市で46万円/平方メートル でしたが、2023年には東京23区で170万円/平方メートル 、大阪市で113万円/平方メートル まで上昇しており、こちらは2004年と比べると約2.5倍に上昇しています。
平均価格の上昇率に対して1平方メートル あたりの平均価格の上昇率の方が高いことから、タワーマンションは緩やかながら面積が狭小化してきていることも分かります。


■戸あたり15億円前後も
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18769/279/18769-279-78045b81033b0ef4461a9a3419f38018-1920x1420.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


上のグラフは各年のタワーマンションの最高価格の推移です。東京23区では、2010年以前は都心の一等地の物件の最も条件が良い住戸でも10億円程度が上限でしたが、2015年あたりからは条件が揃った住戸は15億円前後まで上昇しています。一方で大阪市は2021年を除くと2億円から5億円の間で推移しており、東京23区と比べると最高価格の上値は重いことが分かります。


■直近1~2年の状況が継続する可能性が高い
過去20年の相場を振り返ってきましたが、タワーマンション市場はこの20年で大きく様変わりしていることが分かります。今後のタワーマンション市場の予想としては、もともとタワーマンションが一般的なマンションに対して持っている付加価値による相対的な需要の高さに加え、供給エリアや供給戸数の減少、さらにはコストプッシュ的な要因が大きいといわれる昨今の新築マンション市場全体の相場の高騰も相まって、今後急激にタワーマンション市場が大きく変容することは考えづらく、供給は横ばいないし減少、価格は上昇していく見込みが高いと考えられます。

・Realnetマンションサマリの新築マンションデータを基に算出
・東京23区、大阪市で2004年1月から2023年12月末に新築分譲した総階数が20階建て以上のマンションの住戸が対象。
※投資用のワンルームマンションは除く

【マーキュリーについて】
当社は、1991年の創業以来「不動産ビッグデータ」を武器に、事業を展開してきました。
「Big Data × Technology で不動産の未来は私たちが動かす。」をビジョンとして掲げ、近年は従来のビッグデータに、AI等のテクノロジーを用いて不動産マーケティングプラットフォームを提供しております。
これからも高品質なサービスを提供し続けることで、更なる顧客満足と事業の拡大を目指します。そして不動産ビジネスに関わるあらゆるステークホルダーの最良の選択の為に「確信」を届けてまいります。


【会社概要】
会社名:株式会社マーキュリー
所在地:東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル42階
URL:https://mcury.jp/
代表取締役:陣 隆浩
設立年月:1991年5月

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